「女心と秋の空」の意味と使い方は?気になる続きと類語も紹介

溜め息をつきながら「女心と秋の空…」と男性が言っているのを聞いたことはありませんか?一体、この言葉にはどのような意味が含まれているのか、ぜひとも知りたいものです。

ここでは「女心と秋の空」をテーマに意味と使い方、気になる続きの部分、類語と英語表現を併せて紹介しています。言葉の意味を理解して、語彙力を深めていきましょう。



「女心と秋の空」の意味と使い方は?

さっそく「女心と秋の空」の意味と使い方を、例文を交えて紹介します。

意味は「移り気な女性の気持ち」

「女心と秋の空」は「女性の気持ちというのは、まるで秋の空のように変わりやすく移り気である」という意味のことわざです。これは女性が男性に対して抱く愛情のことだけではなく、個人的な感情、考えや決意などを含めて「コロコロと変わる」という意味もあり、加えて「起伏が激しい」「笑ったり泣いたり、気持ちがよく変わる」などというニュアンスも含まれています。

つまり、さっき言ったことが嘘のように見事に逆転し、予想もつかないような展開になったり、昨日の気持ちと今日の気持ちが全く異なったりするような様子を指しているのです。状況的にはややため息交じりで「女性の心は読めない」といった困惑した感じが伝わってきます。

もともとは「男心と秋の空」だった

現代では女性を対象に移り気な気持ちを表す言葉として「女心と秋の空」が使われていますが、もともとは「男心と秋の空」でした。ことわざが誕生したのは江戸時代で、既婚男性が他の女性に気持ちが移ろいやすいことを表現していたものです。

既婚女性が他の男性に気持ちを許すことは禁止されていても、既婚男性にはさほど厳しくなかった江戸時代から室町時代にかけての文化風潮を示すものでもあったわけです。

しかし、大正時代を迎え女性の地位が認められるようになってくると、恋愛に対してのルールや価値観も変わってきます。この頃、男性への愛情に対してのみならず、女性の感情の激しさを示した女性版「女心と秋の空」が生まれました。

「女心と秋の空」の使い方と例文

「女心と秋の空」は「男性に対する女性の愛情」のみではなく、全体的に「女性は移り気なものだ」という意味合いで使われることが多いです。日常生活でもビジネスシーンでも、大切な意見のやりとりや決定事はありますが、一定した考えや決意を貫くことなく、別のアイデアが浮かび、別の方向へ話が移動してしまうことも時にはあるでしょう。

そのような時は安易に女性だからといって「女心と秋の空」と放ってしまわずに、ものごとの背景や事情を考察することも大切です。「一時的な感情や起伏の変化で言っているのかどうか」を上手に見極めてみて下さい。

  • 5分前にイタリアンがいいって言ったのに、今度は和食?何とも女心と秋の空だ。

「女心と秋の空」類語と対義語は?

それでは「女心と秋の空」の類語と対義語について見てみましょう。

類語は「女の心は猫の目」

「女心と秋の空」で「気持ちがコロコロと変わる」という意義の類語には「女の心は猫の目」「分からぬは夏の日和と人心」などがあります。広い意味で「人の心はわからない、測り知ることができないものだ」という意義で考えれば「測り難きは人心」も類語の一つとして捉えても良いでしょう。

  • 女の心は猫の目というように、彼女の気持ちは毎日にように変わる。
  • 同僚のK子さんが昨日と異なる意見を言ってきた。分からぬは夏の日和と人心か。
  • 測り難きは人心でも、チーム会議では一貫した意見を吐き出してほしいものだ。

対義語は「男心と秋の空」

「女心と秋の空」の対義語には「男心と秋の空」があります。「女心と秋の空」と同じように「男性の愛情は変わりやすいものである」ということのたとえとなりますが、女性から見た男性の気持ちの移り気な部分を指していると考えれば、対義語として捉えても間違いではないでしょう。

さらに「秋の空と男心は七度変わる」にも同様の意味があります。ほかにも「夫の心と川の瀬は一夜に変わる」といった言葉もあります。

  • 秋の空と男心は七度変わるというけど、彼の気持ちが真剣にわからなくなってきた。
  • 旦那の言動が最近おかしい。夫の心と川の瀬は一夜に変わるじゃないといいけど…。

「女心と秋の空」の続きと英語表現

ことわざには後ろに文章がつながっているケースもいくつかあります。さて「女心と秋の空」には続きはあるのでしょうか?英語表現と併せて紹介します。

続きは尾崎紅葉「三人妻」にあり

「女心と秋の空」の前身に「男心と秋の空」は明治の文豪・尾崎紅葉の「三人妻」で登場する言葉です。この中に「男心と秋の空」に続いて「欧羅巴の諺に女心と冬日和といえり」という文章があり、冬の風は強くなったり、弱くなったり、強弱が激しいものであることを「女性の心」とかけて詠みあげています。

これは女性の喜怒哀楽の激しさ、感情の上下を示唆するものであり、「女心と冬の風」というイギリスの古いことわざ「A woman’s mind and winter wind change often」を上手に解釈し取り入れたものだと考えることができるでしょう。

「女心と秋の空」の英語例文

  • She keeps on changing her mind just like a woman’s mind and winter wind change often.
    彼女は心変わりばかりしている。まさに女心と秋の空だ。
  • My girlfriend never stay with the same idea. A woman’s mind changes often?
    私のガールフレンドは考えが定まらない。女性の気持ちは変わりやすい?

まとめ

「女心と秋の空」はもともとは「男心と秋の空」で、大正時代に女性の地位が向上し、恋愛パターンに変化を見せ始めた時期に出来上がったことわざです。意味は「女性の心は秋の空のように変わりやすく移り気である」で、「コロコロと変わる女性の男性への愛情と、一般的な起伏の激しさ、感情の上下」を含んだニュアンスで使われています。

ことわざが出来上がった背景を見てみると、男性も女性もどっちもどっち?という気にもなりますが、性別を問わず人の心は移ろいやすく、フラジールであるものです。しかしなら、そのような人間の感情のもろさを皮肉にも表現したことわざだと言うことは間違いなさそうです。

ABOUTこの記事をかいた人

某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。