「大元」とは「おおもと」と読むのですが、名前で使われてた時には「だいげん」と読まれます。同じ「おおもと」にも「大本」と書かれる場合があるのですが、違いがあるのでしょうか。この記事では、「大元」の読み方や意味のほかに、「大本」などの類語や使い方と例文も紹介します。
「大元」の意味と読み方とは
大元とは「物事の根本」という意味
「大元」の意味は「物事の根本」という意味です。「根本(こんぽん)」とは「そこから出発して物事が始まるもと」を表し、「大元」は「物事の始まり」という意味でも解釈されます。
読み方は「おおもと」固有名詞では「だいげん」も
苗字や地名としても使われる「大元」は、その時々で読み方が違います。苗字として使われる「大元」は「おおもと」と読み、岡山県岡山市の「大元」も「おおもと」と読みます。
しかし、男の子の名前に使われる場合は「だいげん」という読み方もあります。
「大元」を使った例文
- 事件の大元には、被害者とその父親との確執があるようだ
- 病気の大元の原因は、長年続くストレスが考えられる
- このデザインの大元はいいと思う。それを活かして装飾を工夫してみよう
「大元」と「大本」の違いとは
「大本」の意味は「物事の根本」「大型の書籍」
「大本」とは「たいほん」「だいほん」と読まれますが、「おおもと」とも読みます。その意味は「物事の根本」や「基本」です。
「大本」が「おおほん」とも読まれる場合は、漢字の通りに「大きな本」や「大型の書籍」という意味になります。「大本(おおほん)」とは、江戸時代に作られた2つ折りで袋とじにした本のことです。大きさは美濃紙と同じ、つまり縦394mm×幅273mm以上の大判を指します。
「大元」と「大本」の違いはほとんどない
「大元」と「大本」は、どちらも「物事の根本」を表し大きな違いはありません。「大本」には「物事の根本」という意味にあわせて「基本」の意味もあります。そのため「物事の始まり、かつ基本になること」を表す際に使われます。
「大本」を使った例文
- 営業の大本を忘れるな。顧客第一だぞ
- コンセプトを大本から見直してみよう
「大元」の使い方と例文
「大元」で「物事の始まり」を表す
「大元」は「物事の根本」という意味ですが、「物事の始まり」を表す言葉としても使われます。ある人の行動や行為が始まった最初の事柄を「大元」と表現するのです。
- 彼の営業成績が好調な大元は、彼女ができたことにあるんじゃないかな
- その件については、大元の会社に確認しないとわからないよ
トラブルの「根本的な原因」を表すことも
「大元」という言葉は、トラブルが起きたときの原因のなかでも最初の原因となるようなことを指して使われます。会話などでの口語としてだけでなく、書き言葉としても使えます。
- 問題の大元は、彼が嘘をついたことにある
- 問題の大元を追及したところ、彼の発言だったことがわかりました
「大元」の類語と言い換え表現とは
「根本」とは「物事の成り立ったおおもと」
「根本(こんぽん)」とは「物事の成り立ったおおもと」という意味の言葉です。「根本」は「ねもと」と読めて、元々の意味は「草木の根」でした。
「根本(こんぽん)」はある事柄の始まりが言及されるときなどに使われます。
容疑者が自白したことで、証拠が根本からくつがえされた。捜査のやり直しだ
「根底」は「物事や考え方のおおもと」
「根底」とは「物事や考え方のおおもと」という意味で、「根本」と同義語です。ただし、「根底」の「底」という字から、「根本」よりも物事の始まりでもさらに深いところというニュアンスになります。
「根底」と「大元」の違いは、「根底」は書き言葉として使われることが多く、口語として使われると固い印象になります。
彼の思想の根底には、実存主義の影響が垣間見られる
「根源」とは「物事のはじまり」
「根源(こんげん)」も「物事のおおもと」という意味の言葉で、「大元」や「根本」などの類語です。ただし、「源」という字がもつ「はじまり」の意味合いが大きくなります。
諸悪の根源は、政治家のあの発言だったのではないか
「大元」の英語表現とは
「大元」は英語で「foundation」
「大元」は英語で「foundation」を使うのがいいでしょう。「foundation」は「土台」という意味もありますが、「物事の根拠や考え方の基礎」という意味があり、「物事のおおもと」という意味の「大元」という言葉を英訳する適切な英語表現です。
「大元」の英語例文
- The foundation of the problem was his remarks.
「問題の大元は、彼の発言だった」 - The fundamental cause of illness is thought to be stress that lasts for many years.
「病気の根本的な原因は、長年続いたストレスだと考えられる」
まとめ
「大元」とは「おおもと」と読み、「物事の根本」という意味の言葉です。類語には「大本」や「根本」「根源」などがあり、その意味に大きな違いはないので言い換え表現として使えます。それぞれの言葉の違いに迷ったら、「大本」や「根本」の「本」や、「根源」の「源」など2字目に着目すると、意味の違いがわかります。