「デッドライン」の意味や類語とは?ビジネスでの使い方や例文も

「デッドライン」は「越えてはいけない線」や「原稿の締め切り時刻」という意味の言葉です。映画や小説、ゲームのタイトルにもよく使われる言葉です。

ビジネスシーンでは、通常の締切りとは異なる意味で使われます。各分野で用いられる意味合いを例文とあわせて確認しましょう。類語や言い換え語も紹介します。

「デッドライン」の意味

「デッドライン」の意味は「越えてはいけない線」

「デッドライン」の意味とは「越えてはいけない線」「最後の限界線」です。具体的な意味合いは使う場面によって変わります。例えばダムのデッドラインなら「これ以上は貯水できないライン」の意味になります。

「死線(生死の境)」の意味もありますが、日常的には死線の意味でデッドラインを使うことはあまりありません。

「原稿の締切時刻」の意味もある

「デッドライン」のもう1つの意味は、新聞や雑誌の「原稿の締切時刻」です。一部の企業で使う略語は「デッド」です。

「死」を意味する言葉を使っているため、目上のクライアントには避ける企業もあります。また、一般的には原稿以外の締切や提出期限に対してもデッドラインが使われます。

「デッドライン」の語源

「デッドライン」の語源は英語「deadline」

「デッドライン」は英語「deadline」を語源にするカタカナ語です。英語の「deadline」も、日本のカタカナ語と同じで締切や期限の意味で使われています。略語は「DL」や「D/L」です。

deadlineほど厳守するべき期日ではないときや、「死」を意味するdeadを避けたいときは「Due date」で期日を表現します。ちなみに、出産予定日もDue dateです。

「deadline」が締切の意味になった理由

「deadline」が期日や締切の意味で使われるようになったのは、戦争時の捕虜収容所が関係すると言われています。捕虜収容所では「そこを越えた捕虜は、逃亡したとみなす」ラインを「deadline」と呼んでいました。逃亡者は射殺されます。そのため、出版業界では「締め切りに間に合わなかった原稿は没になり、死んだのと同じ」として締切を「deadline」と表現したそうです。

ちなみに、カタカナ語の「デッドライン」には、この意味では用いられないことが一般的です。直訳した「死線」で表現されます。

「デッドライン」の使い方と例文

ビジネスでの意味は「これ以上は延ばせない期限」

ビジネスシーンでの「デッドライン」は、「これ以上は延ばせない期限」の意味合いで使われることが一般的です。締切とされていた後、本当にこれ以上は変更できないという締切が「デッドライン」とされています。

通常の「締切」と勘違いしてしまうと、損失が出る可能性もあります。例えば「デッドラインは10日」と言われた場合で考えてみましょう。相手は「これ以上は待てない」の意味で使ったのに、通常の締切だと思って「1日延ばしてください」と相談したら、非常識だと思われてしまうかもしれません。なお、出版関係では時刻でデッドラインを表す企業もあります。

「補給が必要なライン」で使う企業もある

「デッドライン」は「補給が必要なライン」の意味で用いられることもあります。例えば、貯蔵タンクを持っている企業では、タンク内の容量がどれぐらいから補給するのかを「デッドライン」として定めています。

映画や歌詞では「死線」の意味で使うことも

映画やゲームのタイトル、歌詞に使われる「デッドライン」は「これ以上は待てない締切」「最終期限」という意味で使われることはあまりありません。「生死の境」や「命にかかわる重大な境遇」を意味する「死線」の意味で使われることが多くなっています。他には「越えてはいけないライン」という意味合いでも使われます。

「デッドライン」の例文

  • デッドラインは14日の13時だから、あの先生には2日ぐらい早い日時を締切だと伝えた方がいい
  • 溶液Aがデッドラインを切ったことを知らせるアラームが鳴り響いた

「デッドライン」の類語・言い換え語

「デッドライン」の類語は「レッドライン」

「デッドライン」の類語は「レッドライン」です。「レッドライン」は文字通り「赤い線」という意味でも使いますが、類語の場合は「越えてはいけない線」という意味になります。

特に政治・外交で使われる言葉で「これ以上は交渉の余地はなく、軍事行動に移行する」という限界条件を表します。

「最終締切」と日本語での言い換えも

「デッドライン」を日本語で言い換える際に向いているのは「最終締切」や「最終期限」です。通常の締切・期限とは違い、これ以上は本当に待てないことを伝えるために「最終」をつけて表現しています。

「死線」は言い換えに向かない

直訳した言葉の「死線」には「締切」などの意味はないため、言い換えには向きません。「死線」は「生死の境」か、「捕虜収容所で、ここを越えたら逃亡者と判断する線」の意味で用いられます。

まとめ

「デッドライン」は、ビジネスシーンでは「最終締切・最終期限」の意味で用いられることが一般的です。通常の締切よりも「これ以上は待てない」という意味合いが強いため、誤解しないよう注意しましょう。映画などのタイトルでは「死線」と同じ意味で用いられることもあります。