「お二方(ふたかた)」は二人を指す敬語表現です。ビジネスシーンでも使われますが、類語の「お二人」や「ご両名」とはどのように使い分ければよいのでしょうか。この記事では、「お二方」の読み方や意味を解説し、使い方と類語などを例文とあわせてご紹介します。
「お二方」の意味とは?
「お二方」とは二人を敬う表現
「お二方」は二人で一組になっている人に対して敬意を表した表現です。この場合の二人とは、二人の間に何らかの関係性がある場合に限られます。
例えば、その二人がカップルであるとか、または同じ会社の人などです。
「お二方」の読み方は「おふたかた」
「お二方」は「おふたかた」と読みます。「御二方」と書き表すこともありますが、この場合も読み方は「おふたかた」です。
「二」と「方」をそれぞれ訓読みにして、「ふた」と「かた」と読みます。
「お二方」を使った例文
- お二方のご都合はいかがですか
- お二方とご一緒できて大変嬉しいです
- お二方ともどうぞよろしくお願いします
「お二方」の使い方と例文
「お二方」は関係性のある二人に対して使う
「お二方」とは、カップルや同じ会社で働いているなど関係のある二人を指して使います。言い換えれば、全く関係ない二人を指して「お二方」と使うと相手に対して失礼になります。
例えば、レストランでたまたま近くにいた二人に対して「そちらのお二方、こちらへどうぞ」のように誘導した場合です。客からすれば「私たちは関係がないのに、なぜ一緒にするのか」と不快に感じることが考えられます。
ビジネスシーンでは「会社」を指すことも
ビジネスシーンでは、「お二方」は人を指しているのではなく会社を指して使われることがあります。目の前にいるのは人だとしても、その人が会社の代表としている場合です。
2つの会社からそれぞれ代表としてきている人をまとめて、「お二方」と表現します。
メールでも「お二方」は使われる
「お二方」はメールで二人の人、ビジネスメールなら二つの会社を指して使われます。ただし、メールの内容によっては、「お二方」が指す人や会社がわかりにくいことがあります。読み手に誤解をされないために、「お二方」の前に相手の氏名を書いておくとよいでしょう。
○○様と△△様のお二方に、資料を送らせていただきました
「お二方様」は二重敬語で失礼になることも
「お二方様」のように接頭辞に尊敬の意味を表す「お」を使い、語尾にも尊敬の意味を表す「様」を使うと、二重敬語になります。二重敬語とは同じ意味の敬語表現を重ねて使った表現のことで、日本語として正しくない表現だとされています。
丁寧に表現したいという意識から「お二方様」と使ってしまいたくなるかもしれませんが、それではかえって失礼になるので、「お二方」には「様」をつけずに使いましょう。
「お二方」の類語と言い換え表現
「お二方」の類語「お二人」はやわらかい印象に
「お二人(ふたり)」とは「ふたりの人」という意味の尊敬表現です。「ふたりの人」を意味する「二人」に尊敬の意味を表す接頭辞「お」をつけています。
「お二人」と「お二方」の両方とも丁寧な表現ですが、比較的「お二人」の方がやわらかい印象になります。相手との距離を縮めて、話しかけるように親しみを込めた表現をしたい場合に「お二人」を使うとよいでしょう。
お二人にとって良き日になることを祈っています
「ご両名」「ご両人」は二人が一組という意味
「ご両名(りょうめい)」や「ご両人(りょうにん)」とは「ふたり」を意味する言葉で、「お二方」の類語です。特に「二人が一組」であることが自明な時によく使われるので、カップルなどを指して「ご両名」や「ご両人」が使われます。
では、ご両名のご署名をいただいてもよろしいでしょうか
「お二方」のように人数を表す敬語表現
一人は「お一方」三人は「お三方」
ひとりの人を指して使われる敬語には「お一方(ひとかた)」があります。「お一方がお待ちです」「もうお一方がご相席になりますがよろしいでしょうか」のように使われます。
また三人の場合は「お三方(さんかた)」と表現します。「お三方と一緒に写真を撮らせていただけませんか」のように使われます。
四人以上の場合は「四名様」や「ご一同」
人数が四人以上の場合は、「~方」という表現はできずに、「四名様」や「五名様」になります。また、人数に関係なく「ご一同」と表現することもできるでしょう。
「みんな」を意味する「一同」に接頭辞「ご」をつけて尊敬表現にしています。
「お二方」の英語表現
「お二方」の英語訳では相手の名前を使う
「お二方」のように相手に敬意を表した表現にしたければ、英文では相手の名前を書きます。相手の苗字を使い、男性なら「Mr.~」、女性には「Mrs.~」と表現します。
省略することを考えずに、相手の名前を書くことで丁寧な印象になります。
I really appreciate for your invitation, Mr.Smith and Mrs.Wright.
スミスさんとライトさん、お二方からのご招待を感謝します
親しみを込めて「you two」や「you all」を使う
親しみを込めて「お二方」を英訳するなら、「you two」や「you all」があります。くだけた印象を与えることもあるのですが、「you two」や「you all」を使うことで、相手との距離が近づき、まるで友人のように親しい関係であることを伝えられます。
I am glad to see you two.
お二方に会えてよかったよ
まとめ
「お二方」とは「おふたかた」と読み、二人を敬った表現です。相手に敬意を表したいときやビジネスシーンなどでも使えます。少しかしこまった印象もあるため、親しみの気持ちと丁寧さに言い表したいのなら「お二人(ふたり)」を使うといいでしょう。
お二方の同意を得られたので、弊社を含めて3社で今後の事業を展開していきます