「縁の下の力持ち」の意味と使い方は?言い換えと英語も一緒に紹介

職場でも「縁の下の力持ち」と呼ばれるにふさわしい人はいませんか?「縁の下の力持ち」はリーダーや主役ではないけれど、しっかりと仕事を支えてくれる頼りになる存在です。

ここでは「縁の下の力持ち」の意味と使い方を中心に、由来、言い換えや対義語、また就職活動での志望動機や自己PRでの効果的な使い方を紹介しています。

「縁の下の力持ち」の意味や由来

意味は「陰で支える努力をする人」

「縁の下の力持ち」の意味は、「陰で支える努力をする人」です。「目立たないところで他人や周囲のために苦労をし、支えること、またそのような人物」を指すことわざです。

「縁の下」というのは普段は意識していなければ人目に触れることはない場所。その縁の下で他人を支えるために一生懸命尽くす様子を指しています。決して目立つことはなく、縁側の下からしっかりと支える柱のごとく、人知れない努力をしている人のことを表しているのです。

また、「縁の下の力持ち」は陰の存在でありながら、その存在なしでは成功や達成することはできません。つまり、有能で価値の高い人物を指している言葉とも言えるでしょう。

由来は「京都いろはかるた」

「縁の下の力持ち」は「上方いろはかるた」の「え」の一句です。ちなみに江戸かるたでは「得手に帆を揚げ」、大阪かるたでは「閻魔の色事」となります。

「縁の下の力持ち」の使い方と例文

表に立ち活躍している人には使わない

「縁の下の力持ち」の使い方で気を付けたい点は「表に立ち活躍している人」「活躍が明らかに目立つ存在である人」には使わないということです。「縁の下の力持ち」は注目を浴びない場所「縁の下」で支える力であり、言わば「陰の存在」「見えない力」であることが前提になります。この点だけ留意しておきましょう。

「縁の下の力持ち」を使った例文

「縁の下の力持ち」を使った例文をご紹介しましょう。

  • エンジニアのNさんは私たち営業部にとって縁の下の力持ちのような存在である。
  • 物流センターでの縁の下の力持ちとは、黙々と配送の手続きをしてくれるデリバリー部門だ。

志望動機と自己PRでの使い方

「縁の下の力持ち」に向いている仕事を挙げながら、就職の志望動機や自己PRなどで、より効果的にアピールする方法とあわせて紹介します。

裏方やサポートの仕事

自分が「縁の下の力持ち」であると思う人は、裏方やサポート、ヘルプデスクやコーディネーター、コンサルタントなどの仕事が向いているでしょう。陰で困っている人を助けながら、適切なアドバイスや助言ができる立場であり、自分が表立って活躍しないまでも、他人が活躍できるように努力し目標に向かって黙々と行動していくような職業です。「縁の下の力持ち」は裏方の仕事ではありながら周囲から必要とされる存在である故に、遠まわしに感謝されることに喜びを感じるような人が向いています。

損得を考えず臨機応変に行動できる

就職での志望動機や自己PRでは、ついついネガティブな印象を与えがちであるのが「縁の下の力持ち」です。しかし、逆に「縁の下の力持ち」であることを自分の売りとしてアピールすしてみましょう。

たとえば「損得の勘定を抜きにして、ひたすら業務に打ち込むことができる」「職場でも臨機応変に行動できる」という部分を強調すれば、「表に立たなくともしっかりと陰で支えてくれる」という印象を与えることができます。

視野が広く全体が見渡せる

もう一つ「縁の下の力持ち」でアピールできる点は「視野を広く持ち、全体を見渡すことができる」「トラブルやヘルプの声にいち早く気づき、大ごとになる前に行動することができる」などです。組織において「サポート能力」が高い人は大切にされる存在でしょう。スタンドプレーヤーを陰で支え、見えない力となって成功へとつなげてくれる…。むしろ、なくてはならない重要な存在です。

ちなみに「縁の下の力持ち」派の人は、他人を蹴落としてまで自分がのしあがっていくようなアグレッシブな態度がないため、組織全体の中の一人としても受け入れやすいことが挙げられます。就職活動では自信を持ってアピールしてみて下さい。

「縁の下の力持ち」言い換えと対義語

「縁の下の力持ち」の言い換えと対義語について見てみましょう。

同じ意味の四字熟語は「内助之功」

「縁の下の力持ち」で「影となって支えること、またはそうする人」を意味する言葉は、四字熟語なら「内助之功」、それ以外の類語なら「陰の松の奉公」「簀の子の下の舞」「縁の下の舞」などが挙げられます。「内助之功」は男女関係なく使われ、慎ましやかに努力を怠らない価値のある人のことを称賛する意味で用いられます。

  • 部長の奥さんは内助之功で知られている。
  • 部下のKはいつも陰の松の奉公としてチームを支えてくれている。

対義語は「目立ちたがり」

「縁の下の力持ち」が「陰で支える見えない力」であるなら、対義語はその反対で「表立って活躍する人」「目立つ人」などになるでしょう。そうすると「目立ちたがり」「~の顔」「スタンドプレーヤー」などになると考えられます。

  • 目立ちたがりなのが幸いして、営業では顧客にもウケが良い。
  • 彼は部署の顔として有名だ。
  • いつも表立って活躍するNさんは、まさに組織を代表するスタンドプレーヤーである。

「縁の下の力持ち」を英語で表現すると?

国際的な場で「縁の下の力持ち」を表現するとしたらどうなるのでしょうか?

英語では「back seat player」

「縁の下の力持ち」を英語で表現するなら、「back seat player(後部席でプレイする選手」」や「unsung hero(称賛とは無縁のヒーロー)」などが良いでしょう。どちらもスポットライトを浴びることはありませんが、陰で支えてくれる重要な存在という意味があります。

「縁の下の力持ち」の英語例文

「縁の下の力持ち」である部下や同僚を称賛するときに使ってみましょう。

  • He is such an unsung hero in our team.
    彼は我々のチームで縁の下の力持ちとして頑張っている。
  • Being backseat player is the best position ever for me.
    縁の下の力持ちが最も私に向いている。

まとめ

「縁の下の力持ち」は京都いろはかるたの一句で、意味は「人目のない位置で他人のために尽くすこと」「影となって見えない場所で他人を支えること」「またはそのような人」となります。

決してグループや組織の「顔」になることはないものの、彼らの存在なしでは成功はあり得ず、陰で活躍する最も頼りになる働き手として価値が高いのも特徴でしょう。

職場で数々のゴールを達成している人は、振り返ってみると「縁の下の力持ち」がいませんでしたか?「そういえば…」と思い当たる節もあるでしょう。なぜなら「縁の下の力持ち」はいつも目立たない場所でそっとあなたを支えている存在なのですから。