ビジネスの場でよく目や耳にする「私事」という言葉ですが、意味を理解して使えていますか?「私事」を使った定型句や類語は覚えておくと、ビジネスはもちろん仕事以外の場でも役立つでしょう。「私事」の使い方を例文と一緒に紹介するので、参考にしてください。
「私事」の意味・読み方・類語
「私事」の意味は「自分個人のこと」
「私事」とは「自分個人のこと」や「私生活に関係したこと」という意味です。会社など公の場で個人的なことや私生活に関することを話す際に使われます。
「私事」の読み方は「わたくしごと」「しじ」
「私事」には訓読みの「わたくしごと」と音読みの「しじ」の2種類の読み方があります。「わたくしごと」と「しじ」両方がビジネスでのかしこまった場面で使うことができます。ただ、会話で「しじ」と発すると「指示」や「指示」と捉えられる場合があるため、文脈により使い分けるか口語では「わたくしごと」と発するなど工夫が必要です。
「私事」の類語は「私用」「一身上の都合」など
「私事」の類語には「私用」「一身上の都合」「自己都合」などがあげられます。「私用」「一身上の都合」「自己都合」は公的なことではない個人の事情を示す言葉であるため、会話の中で「私事」が重なる場合は類語に置き換えてみましょう。
「私事」の使い方を紹介
「私事都合」とは個人の都合を表す言葉
個人の都合や個人の事情を表現する際に「私事都合」という言葉があります。例えば個人的な事情により、仕事を休まなければならない場合「私事都合により本日欠席致します」と使えます。
「私事」の読み方は「わたくしごと」と「しじ」の2種類があるということを上記で説明しましたが、「私事都合」の場合は「しじつごう」と読みます。書面だけでなく口頭で「私事都合」を使うこともあるため、読み方に注意しましょう。
ビジネスメールでも「私事」は使える
対話シーンだけでなくメールや手紙などの書き言葉としても「私事」は使われます。例えば社内の人に向けて休暇メールを送る際、「私事で恐縮ですが○日から○日に渡り有給休暇をとらせていただきます。不在の間大変ご迷惑をお掛けしますが、期間中の業務に関することは○○さんに引き継いでありますので、よろしくお願い致します」という文章となります。
有給休暇など事前に休むことが決まっている時は、休暇メールにて社内の人に知らせ、業務に関することは必ず誰かに引き継いで置きましょう。また、当日欠勤の場合はメールで済まさず電話連絡をすることがマナーと言えます。
「私事により」は言い回しの1つ
「私事」を使った言い回しの1つとして「私事により○○致します」という言い回しがあります。個人的な事情によって○○しますという意味が含まれており、ビジネスの場で目上の相手に対しても使うことが可能です。例えば欠勤を申し出る際「私事により欠勤致します」という文章となります。
個人的な要望をする際「私事で恐縮ですが」
会社などの公の場で個人的な要望をする際に「私事で恐縮ですが」という言葉が使えます。個人的な要望をすることに対する謝罪の意味をこめて「私事」の後に「恐縮です」が加えられます。例えば子どもの体調が優れないため会社を早退する際「私事で恐縮ですが、本日は早退致します」と使えるでしょう。
上記の例文の場合、「子どもの体調が優れない」という個人的な都合で早退することに対するお詫びを込めて、「私事で恐縮ですが」と使っています。公の場に個人的な要望を持ち込む際、お詫びの意味を込めて使ってください。
「私事にわたる」はビジネスでの定型句
特定の場面で使われることの多い定型句の1つに「私事にわたる」という言葉があります。公の場で個人的な話をする際の切り口として「私事にわたる」と使われます。「私事にわたる」の場合は「私事」の読み方が「しじ」となるので話し言葉として使う際は注意してください。
「私事」を使った例文
結婚したことを報告する際の例文
自分が結婚することを上司や同僚へ報告する際に「私事」を使うことができます。例えば「私事で恐縮ですが、この度ご縁があり結婚することとなりました」という使い方をすると、個人的な話で申し訳ないが結婚します、という意味の文章となります。
会社を退職する際の例文
会社を退職する際も「私事」を使って「私事で恐縮ではございますが、○月○日をもちまして退職することとなりました」という文章を使えます。例文に類語を当てはめて「自己都合により」や「一身上の都合により」と言い換えることもできるため、文脈に合わせて使いやすい方を選択してください。
退職する際に「私事」が使える場面は、自分個人の事情により退職をするときに限られています。会社の都合で辞めざるを得ない場合は「私事」ではなくなるため使わないほうが良いでしょう。
まとめ
ビジネスの場に限らず自分個人のことを指す言葉として「私事」が使われます。会社などの公の場で自分のことを話す際に使ってください。話し言葉と書き言葉両方に「私事」は使えますが、「しじ」と発音する際は文脈に注意して使いましょう。定型句や言い回し方を覚えてスムーズに会話を進めてください。