失業保険受給中や手続き中には、仕事をしているときよりも収入が少なくなります。特に制限期間中は収入がありませんので、アルバイトをしたい方も多いのではないでしょうか。しかし、アルバイトによっては失業保険がもらえなくなることもあります。今回は、失業保険受給中や手続き中のアルバイトについて解説します。
失業保険受給中や手続き中にアルバイトはできる?
失業保険の手続きは、求職の申込みをした後に、待期期間と制限期間が過ぎた後、受給できます。どのタイミングであればアルバイトができるのかを確認しましょう。
失業保険受給中は申告すればアルバイトできる
失業保険受給中はアルバイトができます。アルバイトをするときには、ハローワークに申告しなければなりません。アルバイトの時間や金額によっては、もらえる失業保険の額が少なくなることもありますが、申告せずに受給すると不正受給となることもありますので、注意しましょう。
求職申し込み前はアルバイトをしても大丈夫
求職申し込み前のアルバイトは自由です。ただし、雇用保険に加入して働くかどうかは失業保険でもらえる金額に影響がありますので、一度検討してからにしましょう。
失業保険の金額は、退職した会社からもらっていた給料で決まります。例えば、正社員で高額の給料をもらっていた人が、求職申し込み前に低賃金のアルバイトで雇用保険に加入し、その後に失業保険を受給すると、もらえる金額が少なくなります。
待期期間はアルバイトができないので注意
求職の申し込みをすると、7日間の待期期間があります。失業していることをハローワークが認定するための期間ですので、アルバイトも含め、すべての仕事をしてはいけません。待期期間中に仕事をすると、失業していないことになりますので、失業保険をもらうことができません。
制限期間中はアルバイトの日数や期間の条件がある
自己都合で退職した方などは、失業保険をもらう前に3ヶ月間の制限期間があり、この間は失業保険がもらえません。アルバイトはできますが、日数や期間などの条件がありますので注意しましょう。
日数や期間は求職申し込みをしたハローワークによって多少異なります。求職申し込みをした後に参加する説明会で説明がありますので、忘れずに確認しましょう。
一般的には、週に20時間以上働いたり、2週間以上の期間働く場合となっていることが多く、就職したとみなされて失業保険がもらえなくなります。ハローワークによってはさらに短いこともありますので、わからない場合には求職申し込みをしたハローワークで確認してください。
アルバイトの申告はどのようにするの?
失業認定日にアルバイトをしたことを申告する
アルバイトをしたことを申告するには、4週間に1回ある失業の認定日に伝えます。ハローワークで失業保険の手続きをすると、失業の認定日の日付を伝えられますので、忘れずにハローワークに行きましょう。
失業の認定日には、失業認定申告書を記入します。失業認定申告書に、アルバイトをした場合に記入する欄がありますので、正確に記入しましょう。アルバイトの日時や金額などは、忘れずにメモをしておきましょう。
失業保険受給中にできるアルバイトの条件と受給額の計算方法
失業保険受給中のアルバイトは、1日4時間未満か、4時間以上かの2つに分けられます。それぞれ受給金額の調整の仕方が異なりますので注意しましょう。
1日4時間未満の場合の受給額の計算方法
1日4時間未満のアルバイトのことを「内職または手伝い」と言います。稼いだ金額によって、受給金額が少なくなったり、もらえなくなります。
計算式は「アルバイトの収入-控除額+基本手当日額」と「前職での賃金日額の80%」です。控除額は時々変わりますので、求職申し込みをした後に参加する説明会で確認しましょう。
「アルバイトの収入-控除額+基本手当日額」と「前職での賃金日額の80%」と「1日のアルバイトの収入」を比較し、どれが大きいかで受給金額がかわります。
計算結果の違いによる受給額の例
- 全額支給:「前職での賃金日額の80%」の方が「アルバイトの収入-控除額+基本手当日額」より大きい、もしくは同じ
- 差額が減額:「アルバイトの収入-控除額+基本手当日額」の方が「前職での賃金日額の80%」より大きい
- 支給されない:「1日のアルバイトの収入」が「前職での賃金日額の80%」より大きい
1日4時間以上のアルバイトは支給が先送り
1日4時間以上のアルバイトをすると、支給が先送りになります。1日働いた分、支給される日が1日遅れますが、もらえなくなるわけではありません。
ただし、失業保険はもらえる期間が決まっています。期間ギリギリに求職申し込みをしている人は、先送りになった分が期間を過ぎてしまい、もらえなくなる可能性もありますので、注意してください。
週20時間以上の「就職」は失業保険がもらえない
アルバイトでも週20時間以上働くと雇用保険に加入する必要があります。失業保険受給中にアルバイトをして雇用保険に加入すると、「就職」したとみなされます。
失業保険は失業中にもらえる手当ですので「就職」した人には支給されません。週20時間以上のアルバイトには気をつけましょう。
ばれるとどうなる?不正受給の罰則は?
支給停止・返還命令・納付命令の処分がある
失業保険受給中のアルバイトは申告が必要です。申告せずにアルバイトをし、ばれた場合には、「支給停止」「返還命令」「納付命令」の3つの処分があります。
「支給停止」は今もらっている失業保険がもらえなくなること、「返還命令」は不正受給で受け取った失業保険を返すこと、「納付命令」は不正に受け取った金額の2倍を支払うことです。
「返還命令」で返す、不正に受け取った金額と、「納付命令」で支払う2倍の金額で、合わせて3倍支払うことになりますので、不正受給はやめましょう。
まとめ
失業保険受給中や手続き中は、待機期間の7日間以外はアルバイトが可能です。ただし、働く時間や収入金額が大きいと受給できなくなることもありますので、注意しましょう。また、申告せずにアルバイトをすると、不正受給になることもあります。罰則も重たいので、申告を忘れずに行いましょう。安心して失業保険を受給し、その後の就職がうまくいくことを応援しています。