マイナンバーは会社に提出必須?提出方法や会社側の管理義務も解説

マイナンバーでどのような情報が分かるのかなど詳しくは知らなくても大切な個人情報という認識は多くの方がもっていることでしょう。

マイナンバーはその性質上、会社としては是非とも収集したいものなのですが、今回はなぜ会社はマイナンバーを必要としているのか、従業員にはどのような義務があるのかについて説明します。

マイナンバーは会社に提出する必要はある?

従業員はマイナンバーを収集したいという会社の求めに応じる義務はあるのでしょうか。ここでは従業員のマイナンバーに関する義務と罰則について説明していきます。

従業員はマイナンバーを会社に教える義務がある

会社からマイナンバーを求められたとき従業員は提出する義務があります。ただし、義務であり強制ではありませんので、どうしてもマイナンバーの提出に抵抗があるという場合は拒否することも可能です。

このマイナンバーを会社に提出する従業員の義務はパートやアルバイトであっても同様であり、会社に提出する義務があります。

会社にマイナンバーの提出を拒否しても罰則はない

会社にどうしてもマイナンバーを提出したくないという場合、提出を拒否することにより罰則はありません。当然マイナンバーの提出を拒否したこを理由に会社の人事や評価に影響することもありません。

ただし、強制ではありませんがマイナンバーを提出する義務は負っています。マイナンバーを提出しないことで会社に迷惑を掛けるということを忘れてはいけません。

正当な理由がない限りマイナンバーは提出するのが無難

会社は従業員が安心してマイナンバーを提出できるよう管理や監督などの徹底が義務付けられています。

情報が流出してしまう可能性はゼロではありませんが、正当な理由のない頑なな拒否は会社との信頼関係を壊してしまう可能性がありますので、納得できる説明を受けた上で提出するのが無難といえます。

退職後のマイナンバー返却と悪用の可能性について

マイナンバーを提出するということは情報が流出したり悪用されてしまう可能性があることから退職後は提出したマイナンバーは返却してほしいという方もみられますが、会社には提出してもらったマイナンバーを返却する義務はありませんので、難しいでしょう。

しかし、法定保存期間を過ぎたマイナンバーは破棄されます。法定保存期間については書類によって異なりますが、最長が7年間になります。

マイナンバーは決められたルールに則り厳重な管理や保管がなされています。なぜならばそれを義務付けられているからです。マイナンバーを悪用される可能性はゼロではありませんが、危険度はそれほど高くないと考えられます。

マイナンバーを会社に提出する方法とは?

原本は不要でコピーを提出

マイナンバーの提出方法は、マイナンバー通知カードの提示とコピーの提出となります。会社の指示に従って行うことになりますが、基本的にはマイナンバー通知カードなどの原本を会社に預けることはありません。

また、提出した人物とそのマイナンバーが同一であるか確認をするために運転免許証などの本人確認書類を求められる場合もあります。

マイナンバーがない・変更する必要がある場合は?

マイナンバー通知カードやマイナンバーカードを紛失してしまった場合、それぞれ再発行が可能です。

ただし、再発行するには手数料(マイナンバー通知カード:500円程度、マイナンバーカード:1,000円程度)がかかりますし、再発行までに1ヵ月から2ヵ月程度かかりますので、急ぎでマイナンバーが必要な場合はマイナンバーが記載された住民票を取得しましょう。

また引越しなどで住所が変更になった場合は転居先の市区町村にて情報変更の手続きを行いましょう。手続きは14日以内に行う必要がありますので、こちらも注意が必要です。

会社はなぜマイナンバーを収集する?会社側の管理義務とは?

会社が従業員のマイナンバーを収集するには正当な理由があり、流出してはならない重要な情報であるからこそその取扱いについて厳しい義務を負っているのです。

会社の負担を減らすためにマイナンバーが必要

年末調整や源泉徴収票の作成、社会保障、年金などの事務手続きは大変ありがたいことに会社で働いていたら個人ではなく会社の担当部署が行ってくれます。

これらの事務手続きはマイナンバー制度が始まったことにより、今までと比べて負担が大きく軽減されました。負担の軽減は人件費の削減にも繋がるので、会社は従業員のマイナンバーを収集したいのです。

会社にはマイナンバーの保管や管理方法に義務がある

会社は従業員のマイナンバー収集した場合、その管理には十分に注意を払う必要があります。例えば、従業員のマイナンバーはある特定の人物しか閲覧できないなどの制限を設ける必要があります。

不特定多数の従業員が閲覧可能な状態はプライバシーの侵害や情報の漏えいに繋がるので避けなければなりません。

また、マイナンバーの管理を強固にするため、マイナンバーの取り扱いに関する総括的な責任者を任命するのが一般的です。

会社がマイナンバーに関して負う4つの義務

利用目的を明らかにする

会社は従業員のマイナンバーを収集するにあたり、その利用目的を従業員に明示する義務があります。

明示した以外の目的でマイナンバー利用したい場合は既に収集しているマイナンバーであっても改めて利用目的を明示した上で収集し直す必要があります。

本人確認を行う

マイナンバーを収集するときはなりすまし防止のため、提出した従業員とそのマイナンバーが同一人物のものであるか厳重に本人確認を行います。

管理・監督の徹底

収集したマイナンバーは社内で情報が流出しないよう安全管理措置が義務付けられています。また、マイナンバーに関する業務を外部委託する場合はその委託先の監督を行う義務も負っています。

マイナンバー提出を拒否された場合の対応

会社は行政機関に提出する書類にマイナンバーを記載することを義務付けられています。そのため、従業員がマイナンバーの提出を拒否した場合であっても改めて利用目的等マイナンバーに関して会社が負う義務について説明し、従業員に理解を求める必要があります。

まとめ

マイナンバーの会社と従業員における関係性について解説しました。マイナンバー制度は情報を提出することで所得を把握されてしまうことの不快感を持つ方もいます。

自分の個人情報を守る努力をすることは大切なことですが、会社も従業員から預かった情報を守っていることを念頭においてマイナンバーを提出するべきか判断しましょう。