戒告とはどんな意味?「訓告」「譴責」との違いや戒告処分の事例も

「戒告」とは「過失や非行を強く注意すること」という意味ですが、「訓告」や「譴責」などの似た言葉とはどのように違うのでしょうか。

この記事では、「戒告」の意味や「訓告」「戒告」「懲戒」との意味の違いを解説します。また、「戒告処分」の意味とボーナスなどの賞与への影響などについても説明します。

「戒告」の意味と例文

戒告とは「過失や非行を強く注意すること」

「戒告(かいこく)」とは「過失や非行を強く注意すること」です。よく思われない行為や発言をしないようにと戒めることを意味しています。

ビジネスシーンでは、「戒告」は「会社の定める規則に違反した行為や業務違反の行為を戒めるための処分」という意味で使われています。また行政上では「戒告」は、「過失や非行を強く注意する通知」を意味していることもあります。

「戒告」の英語表現は「warning」「reminder」

「戒告」は英語では「warning」「reminder」と表現します。「warning」は「警告」とも訳される英単語で、また「reminder」は「注意」とも訳されます。つまり「戒告」の意味合いとして相手に注意を促す度合いが強い場合は「warning」を、比較的軽い場合には「reminder」が使われます。

「戒告」を使った例文

  • クライアントへの対応をみて上司が部下を戒告した
  • 彼は先週、戒告処分を受けたばかりだ
  • 彼の過失は重大なのに、戒告で済まされるとは思わなかった

「戒告」と「訓告」「譴責」の違いとは

戒告と訓告の違いは「訓告のほうが戒めが軽い」

「訓告」とは「教え告げること」を意味し、特に間違いなどを戒めるときに使われます。

「戒告」との違いは「訓告」の方が相手を戒める度合いが軽くなります。「訓告」の「訓」には「教える」という意味があるのに対して、「戒告」には教え諭すという意味はなく、相手を戒めることが重視されます。

戒告と譴責の違いは「譴責のほうが戒めが強い」

「譴責(けんせき)」とは「相手の不注意や過失を厳しくとがめること」です。

「戒告」との違いは、「譴責」の方が相手を戒める度合いが強くなります。そのため、戒告処分は口頭注意で済んだものの、譴責処分では口頭注意を受けたうえに始末書を提出するなど、戒告処分よりも厳しい処分内容になることが多いです。

懲戒処分には「戒告」「譴責」が含まれる

「懲戒(ちょうかい)」とは「制裁を加えて懲らしめること」です。会社では「制裁を加えること」という意味で使われています。

例えば、「懲戒処分」は「制裁を加える処分」という意味です。「懲戒処分」の種類には、戒告のほか譴責や減給、出勤停止などが含まれます。つまり、過失が原因の処分全般を「懲戒処分」と言います。

「戒告処分」の意味や処分とは?

戒告処分とは「最初に行われる処分」

「戒告処分」とは、会社が問題あると認めた社員に対して最初に行われる処分で、社員の過失に注意を与えて改善を求めます。また戒告処分は、一緒に働く社員とその労働環境の観点からも戒告処分は必要なことだと考えられています。

戒告処分の内容は会社の就業規則によって定められ、社員には事前に知らされていなくてはなりません。

「戒告処分」は最も軽い処分

会社が定める処分のなかで、「戒告処分」とは最も軽い処分だと考えられているケースが多いです。戒告に並び、訓告、譴責が同程度の処分です。その次に処分が重いのが減給処分、出勤停止、降格処分と続きます。

戒告処分の対象は「無断欠勤」「業務命令違反」

戒告処分の対象となる事柄は、主に就業規則に違反することで、業務に支障をきたすような度重なる遅刻や無断欠勤などです。また、業務命令違反も戒告処分の対象になるでしょう。

戒告処分は戒告書によって通知される

戒告処分の通知は「戒告処分通知書」、または略名の「戒告書」を通じて、適切な手続きに則って行われます。

戒告書に決まったフォーマットはなく、「戒告処分通知書」または「戒告書」というタイトル下に、通知される社員の所属や役職、氏名のほかに、戒告処分理由や処分内容などが記載されます。

「戒告処分」のよる影響と注意点とは

ボーナス減額や昇格に影響することも

戒告処分を受けると、その社員のボーナスなどの賞与の減額や減給、または予定されていた昇給が流れてしまうことが考えられます。戒告処分の内容そのものにボーナス減額などの経済的な不利益がもたらされることは少ないのですが、戒告処分を受けたことから派生して社員への経済的に不利になることがあります。

また、戒告処分が昇格などの人事に影響することもあります。予定されていた昇格がなくなったり、将来的な昇格が難しくなったりすることもあります。

戒告処分で社員が訴訟を起こすケースも

不当な戒告処分については、社員は会社に対して訴訟を起こすことができます。訴訟になるケースとは、例えば、戒告処分の内容が賞与や昇格の査定とは関係ないにもかかわらず、ボーナス減給や昇格取り消しなどが行われた場合です。

訴訟となれば両社に負担となりますので、会社側は戒告処分が不当だと思われないために、処分の妥当性を念入りに検討することが大切です。

まとめ

「戒告」とは「過失や非行を強く注意すること」という意味で、ビジネスシーンで社員が受ける最初の処分として「戒告処分」という表現がよく聞かれます。処分としては軽いかもしれませんが、戒告処分を受ければボーナスの減額や減給のほかに、昇格にも影響するかもしれませんので、社員は戒告処分を受けないような勤務態度が求められるでしょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。