「タイマン」の喧嘩やゲームでの意味とは?語源や怠慢との違いも

「タイマン」とは「1対1で勝負」という意味です。もともとは不良用語でしたが、現在ではそれ以外の分野でも使われています。特にテーブルゲームでは「タイマンシナリオ」の人気があります。

この記事では「タイマン」の分野ごとの使い方を説明しましょう。また「怠慢」との違いや類語、対義語も紹介します。

「タイマン」の意味とは

タイマンとは「1対1の勝負」を意味する

「タイマン」の意味とは「1対1の勝負」です。不良の喧嘩で使われることが多いですが、そのほかのに、ゲームの勝負や交渉ごとに使うこともあります。スラングから生まれた言葉のため、かしこまった会話には向きません。

「タイマン」の語源は「マン対マン」とされる

「タイマン」の語源は明確ではありませんが、「マン対マン」を略した不良用語(スラング)とする説があります。「マン対マン」は、1対1の関係であることを表す「マンツーマン」を漢字交じりにした表現のようです。

かつては古代中国語が語源だとする説もありましたが、現在では事実ではないと判明しています。

「タイマン」の英語表現は「one on one」

「タイマン」の英語表現に使えるのは「one on one」です。1対1の会話や講座などに使う言葉ですが、勝負の場合も使用可能です。

「man to man」は「男同士の真剣な会話」などに使うかしこまった言葉のため、タイマンの英語訳に向きません。幅広い状況で使えるカタカナ語「マンツーマン」と混同しないよう注意しましょう。

「タイマン」の不良用語としての使い方

「タイマン」はルールを守る喧嘩

不良用語の「タイマン」は、正々堂々とルールを守るニュアンスがあります。武器を使うのも禁止です。ルールを破った場合、たとえ相手を倒したとしても、卑怯者の敗者になります。騎士の決闘のような、誇り高い勝負として扱われているようです。

「タイマンを張る」「タイマン勝負」と使う

「タイマン」は「タイマンを張る」のように使います。「1対1で勝負する」という意味合いです。ここでの「張る」は「張り合う」ことを表しています。

他にも「タイマン勝負」や「タイマンバトル」などの用法があります。

「タイマン」は犯罪になる可能性がある

「タイマン」は法律で禁止されている「決闘」に該当するため、犯罪として罰せられる可能性があります。実際、罪に問われた判例もあるようです。「決闘罪」とは「決闘をする」「立会人になる」「決闘場所を提供する」などで成立する罪です。

「タイマン」のゲーム用語としての使い方

ゲーム内の戦いにも「タイマン」を使う

ゲーム内の戦いでも「タイマン」が使われます。仲間を呼ばずに、対戦相手や敵キャラクターと1対1で戦う際に使用します。

不良用語とは異なり、「武器を使わない」「誇り高い決闘」などのニュアンスで使うことはほとんどありません。「1対1で戦う」場面で幅広く利用されます。なお、ゲーム内の戦いのため決闘罪には該当しません。

「タイマンシナリオ」はテーブルトークRPG用語

「タイマンシナリオ」とは、テーブルトークRPGで使用される用語です。「進行役と1対1で遊ぶためのシナリオ(物語などの、遊ぶための要素をまとめたもの)」を意味します。

テーブルトークRPGとは、テーブルゲームの一種で進行役とプレイヤーに分かれて遊びます。略語は「TRPG」です。

「タイマン」とはつきますが、進行役とプレイヤーが激しく争うとは限りません。勝敗よりも、物語性を楽しむために遊ぶ傾向が強いためです。

「ソロシナリオ」は類語・対義語どちらの説もある

「タイマンシナリオ」の関連語に「ソロシナリオ」があります。「ソロシナリオ」の意味は統一されていないため、タイマンシナリオの類語と対義語どちらにも使われています。

類語の場合は「進行役とプレイヤーが2人で遊ぶシナリオ」という意味です。この場合は「プレイヤーが1人なのでソロ」と呼ばれます。

対義語の場合は「プレイヤーだけが1人で遊ぶシナリオ」です。進行役がいないため、プレイヤーが自分自身で物語を進めます。進行役の有無の観点で、タイマンシナリオの対義語になります。

「タイマン」の類語・対義語

「怠慢」は読みが同じだけで意味は全く違う

「怠慢(たいまん)」とは、読みが同じだけで意味は全く違う言葉です。「怠けて、やらなければいけないことを疎かにすること」や、その様子を意味します。「タイマン」の類語と勘違いしないようにしましょう。

「タイマン」の類語は「一騎打ち」「サシ」

「タイマン」の類語は「一騎打ち」です。1対1で勝負することを意味します。戦場で武将同士が戦う際に使用した言葉で、現在は選挙やスポーツで使用されています。

勝負以外の事柄に使える類語は「サシ」です。「サシで話す」「サシで飲む」のように、1対1で行うこと全般に使用できます。1対1で飲酒することを「サシ飲み」と呼びます。

「タイマン」の対義語は「袋叩き」「乱闘」

「タイマン」の対義語は「袋叩き」「乱闘」です。「袋叩き」は「大勢で少数(1人の場合も)を取り囲んで暴行すること」を意味します。比喩表現として、言葉で非難する場合にも使用されます。

「乱闘」は「複数で入り乱れて戦うこと」です。袋叩きと違い、人数の差を問わず使用する言葉です。

まとめ

「タイマン」は、喧嘩以外の勝負でも「1対1の戦い」を表現する言葉として使われています。喧嘩の意味しか知らないと、「(ゲームで)タイマンしようよ」と話しているのを見て驚いてしまうかもしれません。類語や対義語もふまえて使えるようにしておきましょう。