「一事が万事」の意味は?使い方の注意点と類語も解説

社会人になると、日常生活や職場での座右の銘として「一事が万事」を掲げる人も多いのではないでしょうか?ものごとの見方や捉え方の教えを説いた言葉ですが、正しい意味や使い方はしっかり抑えておきたいものです。

ここでは「一事が万事」の意味を中心に、使い方で気を付ける点を類語と反対語とあわせて解説しています。これを機に、言葉への理解を深めて行きましょう。



「一事が万事」の意味と語源は?

最初に「一事が万事」の正しい意味と語源、由来について解説します。

意味は「一つを見れば全てがわかる」

「一事が万事」の意味は「一つのことを見れば、他の全ての部分も推測できる」です。つまり「人々の言動やある一端をみて、他人の全てのことをを推測できる」という意味です。

また、「一つのことに対して見受けられる傾向が、他の全てのことに対しても現れる」と意味もあります。たとえば、破れた服を着ていれば生活全体もだらしがない、職場で発言が少ないと性格全体も暗い、というようにです。

語源と由来は「ものごとの傾向」

「一事が万事」の語源や由来はとくにありませんが、人がものごとを見定める傾向になぞらえた言葉となります。人は他人の些細な言動や態度から、「全て(万事)も同じ様子である」と主観的に判断しやすいものです。人が持つものごとの見方や判断基準の傾向を説いた言葉が「一事が万事」であると考えられます。

「一事が万事」の使い方と例文は?

「一事が万事」の使い方について気を付けるべき点と、例文を併せて紹介しましょう。

主観が働き過ぎないようにする

「一事が万事」は「他人の言動など一つのことを見て、他のすべてがわかる」という意味で使われますが、これは他人を推測する側の主観や感情が大きく影響するところがあるため、使い方には注意が必要でしょう。なぜなら、公平な立場で推測する場合と、好意や悪意を抱いて推測するのとでは雲泥の差があるからです。

もっとも他人を攻撃するような意図で使わないようにすることも大切でしょう。たった一度の行いを棚に上げて、その人の全てを否定するような意味で使ってはなりません。

「一事が万事」を使う時は、他人を判断する「数ある中の一つの基準」であると認識し、むしろ、自分への言動の戒めや気持ちの引き締めの手段として使うのが良いでしょう。

「一事が万事」の例文

「一事が万事」を使ったわかりやすい例文を挙げてみます。

  • ヨレヨレのスーツで客先に行くと成績に影響するよ。一事が万事と言うでしょう。
  • 一事が万事ではないが、昼食を抜くと一日中ペースが乱れてしまうことがある。
  • 彼女は丁寧できれいな字を書くが、一事が万事で、仕事の取り組みにも丁寧でミスが少ない。
  • 一事が万事でも、一つの恋が終わったら全ての恋を失うわけじゃないよね?
  • 一事が万事は時と場合による。だって、一つの夢が破れても人生全て終わるわけじゃないからね。

「一事が万事」の類語と反対語は?

「一事が万事」の類語と反対語についてそれぞれ例文を挙げながら紹介します。

類語「一事をもって万端を知る」

「一事が万事」の類語は「一事をもって万端を知る」「一行失すれば百行共に傾く」「一斑を見て全豹をトす」などがあります。「一事が万事」の類語はいくつかありますが、共通する点は「一つに対して全部」という言葉の仕上がり方です。

反対語「例外ありき」

「一事が万事」の反対語や対義語にあたる正式な言葉はみつかりませんが、あえて「一つを見ても、他の全てはわからない」という意味で考えるなら「例外」「例外ありき」などが挙げられるでしょう。

「一事が万事」の英語と中国語表現

国際的な会話の中でも「一事が万事」を使って、ビジネスシーンの流れや状況を語っても良いのではないでしょうか?英語と中国語で「一事が万事」を表現してみましょう。

英語ではほぼ直訳でOK

「一事が万事」は「一つのことを見れば、他のすべてのことがわかる」また、「一つに見られる傾向が、他の全ての部分にも現れる」という意味がありますが、英語で表現するときは「One instance shows all the rest」と、ほぼ直訳の文章を使って表現します。

中国語「由一事知万端」

中国語で一事が万事は「由一事知万端」、または「从一件事可以推测一切(cóng yí jiàn shì kěyǐ tuīcè yíqiè)」と表現します。前者は漢字のニュアンスで日本人でも何となく意味が読み取れる言い回しと言えるでしょう。

まとめ

「一事が万事」は職場でも座右の銘として掲げ、状況の見方やものごとを判断する基準として胸にしまっている人も多いでしょう。意味は「一つのものごとを見れば、他の全ての部分が推測ができる」です。

しかし「一事が万事」を使う時は、相手を主観的に決めつけてしまう傾向が強いため、タイミングや言い方に注意が必要でしょう。職場で部下を抱える立場にいる人は、言葉の威力や相手の受け止め方を十分考慮して使うようにして下さい。

ABOUTこの記事をかいた人

某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。