「闇落ち(闇堕ち)」とは、マンガやアニメ、実写も含む映画などの、創作作品のファンが使う言葉です。キャラクターの心情の変化を表す俗語ですが、近年では自分自身の心情を伝える際にも用いられます。「闇落ち」の意味や類語・対義語を説明しましょう。闇落ちしやすい理由もあわせて紹介します。
「闇落ち」の意味とは?
闇落ちとは「心情・性格が悪い方向へ変わること」
「闇落ち(やみおち)」の意味とは「(キャラクターの)心情や性格が、悪い方向へ変わること」です。「悪い方向」とは一般的な価値観と比べた場合で、たとえば残虐な行為を好んだり無気力や自暴自棄になったりします。ただし、マンガ・アニメのファンが使い始めた俗語のため定義はあいまいです。
物語では、闇落ちしたキャラクターが主人公と敵対する展開が定番になるほど人気のある要素です。そのため、「主人公の味方の性格が豹変して敵対すること」「善人が悪人に豹変すること」という意味でも使われます。
「闇落ち」と「闇堕ち」に意味の違いはない
「闇堕ち」とは「闇落ち」の別表記です。意味も読み方も同じで、違いはありません。
「落ちる」は、一般的に物が上から下に移動するという意味合いで使わます。一方「堕」は「怠惰」「堕落」のように、「罪や悪い方向にいく」という意味がある点が異なります。
「闇落ち」の映画やマンガでの使い方と例文
「闇落ち」はキャラクターの変化を表す
「闇落ち」が最も使われるのは、マンガ・アニメや実写映画などの「キャラクターの変化」です。単純な裏切りではなく、性格の大幅な変化を意味します。
- 〇〇が闇落ちするとは思わなかった。
- 性格が悪くなったが、衣装のデザインは闇落ち後の方が好みだ。
「闇落ちしやすい人」の理由やきっかけ
キャラクターが「闇落ち」する理由は作品によって違います。闇落ちしやすい理由やきっかけは、劣等感や絶望感などの「負の感情」です。強大な力を手にしたキャラクターが、力に溺れて正義感を失うパターンも一般的です。
第三者が洗脳したことが理由の場合は、闇落ちとみなさないとする意見もあります。
主人公を裏切ることが「闇落ち」とは限らない
主人公を裏切ることが、必ずしも「闇落ち」とは限りません。「闇落ち」になるには「心情・性格が悪い方向へ変わること」が重要です。
例えば「利害関係が一致しなくなったので裏切った」「敵に人質をとられて裏切った」などの場合、闇落ちと呼ばれることはあまりありません。どちらもキャラクターの性格には変化がないためです。
同時に、主人公と敵対しなくても「闇落ち」と言える状況もあります。例えば「家族を失った悲しみで無気力・自暴自棄になるが、主人公とは敵対しない」キャラクターも「闇落ちした」と言われることがあります。
ファンアートの「闇落ち」が嫌いな人もいる
ファンアートの「闇落ち」が嫌いな人もいます。ファンアートとは、元になる作品とは無関係のファンが、作品のキャラクターや世界観を借りて作った作品のことで、「二次創作」とも呼びます。(ファンアートを広く公開することは違法になり得ます。しかし、ファン同士の交流になることから黙認する作者がほとんどです)
闇堕ちは人気のある要素のため、ファンが「あのキャラクターが闇落ちしたら……」と創作を楽しむことがあります。しかし、「好きなキャラクターが勝手に悪人にされた」と悲しく思う人も少なくありません。
「闇落ち」のその他の使い方
「闇落ちしそう」とは気持ちが暗いときに使う
「闇落ち」をキャラクターではなく、自分自身の気持ちを表す際に使う人もいます。例えば「仕事が忙しくて、闇落ちしそう」のような使い方です。キャラクターに使う用法よりも深刻ではない場合にも使用できます。
「闇落ち」を「黒くなったもの」に使う
「闇落ち」を物理的に黒くなったものに使うこともあります。黒く焦げてしまったケーキを「闇落ちケーキ」と呼んでSNSに写真を投稿する人もいるようです。
見た目は黒い箇所があるが味には美品よりおいしい野菜を「闇落ち〇〇〇」と売り出すこともあります。「闇落ち」と組み合わせることでSNSで話題になり、人気商品になりました。
「闇落ち」の類語と対義語
「闇落ち」の類語は「悪落ち」
「闇落ち」の類語になる俗語は「悪落ち(あくおち)」です。アニメなどのキャラクターが悪人になったり、主人公と敵対する勢力に寝返ったりすることを表します。
「悪落ち」との違いは諸説ある
「闇落ち」と「悪落ち」の違いは諸説あり、統一されていません。有名な説は2つあります。1つ目は「闇落ちは悪落ちの一種」というものです。広いカテゴリーとして「悪落ち」があり、その中で「負の感情が悪落ちのきっかけになっている」場合が「闇落ち」とされます。
2つ目は「きっかけが第三者にあるかどうか」です。自分自身の負の感情がきっかけなら闇落ち、第三者の干渉があった場合が悪落ちとなります。
他にも「悪落ちは悪人になることだけを意味するが、闇落ちは無気力・自暴自棄など悪事以外も含まれる」という意見もあります。
「闇落ち」の対義語は「光落ち」
「闇落ち」の対義語になる俗語は「光落ち」です。悪人が改心して主人公の味方になったり、負の感情を解消して立ち直ることを意味します。基本的にはポジティブな変化を意味する言葉です。
「落ちる」というネガティブな言葉が使われている理由は明確ではありません。「悪役のキャラクターが本来持っていた魅力が失われるから」「悪役時代のファンからすると、キャラが豹変して悲しいから」などが推測されています。
まとめ
「闇落ち」はマンガ・アニメなどのファンが使う俗語でしたが、徐々に意味が広がっています。「闇落ち」を商品名に使うことで、SNS上で話題になることに成功した例もありました。意味や使い方を押さえておきましょう。