「トレース」の意味とは?様々な使い方や英語表現も解説

「トレース」と聞いて何を思いつかれますか。製図を写すこと、それとも登山の踏み跡のことでしょうか。「トレース」にはいろいろな意味があるのですが、仕事や興味ある分野で使わないのと、その意味が分からない方もいるでしょう。そこで「トレース」の意味を解説して、「トレース」関連の事柄や英語表現を紹介します。

「トレース」とは?

意味は「原図の上に薄紙をおいて敷き写すこと」「追跡」

「トレース」の意味は、「原図の上に薄紙をおいて敷き写すこと」「追跡」です。

「トレース」には他にも複数の意味があります。

  1. (製図や絵画)原図の上に薄紙をおいて敷き写すこと。
  2. 人や動物の跡をたどること。追跡。
  3. (登山用語)踏み跡。または踏み跡をたどること。
  4. フィギュアスケートでスケート靴のエッジが氷の上に残す滑った跡の軌跡。
  5. 食品の生産履歴などの生産・製造過程の情報を調べること。
  6. コンピュータのプログラムが実行された過程を追跡し、問題を見つけること。

さまざまな意味がある「トレース」ですが共通していることは、「写す」「なぞる」「追跡する」という意味に関わっていることです。分野は違っても「写す」「なぞる」「追跡する」のどれかだと理解しておけば、「トレース」の意味の解釈に間違いはないでしょう。

「トレースする」はトレースの動詞型

トレースをすることを「トレースを行う」や「トレースする」のように言います。それぞれの意味に合わせた使い方をご紹介しましょう。

  • (製図や絵画)「お手本の図面をトレースして、製図の基礎を身に着ける」
  • (追跡する)「犯人の跡をトレースしていたが、途中で見失ってしまった」
  • (登山)「このまま新ルートを行くのはよそう。トレースすれば、体力の温存になる」
  • (物流)「すべての商品をトレースするのは難しい」
  • (プログラムの実行)「今、PCをトレースしたところだ。もう少しで問題が見つかるかもしれないぞ」

トレース台とその使い方

「トレース台」は複写するための台

トレース台とは製図や絵などをトレース(複写)するための台で、乳白色のガラスやアクリル樹脂版の下に、蛍光灯などの光源を取り付けた箱です。「ライトボックス」とも呼ばれます。

印刷では再現しにくいような細かい図面や、アニメ制作の現場ではアニメーターが動画を作画するためにトレース台は使われています。

トレース台の使い方

  1. トレースしたい原画や図面をトレース台の上に乗せます。
  2. その上に複写先となる紙を乗せます。
  3. トレース台内部の光源により、トレースしたい原画や図面が複写先の紙に映し出されるので、ペンなどを使って複写します。

自作もできるトレース台

トレース台は製図用品として専門店で購入することもできますが、安い品物ではないため自作でトレース台を作られる方もいます。

段ボールや木材で台部分を用意して、台の内部にLEDライトなどのライトを設置。その上に下敷きなどの半透明のアクリル樹脂版を乗せて作ります。十分な強度を保ち、天板にむらなく光源を設置するのは難しいようですが、それでも簡単な仕組みで実用性は十分のようです。

トレース技能検定とは?

下書きを元に、正確に美しく複写できる能力を認定する資格

「トレース技能検定」とは専門家が描いた製図やデザイン画などの下書きを元に、正確にかつ美しく複写できる能力を認定するための資格です。

文部科学省が後援する民間資格で1級から4級まであり、試験は年一回行われています。

2級以上の資格を取れば、建築、機械、土木関係の就職に役立つ資格とも言われています。

「トレースルート」とは?

パソコン用語でネットワーク経路のこと

「トレースルート」とはパソコン用語で、どのようなネットワークを使用したのかを追跡するプログラムです。あるホストから別のホストまでにどのネットワークを経由したのかがわかり、その結果は、ネクストホップアドレスやルータの応答時間などが表示されます。

コマンドはWindowsの場合はtracertで、UNIXの場合はtracerouteになります。

「トレース」の英語表現

「トレース」は英語で「trace」

「トレース」は英語で「trace」と書き、名詞と動詞の両方で使われています。

名詞「trace」には、人や動物が通った「跡」や足跡、米語では踏み固められた「小道」、事件などの「形跡」や「痕跡」、記憶の「痕跡」など、物事が残した「跡」と関わった意味があります。また「ほんのわずか」という意味もあります。

線や図形、またそれが複写したときの線や図形の意味もありますが、「トレース」のように「図面を複写すること」という意味はありません。それでは例文を見てみましょう。

  • “He removes all traces of the old adhesive.”
    「彼は古い接着剤の跡をきれいにする」
  • “I could find a trace of political influence in her works.”
    「彼女の作品に政治的影響の跡を見つけた」

動詞「trace」には複写するの意味がある

動詞「trace」には「跡をたどる」や「追跡する」「なぞる」、そして「トレース」の意味である「敷き写しする」や「複写する」という意味があります。例文は次の通りです。

  • “We finally traced him to an address in Tokyo.”
    「私たちはついに彼の東京の住所をつきとめた」
  • “He traces a drafting by drawing on transparent paper.”
    「彼は製図をトランスペーパーにトレースする」

まとめ

「トレース」にはここでご紹介した以外にも数学の線型代数学の行列の跡などたくさんの意味があるのですが、どれにも「写す」「なぞる」「追跡する」のどれかの意味と関わっています。そのように整理できると「トレース」は比較的理解しやい言葉だと言えそうです。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。