「機微」が持つ3つの意味とは?使い方や今すぐ使える例文も紹介!

「機微」という言葉を使ったことがありますか?「聞いたことはあるような…でも使ったことはないかもしれない」という方は多いのではないでしょうか。今回は「機微」という言葉について解説します。「機微」が持つ3つの意味や6つの使い方用例などもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

「機微」が持つ3種類の意味とは?

「心の機微」は感情の小さな揺れ動き

「機微(きび)」が最も多く使われるのは、人の感情に対してです。「心の機微」や「感情の機微」というのは「心または感情が小さく揺れ動くその様子」を表しています。人の心は毎分毎秒移り変わりがちですが、その揺れ動く感情は本来、当人にしかわからない、または当人ですら正確に把握できていないものです。その目には見えない小さな感情の変化のことを「機微」といいます。

「物事の機微」は状況や事の変化

「機微」は人の心の変化だけに使われる言葉ではありません。人の心と同じように、時や状況によって移り変わる物事に対しても使われます。「経済の機微」「値動きの機微」など具体的な何かの変化を指すこともできますし、「状況の機微」「環境の機微」などとして大枠での漠然とした変化についても使うことができます。

「機微情報」とは繊細な個人情報

他の意味とは少し毛色が異なる「機微」の意味は「微妙な趣や事情」を表します。この意味の「機微」は主に「個人情報の機微情報(センシティブ情報)」で使われています。個人情報の中でも、特にデリケートな信仰や病歴、本籍地などが機微情報に該当します。この場合の「機微」は、本来の「小さな変化」という部分の解釈を進めて「容易には察することのできない微妙な事柄」という意味で使われています。

「機微」の使い方と6つの用例

「感情の機微」は感情の動きを表す

人の感情の変化や移り変わりは、一見しただけではわからないことも多く、その変化が良い変化なのかそうでないのか、ということもわかりません。しかし「感情の機微」という言葉を使うことで「良い悪いではなく、感情がわずかに揺れ動いた」という状態を表すことができます。

たとえば「彼女の感情の機微に気づくことができなかった」というのは「自分は彼女の心が揺れ動いたことに気がつけなかった」ということです。

「機微を捉える」は上手い対策を講じる

「機微」は物事や感情の変化のことですが、どんな変化にも「変化する瞬間」があります。「機微を捉える」という言葉は、その「変化する瞬間」もしくは「変化の前後」を察知することをいいます。

たとえば「A社の株価の推移から経営状態の悪化を察知して早々に債権を回収するとは、まさに機微を捉えたね」というのは、些細な変化に気がついて素早く手を打ったことを「機微を捉えた」と表しています。「捉える」という表現から「機微を感じ取って何か対策を講じた」など、自分にとって「上手くいった」と感じたことに使われます。

「機微に聡い」は感覚が鋭利

「機微」で表される変化は些細で微妙なものが多いものですが、その「機微」に敏感なことを「聡い(さとい)」という言葉を使って表すことができます。「機微に聡い」というのは「人の感情や物事の変化に対しての感覚が鋭い」「些細な変化を的確に感じ取る感覚に優れている」という意味です。

たとえば「あなたは機微に聡いから、新入社員の定期面談を担当して欲しい」というのは「あなたは機微を察知する能力に長けているから、新入社員の定期面談を担当して欲しい」ということです。

「聡い」は同じ読み方で「敏い」と書かれることもあります。どちらも意味はほぼ同じですが、「敏い」が「よく気がついて反応が素早い」という意味に対して「聡い」は「悟るのが早い・賢い」などの意味があります。そのため「機微」に対しては「聡い」の方が使われることが多いようです。

「機微をうがつ」は的確に言葉にする

「うがつ(穿つ)」という表現は、日常的にはあまり使われていないかもしれませんが「人の感情や物事の、隠れた真の姿に巧みに触れる」という意味を持っています。その意味から「機微をうがつ」というのは「物事や感情の機微を明確な言葉にして発する」という言葉になります。

たとえば「むやみに人の心の機微をうがつものじゃない」というのは「むやみに人の心の変化を言葉にするものじゃない」という意味です。

「機微を察する」は推測して理解する

「察する」という言葉には「人の気持ちを推測し理解する」という意味があります。この「察する」を使って、人の心や物事が移り変わろうとしているときや、変化をしたことについていち早く気がつき、理解することを「機微を察する」と言います。

たとえば「彼女は機微を察することが上手い」というのは「彼女は人や物事の変化を推測して理解することが上手い」という意味です。

「機微」は変化をしていることのヒントとなる情報や様子はあっても、変化自体は見えないことが多いので、察する力がなければ機微に気がつくことはできません。そのため「機微に気がつく」ということそのものを「機微を察する」という言葉で表すことができます。

「機微に富む」という言葉はない

似た言葉と聞き間違えたり、思い違いをしてしまうことは良くあることです。「機微」を使った言葉の中で間違えやすいのは「機微に富む」という表現ではないでしょうか。結論から言えば「機微に富む」という言葉はありません。これは「機微に富む」と「機知に富む」が混同してしまっていると考えられます。

「機知(きち)に富む」とは「その場や人に合った、上手い会話の切り返しができること」です。「機微」と「機知」は音は似ていますが、意味は全く違いますので、覚え間違いをしないように注意しておきましょう。

類語による「機微」の言い換え

簡単に言い表せないことは「微妙」

「機微」という言葉を使えば、それだけで「何と表現したら良いかわからないような些細な変化」ということを伝えることができます。これを「機微」以外の言葉で表すのであれば「微妙」が便利です。「何と言えば良いのかわからない、微妙な変化」などとすることで、相手にその変化が些細で、言い表しようがないようなもの、という感覚を伝えることができます。

ビジネスで使える「機微」の例文

  • 「今回の海外出張で外交の機微に触れた気がします」
  • 「自分の感情の機微に気がついていれば、こんなことにはならなかった」
  • 「彼は部長の心の機微を察することが上手い」
  • 「経済の機微を捉えておくことがビジネスマンには重要だ」
  • 「僕は女性の感情の機微に疎い」

まとめ

「機微」という言葉は日常的な会話ではあまり使われていないかもしれません。しかし物事や人の気持ちの変化というのは、捉えどころがないことも多く、感じるものはあってもそれを何と表現したら良いのかわからないものです。「機微」という言葉を語彙の中に入れておくことで「これが機微だ」と感じる瞬間はきっとやってきますよ。