「死活問題」とは?意味や類語・ビジネスや囲碁での使い方も紹介

「死活問題」とは「とても重大な問題」という意味ですが、言い換え表現はあるのでしょうか。また、何が由来となって生まれた表現なのかも気になります。

この記事では「死活問題」の意味や由来のほかに、類語や言い換え表現を紹介します。また「死活問題」の使い方も例文と併せて解説します。

「死活問題」の意味と読み方とは?

「死活問題」の意味は”とても重大な問題”のこと

「死活問題」の意味は、“とても重大な問題”ということです。その重大さとは生き死にと関わるほどの重大さとして取らえられるような問題を指しています。「死活問題」には”人の生き死に”という意味もあり、ある問題が生存に関わるほど致命的で、大きな問題として考えられる場合に使われる表現です。

「死活」の意味は”死ぬことと生きること”

「死活」とは”死ぬことと生きること”という意味で、時には「死ぬか生きるか」という問いかけの意味を含んでいることもあります。「死ぬことと生きること」という意味から転じて「生死を決める大事な場面」という意味も派生しました。

また「死活」には”蘇生すること”という意味もあります。まさに死んでしまうかもしれないという状態に特別な処置を施して生き返らせることで、柔道では締め技などで相手を気絶させてからよみがえらせる技という意味もあります。

「死活問題」の読み方は”しかつもんだい”

「死活問題」の読み方は“しかつもんだい”と読みます。「死」と「活」の両方とも音読みをして”しかつ”と読ませます。

「死活問題」の使い方と例とは?

「死活問題」は経済問題や勝負事などで使われる

「死活問題」という言葉は、特に重大だと思われる経済問題や勝負事などで使われます。将来的に生活が成り立たないかもしれないと思われるような金銭に関わる問題や、勝負事などで勝ち負けが決まる状況です。これまでやってきたことがもういい方向には進まないという恐れがあるときに使われます。

実際に生死がかかっているような場面で死活問題という言葉は使われないことに注意しましょう。

「死活問題」はビジネスで”致命的な事柄”に使われる

「死活問題」という言葉は、ビジネスで「致命的な事柄」を指して使われます。もしも仕事上で起こったら今後ビジネスの継続が難しいと考えられるような重大な事柄や状況に対して使われます。

「死活問題」がビジネスシーンで使われたのなら、窮地に立たされている状態だと思い対処するのがいいでしょう。

例文

このまま顧客が減り続ければ、当事業の死活問題となるだろう。

「死活問題」は囲碁の死活を扱った問題を指して使う

囲碁において「死活問題」は、「活き石」と「死に石」を扱う問題を指しています。「活き石」とは、囲碁において相手に絶対に取られることのない石のことで、「活きた石」とも言われます。一方「死ぬ石」とは”相手に取られることがわかっている石”のことで、「死んだ石」とも言います。

「死活問題」とはこの活き石と死に石を扱っているシーンを指し、詰碁などで使われます。囲碁の勝負において、勝負を決める上での重要なポイントとなる場で聞かれることが多いでしょう。

例文

あそこに白を打つか、それとも黒を打つかで先手必勝になる。死活問題だぞ。

「死活問題」は恋愛関係を継続させるのが難しい時に使われる

恋愛関係において「死活問題」という言葉は、恋人との関係が終わるかもしれないと感じらせられるような出来事を指して使われます。例えば、引越しにより遠距離恋愛となるため今後の2人の関係が危ぶまれるような状況のときに、「引越ししたら死活問題だよ」のように使われます。

「死活問題」の類語(類義語)や言い換え表現とは?

「死活問題」の類語(類義語)は”重大なこと”や”大変なこと”

「死活問題」の類語には、普通ではない大事なことという意味で「重大なこと」や「大変なこと」「余程のこと」や「かなりのこと」などが挙げられます。また、口語的な表現なら「マズいこと」や「ヤバいこと」なども「死活問題」の類語表現として使えます。

「死活問題」は”憂慮すべき問題”と言い換えも

「死活問題」の言い換え表現に、「憂慮すべき問題」があります。ビジネスシーンでよく聞かれる表現で、「憂慮すべき」とは”問題だと考えるべき”という意味で、「死活問題」という言葉の持つ意味よりも少しその重大さが薄れているように感じられるかもしれません。しかしビジネスシーンで「憂慮すべき問題」と使われた時には、その問題はビジネス上での生き死に関わる重大な問題という意味で使われていることがあります。

「憂慮すべき問題」を使った例文

A社からの申し入れは、憂慮すべき問題だと考えていい。

「死活問題」の由来と英語表現とは?

「死活問題」は囲碁の死活が由来

「死活問題」は、囲碁で石のあり方を指す死活が由来になっています。囲碁では、相手に取られる石と取られない石をそれぞれ「死に石(しにいし)」と「活き石(いきいし)」と言い表します。そして、これらの石によって囲碁の勝敗を決める要となるところから「死活問題」と表現します。

この囲碁で使われる「死活問題」という表現が一般的な用語となり、重大な問題を指して死活問題と言うようになりました。

「死活問題」は英語で”a matter of life and death”

「死活問題」は英語で“a matter of life and death”になります。「a matter of life and death」は重大な問題という意味で英語でも使われる表現ですが、日本語との使い方の違いは、本当に生死をかけるような問題についても「a matter of life and death」が使われることです。

「死活」の部分の英訳は「活きる」という意味が先に来ることと、また「活きる」という英語表現が「living」等にはならず「life」になることに注意しましょう。

「死活問題」の英語例文

“When and if organs are donated becomes a matter of life and death.”
「臓器の提供を受けられるかどうかが死活問題になる」

まとめ

「死活問題」とは「とても重大な問題」という意味で、「活きることと死ぬこと」を意味している「死活」が比喩として用いられています。死活問題という表現により緊張感が強すぎると思われる場合には、「重大なこと」などの類語や言い換え表現を使うといいでしょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。