「ミスマッチ」とは「釣り合わないこと」を意味します。ビジネスシーンでは「企業と就職・転職希望者のニーズにズレがある(釣り合わない)状態」という意味で使われることが一般的です。ビジネスシーンの意味を中心に「ミスマッチ」の意味や使い方を解説しましょう。言い換えに使える類語やアンマッチとの違いも紹介します。
「ミスマッチ」の意味とは
「ミスマッチ」の意味とは「釣り合わないこと」
「ミスマッチ」の意味とは「釣り合わないこと」です。「釣り合わないものをあえて組み合わせること」という意味合いもあります。
「今までにない組み合わせが魅力的」などのいい意味で用いられることもありますが、基本的にはネガティブな印象のある言葉です。
「ミスマッチ」の語源は英語「mismatch」
「ミスマッチ」の語源は英語「mismatch」です。動詞としても名詞としても使う単語です。動詞の場合は「不釣り合いに組み合わせる」、名詞の場合は「不釣り合いな組み合わせ」という意味になります。
就職・転職での「ミスマッチ」の使い方
「ミスマッチ」は「企業と求職者のニーズにズレがあること」
就職・転職などのビジネスシーンでは「企業と求職者のニーズにズレがあること」という意味で「ミスマッチ」が用いられます。企業の求める人材と求職者の認識が一致していないため、放置しておくとさまざまなトラブルに繋がる可能性があります。
起こりやすい「ミスマッチ」の例
起こりやすい「ミスマッチ」の具体例を確認しましょう。新卒・中途採用問わず起こり得るのは「企業風土のミスマッチ」です。年功序列なのか成果主義なのか、社内行事が多いのかプライベートを優先するのかなど、入社しないと分かりづらい社風が原因のミスマッチが頻出します。
中途採用の場合は求職者のスキルのミスマッチも見受けられます。スキルが低すぎると業務に悪影響がでますし、高すぎても能力を持て余しやりがいを感じられません。
「ミスマッチ」が起きる理由は「お互いの理解不足」
「ミスマッチ」が起きる主な理由は、企業と求職者の「お互いの理解不足」です。マイナスイメージを与えないようにと情報共有を渋り、理解不足に陥ることが多くあります。
企業側は、求職者に辞退されないよう仕事の大変な面や残業の多さなどを伝えない傾向があります。求職者も「育児があるので残業はできない」などの希望を伝えると不採用になるという不安感から、面接で質問の機会があっても控えてしまうことがあるようです。
「ミスマッチ」は早期離職の理由になる
「ミスマッチ」は早期離職の理由になります。苦労して就職しても、耐えきれないミスマッチを理由に離職してしまいます。
企業側に発生する弊害は「面接の手間が無駄になる」「従業員が減る」などです。さらに、残った他の従業員の士気が下がり、業務効率や業績悪化に繋がることもありえるでしょう。
「アンマッチ」との違いは「採用が成立するかどうか」
本来の「アンマッチ」はミスマッチの類語で「不一致であること」という意味です。ビジネスシーンでは「採用が成立したかどうか」で使い分けられています。
「アンマッチ」は、採用前にニーズのズレが判明したり、面接希望者が現れなかったりして、採用者が出なかった場合に使用します。「ミスマッチ」は採用成立後にズレが判明した際に使う言葉です。ただし、混同されてどちらも「ミスマッチ」の意味で使われるケースもあります。
スポーツ・ファッションの「ミスマッチ」の使い方
バスケの「ミスマッチ」は「選手に身長差があること」
バスケットボールの「ミスマッチ」とは、「選手に身長差があること」という意味です。オフェンスとディフェンスで1対1になった時に、身長差があって有利不利が発生する場合に使用します。具体的に何cmからミスマッチと呼ぶのか、という定義はないため、人によって感覚が違います。
厳密には有利不利が発生している状況を意味する言葉です。そのため、身長差以外(テクニックやスピードなど)に大きな差がある場合でも「ミスマッチ」を使用する人もいます。
服の着こなし「ミスマッチスタイル」はいい意味で使う
服の着こなしでは「ミスマッチ」をいい意味で使うこともあります。たとえば「ミスマッチスタイル」とは、これまでの習慣に囚われない斬新な組み合わせの着こなしを意味します。
デザイン関係でも「ミスマッチ」はいい意味で使われることもある言葉です。今までにない魅力的なデザインを得るために「ミスマッチ」を有効活用する人もいます。
「ミスマッチ」の類語・対義語
「ミスマッチ」の類語は「不一致」「不調和」
「ミスマッチ」の類語は「不一致」「不調和」です。「不一致」は「複数のものがぴったり合わないこと」を意味します。「不調和」の意味は「全体が釣り合わず、まとまっていないこと」です。
「食い違い」「齟齬」も言い換えに使える
「食い違い」と「齟齬(そご)」も言い換えに使える類語です。「食い違い」は、類語の場合は「意見・行動にズレがあって円満に進まないこと」を意味します。「齟齬」は「食い違い」の漢語表現になります。
「ミスマッチ」の対義語は「マッチ」
「ミスマッチ」の対義語は「マッチ」です。調和がとれて釣り合っていることを意味します。
日本語なら「一致」や「調和」が該当します。「一致」の意味は「複数のものがぴったり合うこと」、「調和」の意味は「全体が釣り合ってまとまっていること」です。
まとめ
「ミスマッチ」はビジネスシーンでよく使われる言葉です。就職希望者を求める企業、転職したい求職者、どちらにも不利益になる要素です。日常会話でビジネスの印象が気になった場合、「不一致」などの類語に言い換えると良いでしょう。