「承りました」の意味と使い方!類語との違いや英語表現も解説

「承りました」という表現を、あなたは正しく使えていますか。舌を噛みそうにもなる「承りました」ですが、ビジネスシーンではよく聞かれます。そこで「承りました」の意味を理解して、正しい使い方を覚えましょう。また類語や英語表現も紹介しますのでご参照ください。

「承りました」の読み方と意味

意味は「しっかりと聞きました、引き受けました」

「承りました」の意味は、「しっかりと聞きました・引き受けました」です。「承る」には、「聞く」、承諾するという意味の「引き受ける」、そして「もらう」という三つの意味があります。それが「承りました」という表現になると、主に2つの意味で使われています。

つまり「承りました」は単に「わかりました」と理解したという意味ではなくて、相手の伝えようとしていることや依頼を責任をもって「確かに引き受けました」という表現になります。

読み方は「うけたまわりました」

「承りました」は「うけたまわりました」と読みます。

動詞「承る」の連用形に、丁寧語の「ます」の過去形が後についた謙譲語です。

「承りました」のビジネスシーンでの使い方と例文

メールでも使われる「承りました」は責任ある表現

ビジネスでの会話やメールなどいろいろなところで聞かれる「承りました」ですが、単に相手の話を聞いたという気軽なニュアンスで使われていることがあります。しかし「承りました」は、相手の意向や依頼を聞き、その内容に関して責任をもって任務を果たすというはっきりとした意思を伝える表現です。気軽には使ってはいけない表現だと理解しておきましょう。

例文は次の通りです。

  • (相手の伝言や要望を聞いて)「はい、私が確かに承りました」
  • 「〇月〇日にご予約を承りました」
  • 「お客様のご要望を承りましたので、担当者に伝えておきます」

社外の相手に使う表現

ビジネスシーンでよく使われる「承りました」ですが、この表現は顧客や取引先などの社外の相手に使われます。

社内の先輩や直属の上司に対しては「承りました」よりも、「かしこまりました」や「承知しました」を使うほうが一般的です。

例外として、社内の相手でも社長や役員などの会社のトップクラスの相手に対しては、丁寧な受け答えとして「承りました」が使われることがあります。

「承りました」の類語とは?

「わかりました」は最も一般的に使われる類語

「わかりました」は「承りました」の類語の中でも、もっとも簡潔な表現でしょう。「相手の意向を受ける」という意味で、ビジネスシーン以外でも日常的によく使われていて、目上の人にも使えます。

ただ「承りました」に比べると遠慮を欠いた表現と受け取られることもあるので、気心の知れた上司や先輩に使うようにしましょう。

「かしこまりました」は「わかる」という意味の謙譲語

漢字で「畏まりました」と書く「かしこまりました」は、「相手の言葉を理解し、その言葉に従う」という意味の謙譲語です。「聞き入れる」という意味を表す言い回しの中でも、もっとも相手への敬意を表した表現だと言えます。大変丁寧な表現なので、目上の人や顧客などにも使えます。

「承りました」と「かしこまりました」はほぼ同じように使われますが、その違いは「かしこまりました」のほうが目上からの指示を受けるときに限定されていることです。

「承知しました」は「かしこまりました」より敬意が低め

「承知しました」は「かしこまりました」と同じ意味で、「相手の依頼や要求を聞き入れる」という意味の謙譲語です。ただ「かしこまりました」と比べると、相手への敬意の表れ方が少し低くなった表現になります。

「承知しました」も正しい謙譲語ですが、「する」を「いたす」にして「承知いたしました」とするほうがより丁寧な表現になると解釈されることが多いです。

「了解しました」は目上の人には使えない表現

「わかりました」という意味で使われることも多い「了解しました」ですが、「了解する」は敬語表現ではありません。文尾を「しました」とすることで丁寧な表現にはなりますが、軽い印象を与えます。そのため「了解しました」は、「承りました」のように目上の人には目上の人には使えない表現です。

「了承しました」は目上の人が使う表現

「相手の意向や依頼を受ける」という意味の「了承しました」という表現ですが、謙譲表現ではありません。そのため「承りました」の使い方とは方向性が変わり、「了承しました」は目上の人が目下の人に使う表現です。

「承りました」の英語表現とは?

「承りました」は英語で「I have received」

「承りました」は英語で「I have received」がいいでしょう。「承りました」が過去形だからと言って過去形を使うのではなくて、現在完了形を使うことがポイントです。過去形だと相手からの意向や依頼を受けたことが過去のことになってしまい、その責任を果たすというこれからのことを伝える表現になりません。一方、現在完了形を使うことで、受け取った内容をこれから果たすというニュアンスが伝えられます。

例文は次の通りです。

  • “I have received your order.”
    「ご注文は承りました」
  • “I have received your request, so I will tell it to the person in charge.”
    「お客様のご要望を承りましたので、担当者に伝えておきます」
  • “Would you like to leave the message?”
    「伝言を承りましょうか」

まとめ

「承りました」は相手の意向を受けて責任をもってそれを果たそうとする意思を表した謙譲語です。目上の相手や顧客に対しても使える表現ですから、ビジネスシーンでも活用してみてください。聞き手に信頼のおける相手だという印象を与えることができるでしょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。