「得手不得手」の意味と由来とは?「向き不向き」との違いも解説

「得手不得手」とは「得意とすることと得意としないこと」という意味ですが、「向き不向き」とはどのように違うのでしょうか。また、「得手不得手」がどのようにして生まれた表現なのかも気になります。

この記事では、「得手不得手」の意味や由来のほかに、「向き不向き」と「得意不得意」との違いや使い方も解説します。

「得手不得手」の意味と由来

「得手不得手」とは「得意とすることと得意としないこと」

「得手不得手」とは「得意とすることと得意としないこと」という意味です。「上手にできることとできないこと」という意味でも使われます。

「得手」が「得意とすること」、つまり「手慣れて上手なこと」という意味で、「不得手」は「不」により「得手」を打ち消しているので「得意としないこと」という意味になります。

「得手不得手」の読み方は「えてふえて」

「得手不得手」は「えてふえて」と読みます。「得手」を「えて」と読むのは、「得手」が「得る(える)」を語源として生まれた言葉だからで、「手に入れる」という意味があります。

「得手不得手」は「エテ公」が由来

「得手不得手」は猿を擬人化した表現の「エテ公」が由来しています。

「猿」の読み方は「さる」ですが、同音異義語の「去る」と通じます。そのため「さる」ではなく反対の意味の「得る」を使い「得る人」という意味で「得手」が生まれ、猿を「エテ公」と呼ぶようになったのです。

また「猿(さる)」を「勝る(まさる)」などのシャレもかけ合わさって、「得手」には「優れている」という意味になりました。その結果、「得手」は現在使われている「得意とすること」という意味の言葉になりました。

「得手不得手」と類語と言い換え表現

「得手不得手」と「向き不向き」の違いは「適する」の意味の有無

「向き不向き」は「得意なことと不得意なこと」という意味があり、「得手不得手」の言い換え表現です。

ただし「向き不向き」にはもともと「その人に適しているかいないのか」、または「適していることと適していないこと」という意味があります。「適していること」と「得意なこと」は違う意味ともとらえられることから、「向き不向き」は「得手不得手」と使い分けられることがあります。

人にとって得意なことと不得意なことがあるという意味では「得手不得手」を使い、その人に条件や環境がうまく合っているというときには「向き不向き」が使われます。

「向き不向き」の例文
向き不向きがあるのだから、上手くいかないときはあきらめるのも肝心

「得意不得意」は「得手不得手」の言い換え表現

「得意不得意」は「得意なことと得意ではないこと」という意味で使われる表現で、「得手不得手」の言い換え表現です。「得意」とは「やり慣れていて自信があり、じょうずであること」という意味です。「不得意」は得意を打ち消した表現で「得意ではないこと」という意味で、得意なことと得意ではないことを合わせて言うときに「得意不得意」という表現が使われます。

「得意不得意」の例文
人には得意不得意なことがある

「得手不得手」の使い方と例文

「得手不得手」は得意不得意があること言い表したい時に使う

「得手不得手」は、人には得意なことと不得意があるものだということを伝えたい時に使われます。うまくできることとできないことがある、または得意な分野と苦手な分野があるなど、人の特徴として対極的なことを言い表したい時に使います。

例文
  • 人には得手不得手がある
  • 得手不得手があるものだから、不得意なことだとわかったときには十分に時間をかけてみよう

「得手不得手」は仕事などで相手を励ましたり慰めたりするに使う

「得手不得手」は人が何かに失敗にしたときに励ましたり慰めたりするときに使われます。例えば、仕事やスポーツなどであることに挑戦して、本人が努力したにもかかわらず上手くいかなかったときに、「得手不得手」を使います。誰にでも得意することと苦手とすることがあり、上手くいかなかった理由は本人の努力ではなく、その人にとって向いている事がらではなかったから仕方がないという意味合いで「得手不得手」を使います。

例文
誰にだって得手不得手はあるものだよ。気にするなって

「得手である」「得手ではない」はあまり使われない

得意であるという意味で「得手である」や、得意ではないという意味で「得手ではない」という言い回しは正しいのですが、古い表現になります。そのため現代では「得手である」よりは「得意である」、「得手ではない」よりは「得意ではない」と言った方がいいでしょう。

「得手不得手」の英語表現

「得手不得手」は英語で「strong and weak points」

「得手不得手」は英語で「strong and weak points」と表現できるでしょう。「strong point」と「weak point」をまとめた表現で、「strong point」は「得意とすること」や「長所」という意味で、「weak point」は「弱点」や「短所」という意味になります。長所と短所を合わせれば、その内容は複数になることから「point」を複数形の「points」になることに注意しましょう。

「得手不得手」は英語例文

  • “I thought he was the perfect man, but he has also both strong and weak points.”
    「彼は完璧な男だと思っていたけれど、彼にも得手不得手がある」
  • “People has strong and weak points, and it is vital to give up when things don’t work out.”
    「人には得手不得手があるものだから、上手くいかないときはあきらめるのも肝心だ」

まとめ

「得手不得手(えてふえて)」とは「得意とすることと得意としないこと」という意味で、「エテ公」が由来の表現です。「向き不向き」や「得意不得意」とも言い換えられて、仕事が上手くいかないときなどに励ましのや慰めの言葉として使われることがあるでしょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。