「サドンデス」の意味・使い方とは?使わない理由や言い換え語も

「サドンデス」とは「勝敗が突然決まる方式」という意味で用いられることが一般的です。スポーツやゲームでよく見られる言葉で、映画や歌のタイトルになることもあります。しかし、本来の意味は別にあり、この用法は派生したものです。両方の「サドンデス」の意味や使い方、言い換えに使える類語を紹介しましょう。

「サドンデス」の意味

「サドンデス」の意味とは「勝敗が突然決まる方式」

「サドンデス(英語表記:sudden death)」の意味とは「どちらかが勝ち越した時点で、勝敗が突然決まる方式」です。「1点でも得点したら即座に勝利する」「1度のミスで脱落し、残った1人が勝者」などの方式が「サドンデス」と呼ばれます。

ゴルフや対戦ゲーム、クイズ番組などで使われています。過去にはサッカーでも使用されていました。

「サドンデス」の本来の意味は「突然死」

本来の「サドンデス」は「突然死」を意味する言葉でした。「突然の」という意味のサドン(sudden)と、「死ぬこと」を表すデス(death)を合わせた言葉です。

「サドンデス」の使い方

「サドンデス」はスポーツの延長戦に用いられる

「サドンデス」はスポーツの延長戦の1種類として用いられています。勝敗が付けられず引き分けのまま試合が終わった場合に行われる延長戦を、「先に得点したら勝利」などの「勝敗が突然決まるルール」で行うのが「サドンデス方式」です。

「突然死のように、勝敗が突然決まる」ために「サドンデス」と名付けられました。

サッカーでは1990年代に「延長サドンデス方式」があった

日本のサッカーでは1993年に「延長サドンデス方式」を採用していました。延長戦で先に点を取ったチームが即座に勝者になる方式です。ただし、「サドンデス」本来の意味が問題視されたため、翌年には「Vゴール方式」に変更になりました。

一瞬で勝敗が決まるドラマチックな様子が日本では支持されていました。一時期は国際的に「ゴールデンゴール」として採用されたものの、不評だったことで廃止されています。日本でも2005年以降は採用されていません。

「サドンデス」は対戦ゲームでも使用される

「サドンデス」はスポーツだけではなく、対戦ゲームでも使用されています。「触れると敗北するギミックが徐々に増える」「戦うエリアが狭まり、対戦相手から逃げづらくなる」などのルールも「サドンデスモード」と呼ばれることがあります。

ゲームでサドンデスを採用する主な理由は、勝負が長引いて緊張感が失われ、プレイヤーがゲーム自体に飽きることを防ぐためです。ゲームセンターの場合は「1度のプレイが長引いて他の客が遊べなくなることを避ける」という狙いもあります。

後攻の結果を待つ場合は「サドンデス」ではない

先攻と後攻が分かれているゲームで「サドンデス」は誤用されやすくなっています。後攻の結果を待ってから勝敗を決める場合、厳密には「サドンデス」ではないため、誤用しないよう注意しましょう。先攻が得点した瞬間に勝敗が決まり、後攻の結果を待たないのが「サドンデス」です。

例えば、野球の延長戦ではオモテ(先攻)が得点しても、ウラ(後攻)の攻撃を行います。ウラで後攻チームの得点が確定するまで勝敗が決まらないため、厳密には「サドンデス」には当てはまりません。ただし、広義ではサドンデスだと考える人もいます。

「サドンデス」を近年使わない理由とは?

本来の意味から「サドンデス」という表現を避ける傾向もある

近年では「サドンデス」という表現を避ける傾向があります。先述したサッカーでも「Vゴール方式」「ゴールデンゴール」と改名されていました。

サッカー以外でも、サドンデスの名前を出すことを避ける出版社・放送局もあります。「どちらかが得点した時点で試合終了になる方式」のように、意味を説明する形で言い換えています。

理由は「サドンデス」の本来の意味です。「突然死」という意味の言葉を使うことを疑問視する声があるため、改名や言い換えの配慮が必要になっています。

日本では「突然死」の意味では使わない

日本では「サドンデス」を、本来の「突然死」の意味で使うケースはほとんどありません。「突然死」や「急死」は辞書に掲載されている意味ですが、多くの人がスポーツ・ゲームの用法で覚えています。「突然死」を表現したい場合、別の言葉に言い換えた方がよいでしょう。

「サドンデス」の類語・言い換え

「急逝」「不慮の死」などの類語に言い換える

「サドンデス」の言い換えに使える類語に「急逝」「不慮の死」があります。「急逝(きゅうせい)」は急死と同じ意味の言葉です。

「不慮(ふりょ)の死」の「不慮」は、悪いことが起きる場合に使う言葉で「事前に推測できないこと」という意味です。「不慮の死」と使うことで「事前に推測できない死」になるため、サドンデスの類語になります。

「ぽっくり」も突然死の表現が可能

擬音「ぽっくり」も、突然死の表現が可能です。「ぽっくり」は人が急になくなる際に使う擬音です。「まだ若いのに、ぽっくり死ぬなんて」のように使用します。

「ぽっくり」は他にも、物が折れてしまう際の擬音にも用いられます。

まとめ

本来の「サドンデス」は「突然死」や「急死」を意味する言葉です。この意味で使われることはあまりありませんが、言い換える理由に関係しているので、しっかり把握しておきましょう。