「バイネーム」の意味と語源とは?ビジネスでの使い方と例文も

「バイネーム」とは「個人名」や「名指し」という意味で、ビジネスシーンで注目される横文字のビジネス用語のひとつです。でも、その意味や使い方がいまいちわからないという方も多いのではないでしょうか。この記事では「名指し」の意味と語源のほかにビジネスシーンでの使い方を解説して、例文も紹介します。

「バイネーム」の意味と語源とは?

「バイネーム」の意味は「個人名」や「名指し」

「バイネーム」とは、「個人名」や「名指し」という意味です。主にビジネスシーンで使われているカタカナ語で、該当する人にお願いするときなどに使われます。

「○○さんに仕事をお願いする」という意味で、「○○さんのバイネームで仕事をお願いしたい」のように使われます。

「バイネーム」を使った例文
  • バイネームで受注する
    (意味:名指しで受注する)
  • バイネームでセールスをかける
    (意味:名指しでセールスを行う)

「バイネーム」はビジネスで使われる和製英語

「バイネーム」は横文字のビジネス用語のひとつで、和製英語です。横文字ビジネス用語にはアジェンダやアポイントメントなどのように英語を語源にしたカタカナ語が知られていますが、そのほかに英語のように聞こえるものの英語ではない「和製英語」があります。

「バイネーム」は和製英語になり、日本でしか使えない言葉です。

「バイネーム」の語源は英語の「by name」

「バイネーム」は英語の「by name」が語源です。「by name」は「名指しで」という意味で、「バイネーム」は「by name」をカタカナに置き換えられています。「by name」は人が複数いるときに一人一人に言及するときに使われる慣用句です。

「by name」の英語例文
  • “She was always careful to address each of my teammates by name.”
    「彼女はクラスメートひとりひとりに名前で(名指しで)呼ぶように心がけていた」
  • “He is greeting customers by name.”
    「彼はお客様の名前を呼んで(名指しで)挨拶をしている」

ビジネスでのバイネームの使い方と例文

「バイネーム」を使って個人指名をする

「バイネーム」の典型的な使い方は、ビジネスシーンで個人を指名するときに使われます。「名前で」や「名指しで」の言い換え表現として「バイネーム」を使うと考えていいでしょう。

口語でもメールなどの書き言葉としても使われていて、個人名で仕事を受けたときには「バイネームで仕事を受けた」のように言い表します。

バイネームをマーケティングメールで活用

バイネームを用いたビジネスメールはマーケティングなど商品やサービスの売込みなどによく使われています。バイネームを活用したメールだと、メールを受け取った人がより個人的な印象を受けるので、商品やサービスへの関心を引き起こしやすいからです。

例えば、「○○様へのご提案」のような文が一例で、不特定多数に送られるビジネスメールとは違って興味を持ってもらいやすくなります。

このバイネームを使ったビジネスメールは、相手先を直接訪問する代わりに行われている内勤型の営業のインサイドセールスなどで活用されています。

「バイネーム」は責任の所在を明確にするときに使われる

また「バイネーム」の別事例として、個人名を使った仕事上のやり取りをしているときに「バイネーム」という言葉が使われることがあります。

業務の責任を明白にするために個人名を出すことでその業務の責任の所在がはっきりしますが、そのような状況で「バイネームで仕事が発注されている」のように表現されます。もしもバイネームで仕事を割り当てられたら、慎重に業務にあたりましょう。

「バイネーム」は和製英語なので英語では使えない

「バイネーム」は和製英語なので、英語圏の人に向けた英文で使うことができません。「バイネーム」は国内で、日本語で行われるビジネスで使える言葉だということを覚えておきましょう。

「バイネーム」を使った例文

  • バイネームで仕事を受けた
  • バイネームでメールを受け取ったので、資料を読む気になった
  • 今回の案件は○○様にバイネームでお願いします
  • 担当者様をバイネームで教えていただけますか

「バイネーム」の英語表現

「バイネーム」は英語で「nomination」

「バイネーム」を英語に訳すとすれば、選ばれた人、指名という意味の「nomination」が考えられます。

「バイネーム」は和製英語なので、バイネームを語源の「by name」でそのまま置き換えても、英語としては通じません。かといって「バイネーム」という文化が欧米諸国にはありませんから、「バイネーム」を端的に表す英語表現はありません。そのため、「バイネーム」を意訳して「nomination」が使えるでしょう。

「バイネーム」を使った英語例文

「バイネーム」の英語訳である「nomination」を使って「バイネームで契約することになった」といったバイネームを使った文を英訳することはできません。あくまで「nomination」は「バイネーム」を説明するための英語訳です。

もしも「バイネーム」を使った文章を英語訳する場合には、次のような例文が考えられます。

「バイネーム」を使った英語例文

「X社からバイネームで契約をしたいと言われた」の英訳:
”X company asked me to sign a contract.”
(直訳):「X社から契約したいと言われた」

つまり「バイネーム」にあたる英単語は使わずに、バイネームが使われている文章の意味から英訳します。

まとめ

「バイネーム」とは「個人名」や「名指し」という意味の横文字ビジネス用語です。「バイネームで」という慣用的表現でよく用いられています。「バイネーム」は和製英語ですから、バイネームを語源である「by name」に置き換えても英文では使えないことを覚えておきましょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。