「サーマル」の意味と語源とは?服やサーマルを使った用語も解説

「サーマル」とは「熱の」という意味です。ファッション業界では「サーマル生地を使ったインナーやシャツ」のことですが、どんな洋服があるのでしょうか。

この記事では「サーマルシャツ」の語源となった「サーマル」の意味や語源のほかに、サーマルスコープやサーマルスイッチなどの「サーマル」を使った用語も解説します。

「サーマル」の意味と語源とは?

「サーマル」とは「熱の」という意味

「サーマル」とは「熱の」という意味です。また「熱」という意味を広く解釈して、熱や温度に関するものを指して「サーマル」と言います。

「サーマル」には「熱上昇気流」という意味も

「サーマル」には「熱上昇気流」という意味もあります。「熱上昇気流」とは太陽熱によって熱せられた空気が軽くなることで発生する上昇気流のことです。「上昇流」と呼ばれることもあり、パラグライダーが飛翔するときなどに使われています。

「サーマル」の語源は英語の「thermal」

「サーマル」の語源は英語の「thermal」で、その意味は「熱の」や「温度の」です。また、「熱の」という意味から派生して「暖かい」や「保温性に優れている」という意味もあります。

「サーマル」とはどんな服?

「サーマル」とは「でこぼこした布地を使ったインナーやカットソー」

「サーマル」とはファッション用語で、元々は「サーマル生地を使ったアウトドア用のインナー(肌着)」のことです。サーマルに使用される布地にあるでこぼことしたところに空気を多く取り込むことで保温性が高まります。また肌との密着を避けられるので肌にべたつかないさらっとした肌触りを実現した衣類です。

最近では「サーマル」はインナーだけでなく、カットソーやアウターもあり、サーマル生地を使った洋服の総称として「サーマル」が使われています。

サーマル生地とはワッフル生地やハニカム生地のこと

サーマルに使われている布地は、主に「ワッフル生地」や「ハニカム生地」です。「ワッフル生地」は格子状の表面がお菓子のワッフルに似ていることからワッフルという名称になりました。一方、「ハニカム生地」は蜂の巣を意味する英語の「honeycomb」が由来で、生地が蜂の巣のように立体的なメッシュになっていることから、ハニカム生地と名付けられました。

ワッフル生地とハニカム生地のどちらも柔らかく、肌に密着しにくい高い保温性が特徴です。

「サーマル」を使った例文

  • サーマルのインナーは、朝晩は肌寒くて昼間は温かい寒暖の差が激しい季節にちょうどいい
  • 薄めのサーマルのアウターは、肌寒い時に一着あると便利

「サーマル」を使った用語

「サーマルスコープ」とは「サーマルカメラを搭載した双眼鏡や短眼鏡」

「サーマルスコープ」とは「サーマルカメラを搭載した双眼鏡や短眼鏡」のことです。サーマルカメラとは被写体から発せられる赤外線を検知して、モニター上に熱画像として映し出すカメラです。「サーマルスコープ」は暗闇の中でも被写体を確認するために用いられるので、軍隊の備品などになっています。

「サーマルスイッチ」とは「電力の負荷によるトラブル防止スイッチ」

「サーマルスイッチ」とは、電流によりモーターに負荷がかかり過ぎたときにモータートラブルを起こさないためのスイッチです。モーターが動き始めてから継続的に大量の電流が流れると作動します。「サーマルスイッチ」はカーエアコン用のコンプレッサーや発電機などに用いられています。

「サーマルプロテクター」とは「温度を下げる装置」

「サーマルプロテクター」とは、「一定の温度を超えると自動的に電流を抑えて温度を下げる装置」です。モーターの巻線温度が上昇しすぎたときに、自動的に接点を切断するといった方法で作動します。モーター内部の部品を劣化させないようにするためにも大切な装置です。

「サーマルプリンター」は「サーマル印刷をするプリンター」

「サーマルプリンター」とは「サーマルプリントヘッドと呼ばれる印字するための器具を使ったプリンター」です。サーマルプリントヘッドによって加熱して印字をします。このように熱の力を使って印刷することを「サーマル印刷」と言います。

「サーマルプリンター」には感熱式のプリンターと熱転写式プリンターの2種類があります。感熱式のプリンターはダイレクトサーマルプリンターとも呼ばれていて、熱によってサーマル紙が発色して印刷します。一方、熱転写式プリンターは熱によって溶解するリインクボンを使い、紙に転写させて印刷します。

「サーマルリサイクル」とは「廃棄物を燃焼させたときの熱を再利用すること」

「サーマルリサイクル」とは廃棄物を燃やしたときの熱を再利用すること。例えば、地域の発電や温水プールなどに使われています。2006年には容器包装リサイクル法が改正されて、回収されたプラスチック容器を収集して燃やしたときの熱エネルギーを利用することが認められました。

サーマルリサイクルは可燃ごみと不燃ごみとに完全に分離できない廃棄物を有効的に活用できるなどのメリットがある一方で、プラスチックごみを可燃する際にダイオキシンなどの発がん性物質が発生するデメリットもあります。

まとめ

「サーマル」とは「熱の」という意味ですが、ファッション用語ではワッフル生地などを使った保温性の高いインナーやカットソーを指します。「サーマル」という言葉は「サーマルスコープ」や「サーマルプロテクター」などの多くの工業製品にも使われていますので、「サーマル」の「熱の」という本来の意味を覚えておくと便利でしょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。