「マイノリティ」の意味とは?ビジネス熟語や反対語も解説

最近メディアで耳にする言葉の一つに「マイノリティ」があります。マジョリティと絡めて表現されることが多いですが、意味や使い方が曖昧なことはありませんか?

ここではカタカナが「マイノリティ」について意味と使い方、言い換えと対義語を中心に紹介しています。これを機会に、社会的にも注目される言葉の理解を深めてみて下さい。

「マイノリティ」の意味・英語表記・使い方は?

最初に「マイノリティ」の意味と使い方を英語表記と併せて紹介します。

「マイノリティ」の意味は「社会的少数者」

「マイノリティ」の意味は、「社会的少数者」です。他にも「社会的少数派」、又はある一まとまりの形を表す「社会的少数集団」などの意味を持ちます。「社会的」とは、社会の営みにおける権力関係が左右することがらを指しますが、「社会的少数派」でその中での属性が「少数の類」に位置する人や集団を「マイノリティ」と呼んできます。

「マイノリティ」の英語表記は「minority」

「マイノリティ」の英語表記は「minority」です。形容詞「minor(大きさや量がより小さい)」の名詞形となります。

「マイノリティ」という言葉の使われ方

海外では「マイノリティ」という概念はかなり以前から存在し、日本と同様に「社会的弱者」として捉えられる傾向があると言えます。これは「マイノリティ」という言葉が日常的に聞かれるようになって歴史が浅いということもありますが、「社会的少数者」の深刻な事情や状況を考慮せず、言葉のニュアンスが勝手に独り歩きしたものであると考えらるでしょう。

「マイノリティ」は多数派ではないため、「数的に少ない=弱者」という認識が多少あるようですが、すでに社会制度の改善や社会の受け入れ方にも変化が生まれ始めています。

「マイノリティ」を「差別」目的で使わない

「マイノリティ」の使い方で最も留意したい点は、社会的少数派だからといって、あたかも存在を否定するような「差別」目的で使ってはならないということです。世界のどの類の社会のまとまりを考察しても、「多数派が良くて、少数派が悪い」というコンセプトは決して正しいとは言えません。「マイノリティ」という言葉を放つ時は、相手の気持ちや事情を考慮することが大切です。

ビジネスにおける「マイノリティ」とは?

それではビジネスにおける「マイノリティ」について解説します。

「マイノリティオピニオン」は「少数意見」

ビジネスミーティングでは様々な意見が飛び交いますが、グループの中の大多数意見に対して「少数意見」を指す言葉が「マイノリティオピニオン」です。ミーティング内でものごとを決定する時に「多数決」や「全員一致」などの方式がとられますが、逆に「少数意見」を尊重して、少数派の視点からものごとが新たに展開するケースもあります。

「マイノリティ出資」は「過半数以下の株に投資」

過酷なビジネスシーンでは中小企業を中心に「マイノリティ出資を受ける」という光景も目にします。景気がよく売り上げの好調な企業が、経営難にあえぐ中小企業の株を一部独占することで経営を存続していく方法の一つです。

「マイノリティ出資」の条件は、投資する中小企業の株式を「過半数を超えない数で独占する」つまり「過半数以下の株に投資する」ということになります。「マイノリティ出資」は過半数を超えないことで、相手に経営権を譲らずに済むのが特徴と言えるでしょう。

「マイノリティ」の言い換えと対義語は?

続いて「マイノリティ」と言い換えできる言葉と反対の意味を持つ対義語について紹介します。

「マイノリティ」と言い換えできる類語は「少数党」

「マイノリティ」の類語にあたるのは「社会的少数者」「社会的少数派」「社会的少数集団」の他に、「少数党」「少派」などが挙げられます。「マイノリティ」のもとの意味が「より少ない」となるため、これらも類語として言い換えができるでしょう。

「マイノリティ」と反対の意味を持つ言葉が「マジョリティ」

一方「マイノリティ」の逆の意味を持つ言葉が「マジョリティ(majority)」です。意味は「大多数」「過半数」そして「社会的多数派」となります。

「性的マイノリティ」について

性的マイノリティ、またはLGBTという言葉を知っていますか?公平で差別のない社会生活を送る上で理解しておきたい大切な言葉です。

「性的マイノリティ」とは

「性的マイノリティ」とは、性同一性障害を含めて、自分と同じ姓の人を好きになったり、自分自身の性に対して「違和感」のある人のことを表す言葉です。「異性を好きになることが通常」「体と心における性は同じ」という大多数の意見から見た「少数派」の人たちのことを指しています。

また、性的マイノリティは「レズビアン=lesbian」「ゲイ=gay」「バイセクシャル=bisexual」「トランスジェンダー(transgender)」のそれぞれの頭文字をとって「LGBT」とも呼ばれています。日本でも性的マイノリティが多数派と違った生き方をすることを認め、社会で受け入れていく姿勢が求められているのが実情です。

「性的マイノリティ」の割合は「4%前後」

性的マイノリティの人たちの割合は、世界人口の約4%前後だと言われています。この数字を具体的に示せば、100名の従業員を抱える企業に4名前後の割合です。

「性的マイノリティ」が抱える問題

「性的マイノリティ」の人たちが抱える問題はいくつかありますが、一般的には「社会的偏見」「社会からの孤立」「服装のあり方」「戸籍上の性別」などがあります。トイレの選び方や家族への相談など、繊細な部分でストレスを感じることが多いのです。

まとめ

「マイノリティ」はもともと「より少ない」「社会的少数者」などの意味があり、対義語は「マジョリティ」となります。ビジネスでは「マイノリティオピニオン」「マイノリティ出資」のように使われ、社会一般で幅広く活用されている言葉の一つです。

職場では自分の考えが大多数の意見と異なり「マイノリティオピニオン」になることもあるでしょう。しかし、マネジメント力の強い企業なら、より小さな意見だからこそ貴重なものであると捉え、成果や成功へと結び付けていこうとする動きもあります。

「マイノリティ」は状況や環境によって使い方が異なりますが、言い換えできる言葉を適宜選んで会話に取り入れるようにしましょう。