ウィスタリアとはどんな色?色名の意味や藤色、すみれ色との違い

「ウィスタリア」は鮮やかな青紫色です。今回は「ウィスタリア」のカラーコードや光の3原色RGB、印刷の4原色CMYKなどをご紹介。さらに、色の名前の意味やそれにまつわる雑学、「ウィスタリア」に似た色「藤色」や「すみれ色」との違いもご紹介します。

「ウィスタリア」とはどんな色?

「ウィスタリア」は鮮やかな青紫色

「ウィスタリア(wistaria)」は、JIS色彩規格では「鮮やかな青紫」と定義される色で、同規格に規定されている慣用色名のひとつです。灰色みがかった落ち着いた青紫系の色で、系統色名は「vv-V」。「ウイステァリア」と表記されることもあります。

「ウィスタリア」のカラーコードは「#8E8BC2」

「ウィスタリア」のカラーコードは、一般的に「#8E8BC2」や「#7967C3」、「#7C6DC4」などで表されます。「#8E8BC2」の場合、光の三原色RGB(赤・緑・青)では、「R142、G139、B194」、印刷の4原色CMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)では「C50%、M45%、Y0%、K0%」になります。

「#7967C3」の場合のRGBは「R121、G103、B195」、CMYKは「C55%、M65%、Y20%、K0%」です。

「ウィスタリア」の補色は灰みのある橙系など

「ウィスタリア」の補色は、灰みのある橙系、灰みのある黄系、灰みのある黄緑系の色です。補色とは色相環 (color circle・hue circle:色相を環状に配置したもの) で正反対に位置する関係にある色の組合せのことです。相補的な色のことでもあります。

「ウィスタリア」自体が灰みがかった青紫であるため、補色も灰みがかった色になります。

「ウィスタリア」の由来や雑学

「ウィスタリア」の色名の意味は「藤の花の色」

「ウィスタリア」という色の名前には「藤の花の色」という意味があります。そもそも「ウィスタリア」は日本語で「藤」を指します。つまり、「ウィスタリア」は藤の花のような青紫色のことです。しかしながら、「ウィスタリア」と後で記述する「藤色」とは異なりますので注意しましょう。

「ウィスタリア」の花言葉

「ウィスタリア」=藤の花の花言葉は「優しさ」「恋に酔う」「歓迎」「決して離れない」です。英語の花言葉は「歓迎」を意味する「welcome」と「確固たる・しっかりした・忠実な」などを意味する「steadfast」です。

古くから女性にたとえられ、外国人にも強く和の風情を感じさせると言われる藤の花。花言葉も女性的な意味の言葉が多いという特徴があります。

「ウィスタリア(藤)」の咲く時期や種類

藤はマメ科フジ属に分類されます。藤の花が見頃となる季節は春で、4〜5月が開花時期になります。藤にはいくつかの種類があり、その中のひとつが日本原産の「ヤマフジ」です。「ヤマフジ」は本州や四国、九州などに自生しています。

本州を中心に山野に自生する「ノダフジ」も日本原産。花序(かじょ)と呼ばれる房状の花の部分が「ヤマフジ」よりもやや長いのが特徴です。「ヤマフジ」のつるは右肩上がりの右巻き、「ノダフジ」のつるは左肩あがりの左巻きで、その部分に注目すると見分けられます。

「ウィスタリア」に似た色との違い

「藤色」は「ウィスタリア」よりも薄い色

「ウィスタリア」と同じ「藤の花の色」を表す「藤色」。「ウィスタリア」の和名とされていますが、「藤色」の方が薄く、やわらかい色です。JIS色彩規格では「明るい紫」と定義されており、系統色名は「lt-V」。カラーコードは「#BBB7DA」や「#BAA7CC」などで表されます。

「藤色」は日本では古くからなじみ深い伝統色で、「若紫」とも言われます。女性らしい色合いとして、平安時代から愛され続けている色です。

「藤紫」は少し紫みの強い藤色

「藤紫(ふじむらさき)」もまた系統色名「lt-V」の「明るい紫」と定義される色で、「藤色」と「紫」の色名を組み合わせた「藤色」より紫みが強い色です。大正時代の女性を虜にした色であることから、「大正藤」とも呼ばれていました。カラーコードは「#8F82BC」や「#A59ACA」などです。

「菫色」はやや青みの深い紫色

「菫色(すみれいろ)」は、その名の通り菫の花の色を由来とする色です。菫の花のような鮮やかな紫色で、系統色名は「vv-V」、「鮮やかな紫」と定義されています。

「菫色」も万葉の時代から愛されている色で、平安時代には装束の色のひとつとして使用されていました。カラーコードは「#7054A0」や「#5A4498」などです。菫は英語で「バイオレット(violet)」と言い、「バイオレット」も同じく色名になっています。

以下の記事では「菫色」に関してより詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

「菫色(すみれ色)」の意味とは?紫との違いやカラーコードも紹介

「ヘリオトロープ」は鮮やかな青紫色

ペルー原産の花「ヘリオトロープ(heliotrope)」の花の名前を色名としている「ヘリオトロープ」。「ヘリオトロープ」は和名を「ニオイムラサキ」と言い、ニオイムラサキの花の色が色名の由来です。ニオイムラサキの香りは香水の原料としても利用されます。

系統色名は「菫色」と同じく「vv-V」で、「鮮やかな紫」と定義される「ヘリオトロープ」。カラーコードは「#9075B3」です。

まとめ

「ウィスタリア」は灰色みがかった落ち着いた青紫系の色で、JIS色彩規格では「鮮やかな青紫」と定義されています。「藤の花の色」が名前の由来ですが、日本の伝統色「藤色」とは異なる色ですので、間違えないようにしましょう。