「大暑」とはいつ?意味や読み方、気候の特徴や旬の食べ物も紹介

「大暑」は二十四節気の第12節目にあたり、夏真っ盛りで一年のうちで最も暑い時期になります。この記事では、「大暑」とは実際にいつなのかをはじめ、暑中見舞いで使われる「大暑の候」の意味や、「大暑」の時期に食べると良い食べ物、行事などをご紹介します。

「大暑」とはいつ?「大暑の候」が示すのは?

「大暑」は二十四節気の第12節目、読み方は「たいしょ」

「大暑」は「たいしょ」と読み、二十四節気(にじゅうしせっき)の第12節目にあたります。7月23日から8月7日頃までが「大暑」の時期です。

二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、それぞれの季節をさらに6つに分けたものです。古来中国で農作業の目安になるように、太陽の動きを基準として季節の移り変わりの目安にするため作られました。二十四節気は、年によって1日程度前後する場合があります。

「大暑の候」は「大暑」の時期のみ使える時候の挨拶

暑中見舞いで使われる「大暑の候」という時候の挨拶。「大暑の候」には、「厳しい暑さを感じる季節になりました」という意味があります。暑さが本格的になる「大暑」の時期にのみ使える挨拶で、つまり使えるのは立秋の前日までとなります。

暑中見舞いを送る時期は、二十四節気で大暑の前の節気の「小暑(しょうしょ)」と、「大暑」の期間。「暑中」は、「小暑」と「大暑」の「暑」の中だと覚えておきましょう。

「大暑」の意味や気候の特徴とは?

「大暑」の意味は「厳しい暑さ」

「大暑」には、「夏の厳しい暑さ」や「夏の激しい暑さ」「酷暑」などの意味があります。つまり、「大暑」は一年で最も暑くなる時期を意味しています。

梅雨が明け、本格的な夏が到来する「大暑」の時期。少しでも涼しく感じられるように打ち水のイベントが各地で行われたり、暑さに負けないように暑気払いが行われたりします。

「大暑」の頃の気候は気温が上がり続ける

暦便覧(こよみべんらん:天明七年に出版された太玄斎による暦の解説書)では「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と記されている「大暑」。この時期の気候は、快晴が続き、気温が上がり続けます。

実際のところ本格的な暑さのピークがやってくるのは「大暑」のもう少し後になりますが、梅雨の後急激に気温が上がり始める「大暑」の時期は、熱中症に注意が必要です。水分補給を心掛け、暑さにまだ慣れていない身体をいたわりましょう。

「大暑」の頃の旬の食材・おすすめの食材とは

「うなぎ」

「大暑」の時期には、夏の土用が巡ってきます。この土用の間にある丑の日を「土用の丑の日」といい、この日は夏バテを防止するためにスタミナのある鰻を食べる風習があります。

鰻を食べる風習を広めたのは江戸時代の蘭学者、平賀源内(ひらがげんない)だといわれています。鰻には、疲労回復や食欲増進に効果的な栄養素のビタミンAやビタミンB群などが多く含まれており、夏バテ防止にはぴったりの食材です。

「ゴーヤ」

沖縄県が特産のゴーヤは、「大暑」の時期に旬を迎えます。ゴーヤには独特の苦味があり、緑が鮮やかなものほど、新鮮で栄養価が高いという特徴があります。

苦味は塩もみしたり水にさらしたりすると軽減されますが、胃液の分泌を促し、食欲を増進させる効果も。食欲の落ちる「大暑」の時期にゴーヤはおすすめの野菜です。

「天ぷら」

「大暑」が始まる時期の7月23日は「天ぷらの日」です。「大暑」の時期、スーパーに天ぷらが多く並ぶのはこのためです。

7月23日を「天ぷらの日」と制定した団体は不明ですが、夏の暑い時期に栄養豊富で疲労回復にも適した天ぷらを食べて元気に過ごそう、という意味があるとされます。7月23日をきっかけに、毎月23日は「天ぷらの日」とされています。

「甘酒」

「大暑」の暑気払いにおすすめの飲み物が甘酒です。甘酒は夏の季語にもなっていて、江戸時代には夏になると冷やした甘酒を売る甘酒売りがいたといいます。

甘酒は「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養価が高く、必須アミノ酸やビタミン、ブドウ糖、オリゴ糖などが含まれています。また、米を発酵させて作る発酵食品で、腸内環境を整える働きも期待できます。

「大暑」の頃に咲く花や行事とは

「白粉花(おしろいばな)」

「大暑」の時期に花を咲かせる「白粉花(おしろいばな)」。黒い種を割ると、中には白いおしろいのような粉があることが名前の由来とされます。

夕方から咲き始め、次の日の午前くらいにはしぼんでしまうため「一日花」や「夕化粧」とも呼ばれます。しかし、夏の間は次々と新しい花が咲き続けるため、すぐ花がしぼんでしまうという印象がありません。

「御手洗祭り」

「大暑」の期間に執り行われる「御手洗(みたらし)祭り」は、京都の下鴨神社で斎行されるお祭りです。土用の丑の日に、下鴨神社の境内にある御手洗池の清水に足を膝まで浸すと、無病息災でいられるとされています。

御手洗祭りでは、火を灯したろうそくを手に御手洗池に入り、井戸の上に社殿が祀られている末社の井上社に灯明を供えた後、御神水をいただく「足つけ神事」が行われます。

「ねぷた祭り(ねぶた祭り)」

青森県弘前市で毎年8月1日から7日間開催される「ねぷた祭り(ねぶた祭り)」は、東北の短い夏を謳歌できる伝統的なお祭りです。

扇型の「扇ねぷた」や、人形型の「組ねぷた」と呼ばれる山車が市街地の中心を練ります。ねぷた祭りの発祥は、夏の盛りにおそってくる仕事の妨げになる眠気を、あっちに行け!と送り出す「眠り流し」の習俗だとされています。

まとめ

「大暑」は、二十四節気の第12節目にあたり、7月23日から8月7日頃までが「大暑」の時期です。梅雨が明け、本格的な夏が到来する時期で、気候は快晴が続き、気温が上がり続けます。「大暑」の期間にある「土用の丑の日」には、夏バテを防止するためにスタミナのある鰻を食べる風習があります。