「立秋」とはいつ?読み方と意味、手紙の挨拶や旬の食べ物も紹介

「立秋」は二十四節気の第13節目にあたります。秋の訪れを告げる「立秋」はいつからいつまでのことなのかをはじめ、意味や「立秋」にまつわる雑学もご紹介。この時期に旬を迎える食べ物や、見頃を迎える花もご紹介します。

「立秋」とはいつ?いつまでを「立秋」と呼ぶ?

「立秋」は二十四節気の第13節目、読み方は「りっしゅう」

「立秋」は「りっしゅう」と読み、二十四節気の第13節目の「七月節」です。古代中国の春秋戦国時代に考案され、日本に伝わった暦「二十四節気」は、季節の移り変わりを表す目安として、農業で役立てられてきました。

1年を4つの季節、春夏秋冬に分け、それぞれの季節をさらに6つに分けた二十四節気。「立秋」は秋の最初の節気となっています。

2023年の「立秋」は8月8日

二十四節気は「黄道(こうどう)」と呼ばれる太陽の軌道を24等分しており、節気の期間は毎年同じではありません。「立秋」に入る日は例年8月8日頃となっており、2023年の「立秋」は8月8日からです。

節気の名前は、節気に入った最初の日付のことを指して使う場合と、次の節気までの期間を指して使う場合があります。2023年の「立秋」の期間は8月22日までです。

「立秋」の意味・由来や雑学

「立秋」の意味は「秋の気配が見え始める頃」

「立秋」には「秋の気配が見え始める頃」という意味があり、暦の上では秋の始まりです。まだまだ暑い時期ではありますが、お盆が明けると朝晩に少し涼しい風が吹き始めたり、空には秋の雲である「巻雲(けんうん)」や「うろこ雲」などが見られるようになったりします。

「立秋」を過ぎたら「残暑見舞い」に

暦の上では秋とはいえ、「立秋」は暑さの厳しい日が続きます。「立秋」以降の暑さは「残暑」といい、暑さのなか相手の健康を気遣うお見舞いも「暑中見舞い」ではなく「残暑見舞い」に変わります。

残暑見舞いを出す場合には8月中には出すようにし、遅くとも「立秋」の次の節気「処暑(しょしょ)」が終わる9月7日頃までには届くように出しましょう。

「立秋」の時期の手紙で使える時候の挨拶例

「立秋」の頃に残暑見舞いを出す場合には、挨拶の言葉は「残暑お見舞い申し上げます」または「残暑お伺い申し上げます」を使います。手紙やメールなど、ビジネス文書で使える「立秋」の時期の時候の挨拶をご紹介します。

時候の挨拶例

  • 立秋の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
  • 立秋とは名ばかりの厳しい暑さが続いておりますが、お障りなくお過ごしでしょうか。
  • 残暑の候、平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。

「立秋」のいわし雲は雨のサイン

残暑が厳しい「立秋」の時期でも、空には少しずつ秋の兆候が見えるようになります。少しずつ空が高く感じられるようになり、「うろこ雲」「いわし雲」「ひつじ雲」などと呼ばれる、小さな固まりがたくさん集まった雲が見られるようになります。

イワシの群れのような細長い形の雲が集まっているのが「いわし雲」、小さく丸い雲が集まり魚のうろこのように見えるのが「うろこ雲」、うろこ雲よりも低い空で見られるヒツジの群れのようなモコモコした雲の集まりが「ひつじ雲」です。いずれも通年見られる雲ではありますが、秋は特に空が澄んでおり見やすくなります。

これらの雲は低気圧の前に現れることが多く、雨が降るサイン。見かけたら雨に注意しましょう。

「立秋」の時期に旬を迎える食べ物

「桃」

桃の旬は7月から9月。夏から初秋にかけてとなり、ちょうど「立秋」の時期に食べ頃になります。旬の時期が被るため、お盆のお供えにも多く使われます。ジューシーな桃の果肉は肌を若返らせる効果があるとも。8月8日から10日は、八九十(はくとう)の語呂合わせから、「白桃の日」とされています。

「とうもろこし」

とうもろこしの旬も「立秋」の時期です。とうもろこしは米や小麦と同じく、世界三大穀物に数えられています。栄養価が高く美味しいとうもろこしは、ひげが茶色く、ふさふさしているもの。とうもろこしを選ぶ時の参考にしてみてください。

「枝豆」

枝豆も「立秋」の時期が旬です。未成熟な大豆を収穫した枝豆はとても栄養価が高く、豆と野菜、両方の栄養的特徴を持ちます。タンパク質やビタミンB1をはじめ、カリウム、食物繊維、鉄分なども豊富に含んでいます。

塩茹でが定番ですが、枝豆を茹でてペースト状にして砂糖を混ぜ甘くした東北地方の郷土料理「ずんだ」もおすすめ。枝豆の風味と鮮やかな緑色が目と舌で楽しめます。

「立秋」の時期に見頃を迎える花

「ひまわり」

暑さの盛りの「立秋」の時期に大輪の花を咲かせるひまわり。中国では「太陽花」、英語でも「Sunflower」と呼ばれており、世界中で「太陽の花」として親しまれています。ひまわりを国の花としているロシアが最大の生産国で、日本でもひまわりは43の市区町村の花に指定されています。

ひまわりの花言葉は「情熱」「憧れ」「あなただけを見つめる」。ポジティブなイメージそのままの花言葉です。

「つゆくさ」

真夏の朝咲いて昼には萎んでしまうつゆくさ(露草)。鮮やかな青い花には朝露がよく似合います。その儚さから、万葉集の和歌でも恋の歌に使われています。

蛍を飼う際に籠につゆくさを入れることから「蛍草(ほたるぐさ)」とも呼ばれ、他にも「藍花(あいばな)」や「青花(あおばな)」「月草(つきくさ)」「移草(うつしぐさ)」「帽子花(ぼうしばな)」「鴨頭草(つきくさ)」など多くの別名があり、夏の季語にも使われます。

まとめ

「立秋」は、二十四節気の第13節目の「七月節」で、例年8月8日頃から8月22日頃が「立秋」です。この期間が始まる日を指して「立秋」という場合もあります。「秋の気配が見え始める頃」という意味があり、「立秋」以降の暑さは「残暑」といいます。