「承る」の意味は?ビジネスシーンでの使い方に類語や英語も解説

ビジネスシーンで伝言を頼まれたときなどに、「承る」はよく使われていますが、皆さんはその意味を正しく理解できているでしょうか。また、同じ読み方をする「受け賜わる」との違いは何でしょうか。そこで「承る」の意味や使い方、「受け賜わる」との違い、さらに類語や英語表現も併せて解説します。

「承る」の意味や読みとは?

「聞く、伝え聞く、引き受ける、受ける」の4つの意味がある

「承る」の意味は、「聞く、伝え聞く、引き受ける、受ける」です。4つの意味を詳しくみてみましょう。

  1. 「聞く」の意味:
    その聞き方も「謹んで受ける」ことなので、目上の人の言葉を聞くときに使われます。
    例文:「ご意見を承る」「お客様の声を承る」
  2. 「伝え聞く」の意味:
    直接、目上の人本人から離される言葉以外にも、その人の様子を「伝え聞く」場合にも、「承る」が使われます。
    例文:「承ったところによると、○○様は病気になられたようだ」「お約束していた○○様は本日いらっしゃれないと承りました」
  3. 「引き受ける」の意味:
    「引き受ける」や「承諾する」という意味で、目上の人の命令や指示、頼み事などを引き受けるときに使われます。
    例文:「ご用件を承る」「かしこまって社長の訓示を承る」
  4. 「受ける」の意味:
    「お受けする」「いただく」という意味で、目上の人からお礼や感謝などを言われたときに使われます。
    例文:「○○様からお褒めの言葉を承りました」

読みは「うけたまわる」

「承る」の読み方は「うけたまわる」です。

「承る」の敬語や古語とは?

「承る」は謙譲語

「承る」は敬語のひとつである謙譲語です。

古語としての「承る」

「承る」はラ行4段活用の古語です。その意味は、現代で使われている「承る」の意味と変わりません。古文でどのように使われていたのか例文をご紹介します。

  • 「聞く」の意味の例文:

「かぐや姫の要じたまふべきなりけりと、承りて」
(出典『蓬莱の玉の枝』)

[現代語訳]かぐや姫がお求めになられていると伺いました。

  • 「引き受ける」の意味の例文:

「心強くうけたまわらずなりにしこと」
(出典『竹取物語 かぐや姫の昇天』)

[現代語訳](宮仕えを)強情にお引き受けしなかったことを

  • 「受ける」の意味の例文:

「かしこき仰せ言を、たびたびうけたまはりながら」
(出典『源氏物語 桐壺』)

[現代語訳](帝の)恐れ多い言葉を、何度もいただきながら」

「承る」のビジネスシーンでの使い方と例文

目上の人に対して受け答えのときに使われる

会話や電話などビジネスシーンでも「承る」は使われています。目上の人に対して受け答えのときに使われますので、使い方を間違えないように注意しましょう。

「承る」は、相手の要件を聞いたり、引き受けたりするときに使います。また伝え聞く場合にも使われます。

聞くの意味の例文:
「部長の率直な意見を承り、大変勉強になりました」
「○○様から次のような案件を承っています」
「どんなご要望でも承りますので、おっしゃってください」

引き受けるの意味の例文:
「ご注文は承りましたので、近日中に送らせていただきます」
「本日のご予約は私、鈴木が承りました」
「あいにく○○は席を外しておりますので、代わりにご用件を承ります」

「承る」の類語とは?

類語は「拝聴する」「承知しました」など

「聞く」の意味の「承る」の類語は、「拝聴する」「傾聴する」「お聞かせいただく」や「伺う」があります。

「引き受ける」の意味には、「承知しました」「承諾しました」「かしこまりました」などの類語があります。

また「うける」の意味には、「いただく」などが類語です。

「了解しました」は目上の人には使えない

「了解しました」はビジネスシーンでもよく聞かれる「引き受ける」という意味のフレーズです。語尾は丁寧語ですが、敬語表現とは考えられていません。そのため目上の人によっては不快に感じられる場合がありますので、目上の人には「了解しました」よりは「承知しました」や「かしこまりました」などの謙譲表現を使うほうがいいでしょう。

「承る」と「受け賜る」の違いとは?

物の享受があったかどうかで使い分ける

「うけたまわる」をPCなどで変換すると「承る」のほかに「うけ賜る」または「受け賜る」が出てきます。この二つの言葉は、物の享受があったかどうかで使い分けます。

本来、「うけたまわる」は「受け賜わる」と書き、後から「承る」という字があてられました。そのため意味としては両方とも同じなのですが、現代では、これらの言葉は使い分けられています。

「承る」が言葉や依頼、相談や注文などのやり取りに使われるのに対して、「受け賜わる」は物の受け取りの際に使われるフレーズです。

例文:
「部長から記念品を受け賜わる」
「お客様からお礼の品物を受け賜わる」

「承る」の英語表現とは?

「承る」は英語で「hear」

「承る」の「聞く」という意味を英訳すると、「hear」や「listen」になります。ただし「hear」や「listen」には謙譲的な意味合いが含まれていませんので、謙譲表現にするために丁寧な文章表現を使うようにします。例文は次の通りです。

  • “I would like to listen to your opinion.”
    「あなたのご意見を伺います」
  • “I would like to hear about the new project.”
    「新しいプロジェクトについて承ります」

「引き受ける」の意味の様々な英語表現

また「承る」の「引き受ける」という意味ならば、状況に応じて様々な英語表現が考えられるでしょう。その一例をご紹介します。

  • “May I take a message?”
    「ご伝言を承りましょうか」
  • “Is anyone serving you?”
    「店の者が御用を承っているでしょうか」
  • “I have received your order.”
    「ご用は承りました」
  • “I understand.”
    「わかりました」

※ “I got it.” や“You got it.”もビジネスシーンでよく使われる「わかった」という意味のフレーズですが、謙譲表現ではなくカジュアルな表現です。

まとめ

「承りました」は「聞く」や「引き受ける」の意味の謙譲表現です。目上の人や顧客から話を聞いたり依頼を頼まれた時、そして人から伝言を預かった時などによく使われる表現です。また物を享受した場合には「受け賜わりました」を使いましょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。