ビジネスシーンでもよく聞かれる「スタンス」という言葉。「仕事のスタンス」のように上司や先輩が使うけれど、その意味は何だったかなと思われることもあるのではないでしょうか。そこでその「スタンス」について意味や使い方を解説、また類語や英語表現を紹介します。
スタンスの3つの意味と使い方
「スタンス」は英語の「stance」から生まれたカタカナ語であり、「立場」「立ち方」「足場」という3つの意味があります。それぞれの意味と使い方をご紹介しましょう。
「スタンス」の意味① 物事に取り組む姿勢
「スタンス」の意味は、「物事に取り組む姿勢」「立場」です。スタンスの意味としてよく使われています。
- 「基本のスタンス」
- 「自分のスタンス」
- 「スタンスの違い」
- 「スタンスをとる」
ただ「スタンス」の意味である「態度」を使って、「態度が大きい」という意味で「スタンスが大きい」という使われ方はしません。
「スタンス」の意味② 立ち方
スポーツでの立ち方、足の歩幅を説明するときに「スタンス」が使われます。例えば、野球のバッティングには「オープンスタンス」や「スクエアスタンス」など、スタンスの種類があります。
野球以外にも、テニス、ゴルフ、スノーボードやサーフィンなどで立った時の足の位置を示すときに、「スタンス」が使われており、「スタンスの幅」「スタンスが広い・狭い」などいろいろな表現があります。
「スタンス」の意味③ 足場
特にロッククライミングにおいて、「スタンス」は「足場」や「足を置く場所」という意味です。
「小さいスタンスでも、しっかりと体重をかけることで安定して登ることができる」というように使います。
「仕事のスタンス」などビジネスにおける「スタンス」の3つの意味と例文
ビジネスにおける「スタンス」の意味① 仕事に対する姿勢
「仕事のスタンス」というフレーズはよく聞かれますが、その意味は「仕事に対する姿勢」です。
「仕事のスタンス」は異なる職業観でも違っていたり、同じ職種でも年齢や既婚の有無などでも大きく変化します。そのため、ビジネスマンが自分の仕事にどのように取り組むときや、ほかの人と自分を比べるときにも「仕事のスタンス」の取り方が気になりなります。それほど「仕事のスタンス」とは働く人すべてにとって気になるテーマです。
ビジネスにおける「スタンス」の意味② やる気
「物事に取り組む姿勢」または「立場」という意味で使われることが多い「スタンス」ですが、その他の意味として「やる気」や「意欲」といったメンタル面での意味合いが含まれることもあります。
例文:
「企画会議で彼は積極的なスタンスをとった」
「彼の取ったスタンスは、必ず仕事を取ろうとする姿勢だった」
ビジネスにおける「スタンス」の意味③ 立場
またビジネスシーンでは、「スタンス」は「立場」という意味でもよく使われます。仕事に対する立場をはっきりさせることで、どのように取り組めばいいのかをはっきりさせたい時などに使われます。
例文:
「どのようなスタンスで企画書を書けばいいですか」
「部長のスタンスからの意見と部下のスタンスからの意見には食い違いがある」
「中立的スタンスでこの案件を考察してみよう」
「スタンス」の類語
続いて、「スタンス」の類語をご紹介します。
「スタンドポイント」
ビジネスで「観点」という意味で「スタンス」が使われることがありますが、その類語として「スタンドポイント」があります。「スタンドポイント」はほかにも「立ち場」や「立脚地」という意味もあります。
「ポイントオブビュー」
「視点」「観点」という意味の英語「point of view」をそのままカタカナ語として使うこともあります。
「見解」や「サイド」
議論の場では、それぞれの対場を言い表すときに「見解」、カタカナ語なら「サイド」という言葉もよく使われます。
「スタンス」の英語表現
英語で「stance」と書き表します
「スタンス」は英語で「stance」と書き表します。日本語の「スタンス」と意味はほぼ変わりなく、「立場」や「姿勢」「立ち方」です。例文は次の通りです。
- “He takes a neutral stance on the new project.”
「彼は中立的なスタンスで新プロジェクトに臨む」 - “Our company has changed its stance on the publishing world.”
「わが社は出版業界へのスタンスを変えた」 - “She altered her stance, resting on all her weight on one leg.”
「彼女は態勢を変えて、片足に体重を乗せた」
(豆知識)「スタンス」という車の改造方法もある
「スタンス」の特別な使われ方として、車の改造方法のひとつである「スタンス」があります。
車の改造方法には、車の車体の位置を下げる「スラムド」や「シャコタン」のほかに、タイヤの向きをかえる「スタンス」という方法があります。
「スタンス」は車のタイヤすべてにネガティブキャンバーを施して、車の正面から見たときにタイヤの向きをまっすぐでなく、V字やハの字に変えることです。このような改造を施すことで、ドリフト走行がしやすくなります。
まとめ
「スタンス」には主に「立場」「立ち方」そしてロッククライミングで使う「足場」の意味があります。ビジネスでは、この3つのうち物事に取り組む姿勢を意味する「立場」がよく使われます。自分の立場の言い換えとして「自分のスタンス」のように使うことができます。