リフレクションとは?ビジネスでの意味と振り返りで採用すべき理由

人事関係の仕事をしている人は、社員教育や業務改善などにおいて「リフレクション」を実践するところもあるでしょう。しかし、言葉の解釈を間違えてしまうと、社員を伸ばすための手段として有効的に働くかなくなる可能性もあります。

ここでは「リフレクション」の意味と使い方をはじめ、企業におけるリフレクションのメリット、リフレクションで活用できるフレームワークを紹介しています。社員教育の底上げにお役立て下さい。

「リフレクション」とは?

「リフレクション」は人事用語で「振り返り」の意味

「リフレクション」の意味は、「振り返り」です。「人事用語」として欠かせない言葉で、主に「従業員育成」や「人材教育」に採用されることも多いでしょう。

「リフレクション」は業務改善を図るための必要な取り組みとして採用され、原則的には「従業員が業務上で行ったプロセスや結果について振り返りをする」という意味合いとなります。

「リフレクション」の語源は英語の「reflection」

「リフレクション」の語源は、英語の「reflection」です。音や熱などの「反射」「反映」、また「内省」「熟考」「省察」などを指す言葉です。加えて、能力や出来事が現れる「兆候」「しるし」、数学用語では「鏡映」の意味もあります。

「リフレクション」は職場でなぜ必要なのか?

なぜ「リフレクション」は必要なのでしょうか?職場で採用すべき理由やメリットを挙げてみましょう。

「リフレクション」を採用すべき理由は「全体の業務効率化」

「リフレクション」を職場で採用すべきである理由は、結果的に「企業全体の業務の効率化」が期待できるからでしょう。「リフレクション」はチーム単位、または個人単位で行うことになりますが、基本的には外から攻撃されない「自己評価」や「自己再確認」のスタンスがほとんどです。

また「リフレクション」によって従業員ひとりひとりが自己を客観的に見つめ、振り返ることで「行動後の自己評価と内省が最も重要である」という意識も芽生えてくるでしょう。「リフレクション」を企業で実践し続ければ、結果的に「企業全体の業務効率化」につながることが期待されます。

「リフレクション」を採用するメリット

「リフレクション」のメリットは、まず「自己評価をする」ことにあります。自分の行動や成績を第三者に評価されることがないため、不要なストレスや外圧を受けずに済み、さらには「自分で改善していこう」という自発的な意識が強まることが期待されます。

また「リフレクション」を「企業習慣」として定着させることができれば、ポジティブ思考やレジリエンス力も並行して伸びてくるでしょう。

「リフレクション」は人事側の理解が大切

「リフレクション」を人材育成に取り込んでいくには、人事側が「リフレクション」の意図と目的を正しく理解しておく必要があります。

「リフレクション(内省)」は間違った点や悪い箇所を改める意味のある「反省」とは異なります。「リフレクション」の目的は自責の念を捨て、主観抜きで、感情に押されることなく「自分を振り返る」ことです。

「リフレクション」のトレーニングをする時は、3つのステップ「事実を振り返る」「周囲と状況を振り返る」「自分の言動を振り返る」を順番に実践しましょう。そうすれば、混乱することなく、「リフレクション」のプロセスを踏むことができます。

「リフレクション」で活用できるフレームワークとは?

職場の「リフレクション」で使えるフレームワークを2つ紹介しましょう。

「KDA」でリフレクションを習慣化

「KDA」は「Keep(今後も継続すること)」「Discard(今後は切り捨てること」「Add(今後新しく始めるべきこと)」の頭文字をとったフレームワークです。

使い方はとてもシンプルで、振り返るべき行動や事実を項目別に挙げ、KDAの順序で振り返ります。仕事の合間を縫って「振り返り」をすることができ、必要なものは記憶力と筆記用具だけです。実際、急成長している企業で積極的に採用されています。

「リフレクション・ミーティング」で状況をシェア

「KDA」は個人を対象としたリフレクションのフレームワークですが、リーダー格が集合し、各部署やグループの振り返りを行う「リフレクション・ミーティング」も企業全体の「リフレクション」として効果的です。

リフレクション・ミーティングの目的は、各部署やグループ内で抱える「内省」の声を聴き、実態を把握することにあります。同じ企業で働くもの同士、現在の状況や問題点をシェアすることで共感的な意識が高まり、新たな発見を見出すこともできるでしょう。

「リフレクション」の使い方と例文とは?

「リフレクション」は人材育成の立場から使うことが多い

「リフレクション」は人材育成や社員教育の立場から使うことがほとんどですが、意図としては「振り返り」であり、弱点を並べ、叱咤することが目的ではありません。使い方での注意は、あくまで「行動や考え、ミスや結果を客観的にみる」という意図をもって使うという点です。例文も挙げてみましょう。

ビジネスシーンにおける「リフレクション」の例文

ビジネスシーンにおける「リフレクション」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 部長に今週の営業活動について、行動の全てをリフレクションするように言われた。
  • リフレクションをすることで、社員の学習能力も伸びると言われている。
  • 成績が悪くて落ち込むより、リフレクションを実践してモチベーションを高めていこう。
  • リフレクションは自分で自己評価するため、感情抜きで、客観的に行動を見つめなおすことができる。
  • 業務におけるリフレクション・レポートを上司に提出した。

「リフレクション」は写真・カメラ用語としても使われる

「リフレクション」は写真やカメラの分野でも頻繁に登場する言葉です。写真やカメラを使う時に受ける光や日差しの反射を指しています。

まとめ

「リフレクション」の意味は光や熱の「反射」「反響」、また「内省」「熟考」を示す言葉ですが、人材育成のフィールドでは「振り返り」を意味し、「行動や事実の自己評価や再認識」というニュアンスで使われています。

「リフレクション」ができる社員で構成された企業は「業務の効率化」や「成果の向上」に成功し、結果的に「企業の生産性向上」に結びついています。ぜひ、簡単なフレームワークを使って職場に「リフレクション文化」を広げましょう。