「メンター制度」の目的と特徴とは?メリットとデメリットも解説

企業が抱える問題として「新入社員離れ」は外すことはできません。難関を突破して入社をしてもすぐにやめてしまう原因に「社内でのつながりの欠如」が挙げられますが、この問題を解消できる対策として「メンター制度」があります。

ここでは「メンター制度」について解説しながら、メリットとデメリット、目的と得られる効果などについてまとめています。現在あなたにとって、社内で相談できる良き先輩社員はいますか?

メンター制度とは?

最初に「メンター制度」について概要を説明します。

「メンター制度」は「後輩への友好的サポート」

「メンター制度」は「企業で働く従業員が所属する上司以外に、先輩の社員や世代の近い社員からアドバイスや助言を受ける」というサポート体制のスタイルです。

「メンター」とは英語の「mentor」で、意味は「信頼できる相談者」や「良き助言者」となりますが、指導者として後輩や新入社員を正しい方向へ導く立場の人だけではなく、「人生において師と仰ぐ存在」を意味する言葉でもあります。

「メンター」と「メンティー」の関係について

「メンター制度」における2つの役割を理解しておきましょう。それぞれ「指導者」を「メンター」、「指導を受ける者」を「メンティー」と呼びます。たとえば、職場なら「先輩社員」がメンターで、「後輩社員」「新入社員」などがメンティーです。

「メンター制度」は厚生労働省が発行するマニュアルを参考に

「メンター制度」の採用では自社で独自にマニュアルを作成するケースもありますが、最初は「厚生労働省」が発行しているロールモデル・マニュアルを参考にしながら、独自で知見を付け加えることで状況に適したマニュアル作りも可能です。

「メンター制度」を採用する目的と期待できる効果は?

「メンター制度」を取り入れる企業は年々増えてきていますが、「メンター制度」を採用する目的と「メンター制度」で期待できる効果とは一体何でしょうか?実際の事例と併せて解説します。

「メンター制度」の目的は「親近感と気軽に話せる環境作り」

多くの企業で新入社員や若手社員の離職率が増えています。夢とやる気を抱いて入社を果たすものの、入社後に業務内容や仕事での悩みを打ち明ける先輩社員がいなかったり、気軽にアドバイスをもらえる状況がないことが主な原因です。

実際のところ、「先輩社員に相談しにくい」「仕事を教えてもらえない」という精神的な重荷を抱える「新入社員」や「若手社員」が増える一方で、先輩社員は年功序列の風潮が消えつつあることで「後輩に抜かれまい」と敵対心を抱いてしまうことがあるのが現状です。下手に仕事を教えてしまうと、自分のポジションが危うくなる可能性が高まるからでしょう。

総じて、このような背景で孤立してしまう新入社員や若手社員をサポートするために、親近感ある先輩を相談者として設け、気軽に話ができる環境を作ることが「メンター制度」の最大の目的となります。

「メンター制度」で期待できる効果は「社内活性化」

「メンター制度」を採用して最も期待できる効果は「離職率を減少させる」「社内環境の活性化」「社員満足度の向上」などが挙げられます。複雑な人間関係で受けるストレスは見えない間に膨らみ、知らないうちに「やる気や集中力」が落ちる原因にもなりがちです。

そして、企業を支える「人」が最大限に生かせなければ、結果的に企業の生産性にも響いてきます。「メンター制度」を採用すれば、社内でのつながりを健康的に維持しながら、悩みや意見を気軽にアウトプットできるようになるでしょう。

「メンター制度」状況別にみる事例

「メンター制度」の対象は主に「新入社員」や「若手社員」となりますが、「女性社員」「中堅社員」「役員」向けのメンターも存在します。それぞれの立場や役割によって「メンター制度」の使い方が異なるため、目的に合ったシナリオを作成することが大切です。

「新入社員」なら「上司との関わり方や人間関係」、「若手・中堅社員」なら「キャリア構築の効果的な方法」、また「女性社員」なら「子育てとの両立やスキルの向上」、そして「役員」なら「若手社員との関わり方やワークバランスの保ち方」などを中心に指導する事例が挙げられます。

「メンター制度」のメリットとデメリットは?

「メンター制度」を採用するにあたり、メリットとデメリットについて理解しておきましょう。

「メンター制度」のメリットは「良好な人間関係の構築」

「メンター制度」で得られるメリットは、風通しの良い人間関係を築くことで、「話を聴いてくれる誰かがいる」という安心感が得られることです。いくら仕事に前向きでやる気があっても、わからないことや不安な点が解消できなければ、業務の遂行が滞ってしまいます。優秀な新入社員や若手社員であればあるこそ、「なぜ?」という疑問符は消えないでしょう。

「メンター制度」では信頼できる先輩社員が「厚生労働省」の作成したマニュアルや、独自にまとめた取り組み内容で後輩社員を指導していきます。先輩社員は後輩社員に頼られる存在として、さらに大きな成長を遂げることができ、指導者としての基礎能力も同時に培うことも可能でしょう。このような環境でお互いに良好な人間関係が構築できることは「メンター制度」の大きなメリットだと言えます。

「メンター制度」のデメリット「メンターへの業務負担」

一方、「メンター制度」を採用する場合「デメリット」があることも理解しておきましょう。「メンター制度」でのデメリットは「メンターへの業務負担」が膨らんでしまうことです。

メンティーにとっては頼もしい存在でも、指導する立場であるメンターからすれば、通常業務に「後輩指導」という責任ある課題が乗せられてきます。つまり、精神的・業務的な負担がメンターに課せられてしまうというわけです。

「メンター制度」を採用する際はメンターとなる人材が「適任であるか」「現行の業務に歪が生まれる可能性はないか」「後輩を指導する心構えができているか」「メンティーと性格がマッチするか」という点において、人事側で事前に確認し、話し合いをする必要があります。

まとめ

「メンター制度」は新入社員の離職率を減少させ、社内環境の活性化が期待できる新し取り組みです。社会人になってからも「人のつながり」はとても重要な部分を占めますが、逆にそれを良好的なものにすれば、仕事へのモチベーションや企業への愛着も深まってくるでしょう。

「メンター制度」は企業としてのメリットは大きいですが、考慮すべきデメリットも出てきます。メンターへの業務負担や責任過重について十分に話し合いを行い、マニュアルや企業の指針に沿って実践するようにしましょう。