ゴルフをプレイする人は「アプローチ」というカタカナ語に馴染みが深いことでしょう。しかし、ビジネス分野でも「アプローチ」という言葉はいくつかの意味を持って使われています。
ここでは「アプローチ」について、ビジネスにおける意味と使い方を中心に解説しています。前向きな気持ちで溢れるビジネスパーソンは、ぜひ課題や問題に積極的に「アプローチ」してみて下さい。早速、意味から解説していきましょう。
「アプローチの」の意味は?
最初に「アプローチ」の意味からを紹介します。
「アプローチ」の意味は「近づく」「接近する」など
「アプローチ」の意味は、「近づく」「近くなる」「接近する」「迫る」です。加えて、ゴルフ分野では「アプローチショットを打つ」という意味があり、広く日常的に使われるカタカナ語の一つです。
「アプローチ」はビジネスで「交渉を始める」などの意味を持つ
「アプローチ」はビジネスシーンで「交渉を始める」「話を持ちかける」「提案する」「申し入れをする」などような意味で使われます。たとえば「値引きの交渉を始める」「取引先に契約の話を持ちかける」「新規事業を提案する」「取引の申し入れをする」というような状況で「アプローチ」を使うのが適切です。
また「アプローチ」には、ものごとに対して「着手する」「臨む」「取り掛かる」「準備を始める」などの意味もあるため、「自分に課された業務や課題などに対しアプローチする」というニュアンスでも使うことができます。
「アプローチ」の類語と反対語は?
それでは「アプローチ」の類語と反対語について見てみましょう。
「アプローチ」の類語は「仕掛ける」「乗り出す」
「アプローチ」の類語は、日本語の意味「近づく」「近寄る」「迫る」「交渉を始める」「取り掛かる」「着手する」などの他に、戦略的な意図を含む行動を示す言葉「仕掛ける」「乗り出す」などがあります。これらは、純粋に距離的に近づくというよりは「計画性をもって相手に挑んでいく」というようなニュアンスの言葉です。状況によって言い換えをしてみても良いでしょう。
「アプローチ」の反対語は「ディパート」
英語の「アプローチ(approach)」で反対語にあたるのは「ディパート(depart)=去る)です。ディパートにはもともと「外れる」「軌道からそれる」、また「出発する」「旅立つ」という意味があり「アプローチ」が持つ意味「近づく」とは反対の行動を示す言葉となります。
「アプローチ」の使い方とビジネス例文
それでは「アプローチ」の使い方とビジネスにおける例文を熟語表現と併せて挙げてみましょう。
「アプローチ」は日常的にもビジネスシーンでも使われる
「アプローチ」は日常的にもビジネスでも多くのシーンで使われる言葉です。基本的には日本語の「近づく」に値する文脈で使われることを意識しておくと良いですが、ビジネスでは問題解決に取り掛かる時、クレーム対処に取り組み時などに「アプローチ」を使うと、周囲に「前向きな気持ち」をアピールすることもできるでしょう。
「アプローチする」を使った例文
「アプローチする」は「アプローチ」で最も使用頻度の高い熟語表現です。
- 担当者にアプローチして、納期を先延ばししてもらおう。
- 上手にアプローチすれば、契約を成立させることができるかもしれない。
- 共同開発におけるプロジェクトについて、N社の部長に直接アプローチすることにした。
「アプローチをかける」を使った例文
「アプローチをかける」は、主に「交渉を始める」「話をしてみる」「申し入れをする」という意味合いで使われます。結果はどうなるかわからないが何らかの「アクションをかける」「動きを見せる」といったニュアンスで使われることが多いです。
- 「流通経路の変更について、クライアントにアプローチをかけてみるか…」
- 工場の移転案について、本社に本格的にアプローチをかけた。
- アプローチをかけて、相手の動きをみてみよう。
「アプローチを試みる」を使った例文
「アプローチを試みる」は、状況的に変わる(または好転する)可能性は低いかもしれないが、少なくとも行動に移ろうとうするシチュエーションで使われる表現です。
- A社への値引き交渉で必死のアプローチを試みたが、やはりダメであった。
- アプローチを試みるも、見事に最初の申し出で断られてしまった。
- 海外との取引は初めてだが、アプローチを試みる価値はある。
まとめ
「アプローチ」は英語の「approach」のことで、「近づく」「迫る」「着手する」「取り組む」「交渉を始める」「話を持ちかける」などの意味がある言葉です。ビジネスシーンでは、新規事業の話を持ちかけたり、値段の交渉を始める時などに使われ、やや戦略的な要素を持って使われることが多いでしょう。
また、ビジネスにおける「アプローチ」は堂々と体当たりするというよりは「計画を立てて、少しずつゆっくり迫る」というニュアンスが強いです。値引き交渉のシーンや繊細な契約における場面では、相手の動きや考えを読み取った十分な「戦略」も必要となるでしょう。「アプローチ=サクセス」となるように、万全な準備で臨んでいきたいものです。