「コホート分析」とは?アナリティクスやエクセルでのやり方も解説

マーケティング業界では欠かせない手法のひとつ「コホート分析」。その言葉を聞いたことがあっても、どんな内容かご存知でしょうか。

今回は「コホート分析」の意味や、マーケティング業界でのコホート分析の基本から事例。そしてエクセルやGoogleアナリティクスを使ったやり方も解説します。

「コホート分析」とは?

「コホート分析」とは”ユーザーをグループ化して行動を分析”

「コホート分析」とは、”ある条件下でユーザーをグループごとに分けて、ユーザーの行動やそのサイトでの定着率を分析すること”です。

ユーザーの定着率とは、ユーザーのサイトの再訪から続けて商品を購入してくれるなどユーザーのさまざまな行動を基準に、どれほどの数でそのサイトを訪れてくれたかを数値化したものです。

コホート分析では、その定着率をユーザーの行動ごとに可視化した表です。

コホート分析ではユーザー維持率がわかる

コホート分析によるユーザー維持率が分かると、その結果をマーケティングに生かすことができます。

たとえば、春と秋に同じキャンペーンをしたときに、それぞれのユーザーを春と秋のグループに分けて、一年などの長期的な単位でその後のユーザーの動き、サイトへの再訪回数などからユーザー維持率を分析することで、春のグループはキャンペーン後の購買力が高めだが秋のグループはそうでないなどの結果が導き出されます。

そうなれば秋グループのユーザーに告知を出すようにするなど、コホート分析の結果を次のマーケティング展開に生かせます。

コホート分析は心理学の分析方法のひとつでもある

マーケティング用語として認知度の高い「コホート分析」ですが、もとは心理学での分析方法のひとつです。

ある特定のグループの行動変化を「年齢」「時代」「世代」の3つの要因に分けて分析する分析します。対象となる集団を時間をかけて調査することになるので、当然その集団は加齢します。

コホート分析は、その集団の将来的な行動パターンを予想するために行われ、縦断的研究法または通時法とも呼ばれています。

Googleアナリティクスでのコホート分析のやり方とは?

Googleアナリティクスで「コホート分析」が簡単にできる

「コホート分析」はマーケティング業界では以前から活用されていた手法ですが、Googleアナリティクスで2013年9月からコホート分析ができる機能がついてから、「コホート分析」がより身近な手法となりました。

Googleアナリティクスのコホート分析のやり方

「ユーザー」から「コホート分析」をクリックして、「コホートの種類」「指標」「コホートのサイズ」そして「期間」の4つを設定します。

  • コホートの種類
    ユーザーを獲得した日付、つまりユーザーが初めてセッションを開始した日のことです。
  • 指標
    何を分析の対象にするのかを設定します。ユーザーあたりの収益やセッション継続時間などのユーザーごとの指標やセッションやユーザー数などの合計、またはユーザー維持率である定着率から選べます。
  • コホートのサイズ期間
    毎日コホート分析をしたいのであれば「日別」、週ごとの「週別」などコホートサイズを選択します。
  • 期間
    コホートサイズに応じて、どれだけの間、コホート分析をするのかを決めます。「日別」なら過去30日間、週別なら過去12週間、月別なら過去3ヶ月から選べます。

エクセルでのコホート分析のやり方とは?

エクセルのコホート分析は「ピボットテーブル」を使う

さまざまな集計機能のあるエクセルのなかでも、ピボットテーブルを使ってコホート分析をすることができます。ピボットテーブルを使い、ユーザーのデータを月ごとなどに区分けしてある一定期間の使用状況などをインプットして、コホート分析を行います。

たとえば「あるウェブサイトの一年分のユーザーの定着率」のコホート分析をするならば、各ユーザーごとのセッションの開始日のエクセルテーブルを準備して、ピボットテーブルを組みます。月ごとで一年間のセグメントを設定して、データを入力していきます。

これで月別で一年分のユーザーの定着率をコホート図により表現できて、横軸では月ごとの平均定着率がわかります。

コホート分析が特に生かせる2つのケースとは?

ECサイトなどのユーザーの訪問率とコンバージョンが直結しているサイト

ECサイトなどのショッピングサイトは、ユーザーの維持率が高いことはそのサイトで提供する商品にユーザーが満足している可能性が高いと考えられます。そのユーザーからSNS等で情報が拡散して、新規顧客の開拓が望めます。

SNSやメディアサイトなどのユニークユーザー数が重要なサイト

SNSやメディア系のサイトでは、定着していたはずのユーザーが離脱していくことが分かることで、どのタイミングでサービス改善をすべきかどうかの判断がつきやすくなります。ユーザーの維持がメディアの存続と直結しているので、コホート分析はサイト運営には欠かせない手法と言えます。

コホート分析を使ったマーケティングの事例とは?

ECサイトやブログサイトでコホート分析を生かした戦略

実際にコホート分析を使ったマーケティング手法とはどのようなものがあるかご紹介します。

たとえばECサイトでコホート分析の結果から、ユーザーの購入サイクルがわかったとします。そうなれば再度購入しそうな頃にユーザーに働きかけるようなリマインドをすることができます。

ブログサイトでコホート分析の結果からユーザー数が5日ごとに減るというパターンが分かったとします。だとしたら、ユーザーが減少するタイミングを見計らって新しい記事を投稿したり、当校回数を増やすなどの対策が立てられます。

このようにコホート分析を生かした戦略で、ユーザーの維持または新規獲得を目指すことができます。

まとめ

「コホート分析」は心理学における一集団の行動パターンを分析する分析方法のひとつです。同時に、マーケティング業界ではユーザーの行動パターンをコホート分析結果から把握して、次のマーケティング展開の対策に生かされています。「コホート分析」はマーケティングには欠かせない手法のひとつと言えるでしょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。