相手に何かをしてあげた時に、御礼の言葉の返事として一般的に使わるのが「どういたしまして」です。しかし、ビジネスシーンでは敬語表現を使用したり、状況によって使い方や言い換えが必要な場合があります。
ここでは日常的にも使われる「どういたしまして」について、使い方と例文、また類語表現た外国語表現などを紹介しています。ビジネスシーンでの使い方をあらためて確認していきましょう。
「どういたしまして」の意味と漢字表記は?
最初に「どういたしまして」の意味と使い方を漢字表記と併せて紹介します。
意味は「それほどでもありません」「詫びもらうに及びません」
「どういたしまして」の意味は、「それほどでもありません」です。通常、お礼や「ありがとう」という感謝の言葉をもらった時に、返答表現として使われます。
場合によっては「お詫び」のシーンでも「どういたしまして」という表現を用いることがありますが、これには「詫びもらうに及びません」という、相手への気遣いの意を表す言葉として使用されます。つまり、相手の詫びる気持ちを「丁寧に打ち消す」という意味合いを示しています。
たとえば「今回はご迷惑をおかけしました」と言う相手に対し、「いえいえ、どういたしまして」というな表現を使う場合があるということです。
漢字表記は「どう致しまして」「如何いたしまして」
「どういたしまして」は、通常ひらがなで表記しますが、漢字表記も「どう致しまして」「如何いたしまして」と2つ存在します。親しい間柄や家族、同僚などには「どういたしまして」、または時として「どう致しまして」を使うことがありますが、現代の社会で「如何いたしまして」を使うことは少ないでしょう。
「どういたしまして」と言い換えができる表現は?
続いて「どういたしまして」に代わる意味の近い別の表現を紹介します。日常的に使う場合と、ビジネスシーンで使う場合など、状況に応じで使い分けをしていきましょう。
日常的なシーンで使えるフレーズ
日常的に使えるフレーズを挙げてみます。身近な人に対して、また状況的にフランクな場合「大丈夫ですよ」という気遣いの言葉を以下の表現に言い換えることができます。
- いえいえ
- いえいえこちらこそ
- とんでもないです
- とんでもありません
- 気にしないで下さい
ビジネスシーンでは「敬語表現」は必須
ビジネスシーンではどうでしょうか?
- どうぞお気になさらないで下さい。
- こちらこそ、お役に立てたことを光栄に思います。
- どうぞご遠慮なさらず、いつでも何なりとお申し付け下さいませ。
- こちらこそ恐れ入ります。
ビジネスシーンでは敬語や謙譲表現を用いるようにしてください。さらに、目上の人に対して「どういたしまして」を使うのは不適切となるため注意が必要です。
世界の「どういたしまして」を学ぼう
最後に、英語をはじめ中国語、韓国語、スペイン語、フランス語、ハワイ語(ハワイで使われる言葉)における「どういたしまして」を紹介します。取引先の相手の出身地などや居住地によって使い分けをしてみましょう。
英語は「You’re welcome」ハワイ語は「He mea iki(へメアイキ)」
英語で「どういたしまして」で最も知られているのは「You’re welcome」です。しかしながら、この他にも「どういたしまして」を意味する表現は複数存在します。以下に挙げてみます。
- Don’t mention it
- No problem
- Anytime
- You’re most welcome
また、ハワイにはローカルに伝わる挨拶言葉が存在します。「どういたしまして」は「He mea iki(へメアイキ)」で、「とんでもありません。ささいなことです」という意味があります。
中国語は「不客气(ブークァチー)」
中国語で最も一般的に使われる「どういたしまして」は「「不客气(ブークァチー)」です。電車やバスで席を譲った時や、落とし物を届けてくれた時、道を教えてもらった時など、どのような場面でも使える便利なフレーズです。
韓国語は「천만에요(チョンマネヨ)」
韓国語では「「천만에요(チョンマネヨ)」です。その他に「どういたしまして」に代わる表現として「いえいえ=아니에요.(アニエヨ)」、「大丈夫ですよ=괜찮아.(ケンチャナ)」などがあります。「アンニョンハセヨ」の返答の言葉として使いましょう。
スペイン語は「De nada(デナーダ)
スペイン語では「De nada(デナーダ)」です。「Gracias(ありがとう)」と組み合わせて覚えましょう。
フランス語は「De rien(ドリアン)」
フランス語で「Merci(ありがとう)」と言われたら、「De rien(ドリアン)」で「どういたしまして」を表現します。Rの発音にだけ注意して発声しましょう。
まとめ
「どういたしまして」は目上の人に使わないようにすることが鉄則です。ビジネスシーンでも適切であるとは言い難く、よほど親しく付き合いをしている相手以外には使わないほうが無難と言えます。言い換えの表現として「お役に立てて光栄です」「恐れ入ります」などの表現を用いるようにしましょう。
世界の言語についても「ありがとう」に対する「どういたしまして」をセットで覚えておくと、スムーズな会話が出来上がると思います。社会人としてとして正しい言葉の使い方を習得し、一歩先を行くビジネスパーソンを目指しましょう。