「名刺交換」の仕方やマナー、複数人の時の順番やタイミングなど、慣れないうちはわからないことだらけです。ここでは名刺交換について、押さえておくべき基本のポイントを絞ってお伝えします。英語の場合や、名刺交換後のお礼メールの仕方も紹介しています。
「名刺交換」のマナーとは?
名刺交換のマナーは相手の目を見ながら笑顔で
名刺交換を行う際には、手もとばかりを気にせず、相手の目を見ながら背筋を伸ばし、笑顔で行うことが大切です。名刺交換をするときは初対面の場であるため、まずは良い第一印象を持っていただけることを心がけます。
名刺交換のタイミングは「訪問した側から」&「上司から」行う
名刺交換のタイミングは、1.訪問した側から、2.役職の順に、というのが基本です。例えば上司と二人で営業先に訪問した場合は、上司が相手に名刺をまず指し出し、相手との交換が終わったら、次に部下の自分が指し出す、という順番です。
上司と一緒の時は上司の仕方にならってあとに続けばよいわけですが、一人で訪問したときは、「ご挨拶させていただいてよろしいでしょうか」などという言葉とともに自分の方から相手に歩み寄ります。
「名刺交換」の仕方とは?
名刺交換の仕方を手順にしたがって説明します。
名刺を取り出して準備する
名刺入れはすぐに出せるよう、予め準備しておきます。名刺交換が始まったら名刺入れを胸の高さ位の位置に両手で持ちます。取り出した名刺を相手側に向けて名刺入れの上に乗せて準備します。
自己紹介しながら名刺を出す
「〇〇社△△部の~~と申します」と社名とフルネームを名乗りながら名刺を差し出します。自分が訪問した側であれば自分から、あるいは自分が相手より目下であれば自分から初めに差し出します。
相手の名刺を頂戴する時は「頂戴いたします」と言って受け取ります。
近年はお互いが名刺入れの上に名刺を載せて同時交換するスタイルが多いようです。同時交換の場合は左手に名刺入れを持ち、右手で名刺を相手の名刺入れの上に乗せる形で、お互いに交換しながら挨拶します。
相手の名刺を受け取ったら両手で持ち、「〇〇様ですね。よろしくお願いいたします」と名前を確認します。この時、名前の読み方がわからない場合は「失礼ですがお名前は何とお読みすればよろしいでしょうか」としっかり確認します。
交換後の名刺はテーブルに置く
名刺交換が終わって着席したら、相手の名刺はテーブルの上に置きます。複数人の時は、自分から見て相手の座っている順番に合うように名刺を並べ、名前を確認しながら話します。
この時、名刺入れの上に相手の名刺を置くのが一般的です。複数人の時は、一番役職の高い人の名刺を名刺入れの上に置き、他の名刺はテーブルの上に置きます。
面談が終了したら、頂いた名刺を名刺入れにしまって席を立ちます。
「名刺交換」の注意点とは?
名刺は名刺入れから出す
名刺はポケットからそのまま出したりせずに、名刺入れから出すのが基本です。名刺入れの上に乗せて交換することもあるため、見た目にも清潔で余計な飾りなどのないものを選びましょう。
テーブル越しに交換しない
名刺交換は基本的に立ちながら相手と向かい合って行いますが、その時テーブル越しに行うのは失礼とされています。状況によりテーブル越しとなってしまう場合は「こちらから失礼いたします」などと断って行います。
相手の名刺より低い位置で出す
自分が先に名刺を渡すべき時に、相手から先に差し出された場合、相手の名刺より自分の名刺を低い位置になるようにして渡すようにします。この場合も相手が自分の名刺を受け取ってから相手の名刺を受け取るのが基本です。先に名刺交換の仕方で説明した同時交換の時は、特に気にしなくて構いません。
相手の名刺は大切に扱う
相手の名刺はその人の分身であるくらいの気持ちで丁寧に扱います。頂いた名刺を名刺入れにしまわずにノートに挟むようなことや、その場で名刺にメモを書き入れるようなことはしないようにします。名刺に日付やメモを書く場合は、帰社してから行います。
「英語での名刺交換」の仕方とは?
英語圏やヨーロッパでは名刺交換の習慣はない
名刺交換の仕方やマナーは日本独自の習慣です。日本の場合、ビジネスの初対面の挨拶の中に名刺交換が含まれていますが、一般的な英語圏やヨーロッパにおけるビジネスの挨拶は、プライベートと変わらない挨拶を行います。
英語圏やヨーロッパにおける初対面の挨拶は、相手の目を見ながら笑顔で握手しながら挨拶の言葉を交わします。ビジネスの場合は、商談の話しが進み、アドレスを確認する必要が出た場面などで、情報の書かれたカードを交換するということになります。
日本の習慣を知っている外国人が増え、相手がこちらに合わせてくれる場合もありますが、特に相手が日本に詳しくなさそうな場合は日本の習慣は通じないと思って接しましょう。
名刺(ビジネスカード)をもらいたい場合は、名刺をいただけますか、と相手に言います。英語圏やヨーロッパでは「名刺を交換する」という習慣はないため、交換していただけますか、と聞くのは不自然ですので、名刺が欲しいということを次のような言い方で伝えるのが自然です。
- 「Could (Can) I have your business card?」
- 「May I have your business card?」
- 「Do you have your business card?」
名刺交換後の「お礼メール」の仕方とは?
お礼メールは当日あるいが遅くとも翌日中に
初めての訪問先にはお礼メールを送ると、相手に信頼感を持っていただけます。お礼メールは、当日あるいは遅くとも翌日中に送信します。長く書く必要はなく、簡潔な文面で送ります。
名刺交換後のお礼メール文例
次のような形式で、訪問のお礼と今後の抱負を述べ、持ち帰りの案件がある場合はその確認事項を書いたり、次回の訪問日が決まっている場合はその日時確認を書いたりします。
件名:ご面談のお礼
〇〇株式会社△△様
本日ご訪問し、~~のご提案をさせていただきました、〇〇社の△△でございます。
ご多忙の中、貴重なお時間を頂き、誠にありがとうございました。
△△様のご期待に添えますよう、精一杯尽力させていただく所存です。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。(メール署名)
まとめ
経験を積めば自然な動作で名刺交換ができるようになりますが、慣れるまでは不自然になったり、手順を間違えてしまったりするのも仕方ありません。失敗した時に不安そうな様子をみせてしまうと、ビジネスの相手として不信感を与えてしまいます。失敗した時こそ相手の目を見て「不慣れなもので、大変失礼いたしました」としっかりとした口調で謝罪することが大切です。
名刺交換の場は、相手に良い印象を持っていただき、取引先としての信頼関係を築くための場でもありますので、まずは相手の目を見ながら笑顔で行うことが一番大切だということを忘れないようにしましょう。