「お悔やみの言葉」書き方や伝え方のマナーと文例!英語表現も

不幸があった人にお悔やみの言葉をかける時や、メールや手紙でお悔やみの言葉を伝える時、どのような表現が適切なのか、マナーに反していないか、など気になることがいろいろとあります。ここではビジネスでも使えるお悔やみの言葉の伝え方・書き方と、慣用句や文例(例文)を紹介します。英語のお悔やみ表現も紹介しています。

「お悔やみの言葉」を伝える時のマナー

お悔やみの言葉は「短く簡潔に」

お悔やみの言葉を伝える際には、哀悼の意を伝える言葉を、短く簡潔に伝えるのがマナーです。直接の場合と電話や手紙の場合、そしてメールで送る場合も同様です。

お悔やみの言葉の表現は「このたびは、心よりお悔やみ申し上げます。」が一般的な表現です。この言葉は会社の上司や友人や親戚など、どのような相手に対しても使うことができます。親しい友人であっても、お悔やみの言葉を伝える時は改まった言い方で伝えましょう。

「忌み言葉」を使わない

お悔やみの言葉を伝える時は、死や苦しみなど生死にかかわる言葉・不吉な言葉や、重ねる言葉・繰り返す言葉など、忌み言葉を使わないように気をつけます。

  • 重ね言葉・繰り返す言葉:再び、重ね重ね、ますます、追って
  • 生死にかかわる言葉:死、死去、急死
  • 不吉な言葉:苦しみ、浮かばれない、消える

亡くなった理由を聞かない

訃報を聞いた直後や、葬儀に参列した時などには亡くなった理由を聞いたり、詮索したりすることはマナー違反です。あくまでもお悔やみの気持ちと慰めの言葉を短く伝えることを心がけます。

高齢の方が亡くなった時に気をつける言葉

長生きされて高齢の方が亡くなった時は「大往生されてよかった」「天寿をまっとうされて満足」など、慰めの言葉として言ってしまいがちですが、遺族の方にかける言葉としては失礼にあたります。

「ご長寿でしたのにこのたびは残念です」「もっと長生きしていただきたかった」などの言葉が適切です。

お悔やみの言葉の返事は簡潔にお礼を述べる

お悔やみの言葉をいただいた遺族がお礼を述べる時は、感謝の気持ちと生前お世話になったお礼などを簡潔に伝えましょう。

例:「ありがとうございます。故人に代わりまして厚くお礼申し上げます」

「お悔やみの手紙」の書き方と文例

事情により葬儀や法要に出席できない時は、お悔やみ状として封書の手紙を出すのが一般的です。知らせを受けたら迅速に出すようにします。葬儀が終わった後に知った場合も同様です。

普段からメールで連絡を取り合っている人には、マナーをふまえた上で、メールでお悔やみの言葉を送っても差し支えありません。

お悔やみの手紙の書き方を構成に従って例文とともに紹介します。お悔やみの手紙は「主文」「末文」「後付け」の3構成で作成します。

メールで送る時は、主文で紹介している文例を参考にしてください。

「お悔やみの言葉」【主文】

「寒くなってまいりましたが…」などの時候の挨拶は省き、「心よりお悔やみ申し上げます」「訃報に接し、信じられない思いです」などのお悔やみの言葉や訃報を知った驚きの言葉から書き出します。

<文例>

  • ご逝去のお知らせを受け、心よりお悔やみ申し上げます。
  • ご逝去の報に接し、心からご冥福をお祈りいたします。
  • ご逝去を悼み、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
  • 〇〇様のご生前のご功績を偲び、心からご冥福をお祈り申し上げます。
  • 〇〇様のご逝去を悼み、謹んで哀悼の意を表します。
  • このたびは、心よりお悔やみ申し上げます。

「訃報を知った驚き・慰めの言葉」【主文】

続いて、故人との思い出や感謝の言葉、ご家族への慰めや健康を気遣う言葉、などを、相手との関係性を考慮して適切な文面を添えます。

<文例>

  • お悲しみいかばかりかと、胸が痛みます。
  • お気持ちを察し、お慰めの言葉もありません。
  • 一日も早く笑顔を取り戻されることをお祈りしております。
  • 突然のことで言葉もございません。
  • このたびは思いもかけないことで、お慰めの言葉もございませんが、どうかお力を落とされませんように。
  • ご心痛いかばかりかと拝察いたします。
  • 訃報のお知らせをいただき、信じられない思いで言葉もございません。
  • さぞかしお力落としのこととお察しいたします。

「弔問欠席のお詫びの言葉」【主文】

葬儀や法要に参列できない場合はお詫びの言葉を添えます。結婚式や新婚旅行などなどおめでたい事情で参列できない時は、「事情により」として理由を明確に書かないようにします。

<文例>

  • 本来ならばお悔やみを申し上げるために参上すべきところですが、遠方のため参列がかなわず、誠に申し訳ございません。
  • すぐに駆けつけてお悔やみ申し上げるべきところではございますが、やむを得ぬ事情により、参列に伺うことができず申しわけなく存じます。
  • あいにく出張のため、ご葬儀への参列がかなわず、略儀ながら書中にてお悔やみ申し上げます。

「香典を同封したお知らせ」【主文】

香典を同封する時は文末にその旨を書き添え、現金書留専用の封筒で送ります。花や供物を贈る場合もその旨を文末に書き添えます。

<文例>

  • 心ばかりのものを同封させて頂きますので、お供え頂ければ幸いです。
  • 心ばかりでございますが、ご香料を同封いたしましたので、ご霊前にお供え下さいませ。
  • ささやかながら、ご香料を同封いたしましたので、お供えいただきたく存じます。

「結びの言葉」【末文】

<文例>

  • まずはお手紙にて、心よりお悔やみ申し上げます。
  • まずはとり急ぎ、書中にてお悔やみ申し上げます。
  • 遠くの地より、〇〇様のご冥福をお祈り申し上げます。

【後付け】

「日付」「差出人」「宛名」の順に書きます。日付は、文頭から2字下げ、和暦で年月日を明記します。

お悔やみの手紙の参考文例

お悔やみの手紙の例文を紹介します。上司や目上の人にも使える例文です。基本的には形式に従い簡潔に書きますが、亡くなった方や遺族と親しい場合は相手の人柄をしのぶ言葉を添えるなどします。

メールで送る時や、メールで訃報の連絡が入った時の返信文例は、以下の記事で例文を紹介していますので参考にしてください。
「お悔やみメール」お悔やみの言葉や挨拶の文例!返信例文も紹介

目上の人や上司にも使える一般的な文例

<主文>
ご尊父様のご逝去の報に接し、心からご冥福をお祈りいたします。
お悲しみいかばかりかと、胸が痛みます。本来ならばお悔やみを申し上げるために参上すべきところですが、遠方のため参列がかなわず、誠に申し訳ございません。
どうかご心労のあまり体調を崩されませんように、ご自愛のほどをお祈りするばかりでございます。
<末文>
ささやかながらご香料を同封いたしましたので、ご霊前にお供えいただきたく存じます。
まずはとり急ぎお手紙にて、お悔やみ申し上げます。
<後付け>
〇月〇日
自分の名前
〇〇様

故人への敬称

お悔やみ状や弔電などで使われる敬称を紹介します。

  • 父:ご尊父様(ごそんぷさま)、御父上、お父様
  • 母:ご母堂様(ごぼどうさま)、御母上、お母様
  • 夫:ご主人様(ごしゅじんさま)ご夫君様(ごふくんさま)
  • 妻:ご令室様(ごれいしつさま)、奥様
  • 兄:ご令兄様(ごれいけいさま)、御兄様
  • 弟:ご令弟様(ごれいていさま)御弟様
  • 姉:ご令姉様(ごれいしさま)、御姉様
  • 妹:ご令妹様(ごれいまいさま)、御妹様
  • 息子:ご令息様(ごれいそくさま)、ご子息様
  • 娘:ご令嬢様(ごれいじょうさま)ご息女様、お嬢様
  • 祖母:ご祖母様(ごそぼさま)
  • 祖父:ご祖父様(ごそふさま)
  • 伯父:伯父様(おじさま)※父母の兄または義兄
  • 叔父:叔父様(おじさま)※父母の弟または義弟
  • 伯母:伯母様(おばさま)※父母の姉または義姉
  • 叔母:叔母様(おばさま)※父母の妹または義妹

「お悔やみの言葉」英語表現

お悔やみの言葉の英語表現を紹介します。

手紙などに用いる形式的な表現

「ご尊父様のご逝去の報に接し、心からお悔やみを申し上げます」に相当する英語の表現です。メールやカードのメッセージにも使えます。

・Please accept my sincere condolences on the death of your father.
・I wish to express my deepest condolences on the death of your father.
・I would like to offer my sincere condolences for the death of your father.

※「condolence」は「お悔やみ」という意味です。「お悔やみの手紙」は「letter of condolence」といいます。

※「You are in my thoughts and prayers.」(直訳:私の思いと祈りはあなたと共に)という抽象的な表現もよく使われます。日本語では「お見舞い申し上げます」に相当する表現です。

直接伝える時に用いる一般的な表現

「このたびは、心よりお悔やみ申し上げます」に相当する英語の表現です。

・Please accept my sincere condolences.
・My condolences to you and your family.

まとめ

お悔やみの言葉を伝える時は、相手の気持ちを思うと、何と伝えてよいのか言葉が出ないものです。そのような時は、形式的な表現でよいので、短く伝えるだけでも気持ちは伝わります。お悔やみの言葉は形式的であっても、相手を気遣う気持ちを凝縮した言葉であるといえます。