さまざまな場面で見かける「必須」という言葉。正しい意味をご存知でしょうか。「必要」など似ている言葉もありますが、違いをしっかりと理解している人は少ないかもしれません。今回は、なんとなくわかっているようで知らない「必須」の意味を紹介します。「必要」や「必至」「必需」との違いも参考にしてください。
「必須」の意味や読み方とは?
「必須」の意味は”なくてはならないこと”
「必須」の意味は、“なくてはならないこと・欠かすことのできない物事”です。「必」は、「かならずそうなること」を表す漢字で、「須」は、「必要とする」という意味の漢字ですので、「必要だ」ということを2つの文字で強調している言葉です。
「須」は、元々は「ひげ」を表す漢字で、ひげが男には必要なものであったことから、「必要とする」という意味を持つようになりました。
「必須」の読み方は”ひっす”
「必須」の読み方は、“ひっす”が一般的です。まれに「ひっしゅ」や「ひっすう」と読むこともあります。読み方が変わっても、意味は同じく「なくてはならないこと」です。
「必須」の使い方や例文とは?
「必須」の使い方は後ろに名詞をつけたり、助詞とつなげる
「必須」は後ろに名詞をつけて使うこともあれば、「必須の」や「必須である」などの助詞とつながることもあります。
「必須」を使った例文
「必須」を使った例文をご紹介しましょう。
- 名前と電話番号は必須入力です。
意味「名前と電話番号の入力は欠かすことができない」 - 英語は必須科目です。
意味「英語は絶対に取らなければならない科目です」 - 海外旅行にはパスポートが必須である
意味「海外旅行にはパスポートがなくてはならない」 - 今年の冬はファーが必須アイテムだ
意味「今年の冬はファーが(流行には)欠かせないアイテムである」
「必須」と似ている言葉との違いとは?
「必須」には、漢字や読み方が近かったり、意味が似ている単語がいくつかあります。ここでは「必要」と「必至」が「必須」とはどのような点で異なるのかを紹介します。
「必須」は”必要”より必要性が強い
「必要」は、「必須」と同じく「なくてはならないこと」を表す言葉です。使われている場面を比べると、「必須」は「単位をとるための必須科目」「この項目は必須入力です」など、絶対に欠かすことができないと、必要性を強調する場面で使われています。
これに対して「必要」は、「会議に必要な資料」「旅行に必要な持ち物」など、強調まではしていないけれどなくてはならないものを表すときに使われることが多いです。
「必至」は結果を予測、「必須」は条件
「必至」とは、「必ずそういう結果にいきつくこと」「避けられないこと」を指す言葉です。これに対して「必須」は、何かが「なくてはならない」という条件を表している点が異なります。
例えば、「あのレストランは予約必至です」という文は、「おそらく予約しないとレストランに入れないだろう」と予測し、「レストランに入るためには予約をすることは避けられない」ということを表しています。
これに対して「あのレストランは予約必須です」は、お店に入るために予約することが条件になっていることを表す文章です。
「必須」の類語とは?
必須の類語①「不可欠」は絶対に必要という意味
「必須」の類語の1つ目は「不可欠」です。「不可欠」は「絶対に必要」という意味の言葉で、例えば「進級にはこの科目の取得が不可欠です」などと使います。
必須を使って言い換えると「この科目は進級の必須科目です」となります。どちらも、「進級するためには、この科目が絶対に必要」と伝える文章です。
必須の類語②「必要」は必ずいるという意味
「必須」と「必要」の違いでもお伝えしましたが、「必須」と「必要」はどちらも「なくてはならない」という意味の言葉です。「必須」の方が必要性を強調していますが、「必要」という言葉で言い換えることが可能な場合も多くあります。
必須の類語③「必需」はないと困るという意味
「必需」や「必需品」は、「なくてはならないことやもの」を表す言葉です。必要性を強調している「必須」に比べて、「必需」や「必需品」は「ないと困る」という意味が強いです。
「必須」の英語表現とは?
「必須」は英語で”must”
「必須」の英語表現は、たくさんあります。絶対に「しなければならない」という時には、「must」を使います。欠かすことができないという意味の「essential」を使うこともあります。
この他にも、必須科目は「Required subjects」と表し、必修という意味の「Required」と、科目という意味の「subjects」が使われています。
まとめ
「必須」の意味は、「なくてはならないこと」や「欠かすことのできないこと」です。「必要」と似ている意味の言葉ですが、より必要性を強調した意味で使われることが多いです。「必要」「必需」「不可欠」など、似ている意味の言葉が多いですが、「条件として欠かすことができない」場合に、「必須」を使います。必須科目や必須入力など決まり言葉も多いので、ぜひ使ってみてください。