面接の自己PRにも使われる「粉骨砕身」という言葉ですが、使用するときは注意が必要と知っていますか?「粉骨砕身の正しい使い方が分からない」「類語には何が当てはまるのか知りたい」という方に向けて、「粉骨砕身」の使い方や類語を例文つきで紹介します。「粉骨砕身」について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
「粉骨砕身」の意味と由来とは?
「粉骨砕身」の意味は”力の限り励む”
「粉骨砕身」の意味は、“力の限り励む”です。四字熟語である「粉骨砕身」の読み方は「ふんこつさいしん」です。「粉骨」が「骨を粉にするほど」を、「砕身」が「身体を砕くほど」という意味を表しています。
身体を砕くほど、また、骨を粉にするほど、力の限り取り組む状況で使用してください。
「粉骨砕身」の由来は仏教用語
「粉骨砕身」は仏教用語が元となっています。古代中国の書物である「禅林類纂(ぜんりんるいさん)」には、「骨を粉にして身を砕く勢いで努力しても、簡単に仏の思いに報いることはできない」という意味合いで「粉骨砕身」が記されていました。
「骨を粉にして身を砕く勢いで努力」の部分が応用され、現代でも使用されています。
「粉骨砕身」の使い方とは?
「力の限り励む」ことが伝わる”粉骨砕身する”
「粉骨砕身」の使い方の1つが、「粉骨砕身する」です。力の限り励むことを相手に伝える状況で、使用できます。例えば、「傾きかけた親の会社を立て直すために、粉骨砕身する」という例文。
上記の文章だと、「会社を立て直すために、力の限り励む」という意味になります。
面接で「粉骨砕身」を使う場合は注意して
就職活動で行われる面接で、「粉骨砕身」を使って自分をアピールすることができます。「粉骨砕身」を使用することで、「目標のためなら力の限り励むことができる」と、アピールできるのです。
自己PRに適した「粉骨砕身」ですが、使用する場合は注意が必要です。「力の限り頑張れます!」というアピールになる反面、「自分を犠牲して物事に取り組む」という自己犠牲のイメージを与える可能性もあるのです。
捉え方によるため、状況や相手によって使用してください。
「粉骨砕身」を使った例文とは?
「粉骨砕身して」を使った例文
「粉骨砕身」の使い方でよく見られるのが、「粉骨砕身して」という言い回しです。例えば「わたしは家族を養うため、粉骨砕身している」という例文。上記の文章だと「家族を養うため、力の限り励んでいる」という意味になります。
「粉骨砕身の努力」を使った例文
「粉骨砕身」の言い回しで、「粉骨砕身の努力」という言葉があります。意味は「力の限り励む努力」です。例えば、「お客様のご期待に添えるよう、粉骨砕身の努力をいたします」という例文。
上記の例文には、「お客様の期待に添えるよう、力の限り励む努力をします」という意味が込められています。
「粉骨砕身」の類語・似た表現とは?
「身も心も全て」を意味する”全身全霊”
「身も心も全て」を意味する「全身全霊」という四字熟語は、「粉骨砕身」の類語に当てはまります。「全身全霊」の読み方は「ぜんしんぜんれい」です。「全身」が「身体の全て」を、「全霊」が「精神の全て」を意味しています。
例えば、「仕事に全身全霊を捧げる」という例文。上記の例文の場合、「身も心も全てを捧げて、仕事に取り組む」という意味になります。「力の限り励む様子」と、「心身の全てを捧げる様子」が似ていることから、類語と言えます。
苦労して働く様子の「身を粉にして」
「苦労して働く様子」を意味している「身を粉にして」も、「粉骨砕身」の類語です。「自分の身体が細かく砕かれて、粉になるまで働く様子」を表現しています。読み方は「身(み)を粉(こ)にして」です。
「粉」を「こな」と読むのは誤りであるため、話し言葉として会話で使用する場合は注意してください。
「砕身粉骨」や「砕骨粉身」と表記することも
「粉骨砕身」は、「砕身粉骨(さいしんふんこつ)」や「砕骨粉身(さいこつふんしん)」と表記されることがあります。漢字の順番や読み方が違いますが、同じ「力の限り励む」という意味で使用されます。
「粉骨砕身」の英語表現とは?
粉骨砕身は英語で「do my best」や「with all my might」
英語で「粉骨砕身」を表現する場合、「全力を尽くす」を意味する「do my best」が当てはまります。また、「力の限り」を意味する「with all my might」も「粉骨砕身」の英語表現です。
「do my best」は「粉骨砕身」の英語表現として使用できるものの、単に「頑張ります」という意味でも使われるため、「粉骨砕身」よりも軽いイメージを与える場合があります。状況に応じて「with all my might」と、使い分けてください。
まとめ
「力の限り励む」という意味をもつ「粉骨砕身」。「身を砕き、骨を粉にする」と書くことから分かるように、全力で物事に取り組む状況で使用できる四字熟語です。類語には「身も心も全て」を意味する「全身全霊」が当てはまります。面接の自己アピールに使用できる「粉骨砕身」ですが、捉え方によっては「自己犠牲」の意味もあるため、使用には注意してください。