「オリエンテーション」の意味と目的とは?ガイダンスとの違いも

学生時代にも聞いたことがあり、社会人になってからも聞くことのある「オリエンテーション」。ところで、学校とビジネスでは「オリエンテーション」の意味に違いがあるのでしょうか。

そこで「オリエンテーション」の意味とビジネスシーンでの使い方、さらには「オリエンテーション」の略語や英語表現を解説します。何をするのか、内容についても簡単に触れていきましょう。

「オリエンテーション」の意味や略語とは?

「オリエンテーション」の意味は「方向づけ」

「オリエンテーション」の意味は、「物事の進行や進路の向きを定める方向づけ」です。

新入社員ためのオリエンテーションなら、会社の概要や仕事内容を伝えられて、これからどのように仕事を進めていくのかの方向づけがなされます。

心理学的にはオリエンテーションには2種類あり、目的を達成するための動機づけと目的を達成するために価値を見出すことの二つに分けられ、それぞれに方向づけが行われます。

「教育的指導」という意味もある

また「オリエンテーション」には「教育的指導」という意味もあり、この意味はよく学校で使われます。

生徒や学生の個性を尊重して可能性を見出すための行われる指導のことを「オリエンテーション」と言います。

「オリエンテーション」の略語は「オリテ」や「オリエン」

日本人は概して元の言葉を短くした略語を好みますが、「オリエンテーション」もその一つで、その略語は「オリテ」や「オリエン」です。

ただしこの略語はビジネス英語では通じませんので、日本人の間でだけ使うようにしましょう。

ビジネスシーンでの「オリエンテーション」の意味と目的

オリエンテーションは「説明」や「説明会」の意味

ビジネスシーンで「オリエンテーション」が使われるときは、新しい会社や仕事の「説明」や「説明会」という意味でよく使われます。

ビジネスでのオリエンテーションの目的は「順応してもらうため」

会社で開かれるオリエンテーションの目的は、その会社のこと、または仕事のことを社員に理解してもらい、それに適応してもらうのが狙いです。

特に入社まもないと仕事の詳細はもちろん、会社のことでさえ知らないこともあります。会社の規則や規範、仕事の取り組み方や社員としての在り方など、その会社のカラーと呼ぶべき特徴を伝えて、それを理解してもらうためにオリエンテーションが開かれます。

ビジネスでの「オリエンテーション」の使い方と例文

会社概要の説明に「オリエンテーション」

ビジネスシーンでオリエンテーションと言えば、会社が新入社員に会社の概要や規範、仕事内容などの説明や説明会のことです。

例文
「入社式後にオリエンテーションが開かれる」
「新入社員が会社のオリエンテーションに参加する」

業務案件の説明という意味の「オリエンテーション」

オリエンテーションを部内で開かれることがありますが、その場合のオリエンテーションとは、ある業務案件について説明することという意味で使われています。

新しい案件について、その内容から方向性など、部内の意思統一のためにもオリエンテーションが開かれます。

例文
「次の企画についてのオリエンテーションを始めます」
「新規案件のオリエンは次の月曜日に決まった」

「オリエンテーション」は社外で行われることも

社外でオリエンテーションが行われることもあります。

社外コンペなど別企業に対して当社の概要説明または事業についての内容や方向性を説明するときにオリエンテーションという言葉が使われます。

例文
「外注コンペに参加する企業を集めたオリエンテーション」

「オリエンテーション」の類語とその違い

「オリエンテーリング」は野外ゲームの一種

オリエンテーションと似ている「オリエンテーリング」というのはゲームの一種で、屋外でコンパスや地図などを使いながら指定地点を通過しながらゴールを目指すゲームです。

オリエンテーリングとオリエンテーションの語源は同じことから、似ている言葉なので言い間違えらえることもあるようです。

「ガイダンス」は「事情を全く知らない人にする説明」

オリエンテーションと似た意味で「ガイダンス」がありますが、「ガイダンス」とは「事情を全く知らない人に行う説明のこと」です。

たとえば新入生や学校の入学希望者に対して行われる学校の説明が「ガイダンス」です。

「オリエンテーション」は「ガイダンスよりも細かい説明」

一方「オリエンテーション」も説明という意味ですが、説明を受ける人はすでに基本事項は分かっていて更なる詳細な説明が行われるときに使われます。

従って、「ガイダンス」と「オリエンテーション」の違いは同じ説明という意味でも、説明を受ける対象が初歩的な情報を持っているかいないのかで使い分けられます。

「オリエンテーション」の語源と英語表現

「オリエンテーション(orientation)」の語源は教会の向き

カタカナ語である「オリエンテーション」の基の言葉は英語の「orientation」です。その語源は、教会堂の祭壇を東に向けるように教会堂を設計することを「オリエンテーション」と呼んだことから始まります。

正しい祈りの方向を東だと決めたことがオリエンテーションという意味ということから、「方向を決める」という現在の意味が生まれました。

オリエンテーションは英語で「orientation」

英語で書く「orientation」の意味は、一般的には「思想などの考え方についての方向性」という意味で使われることが多いです。物事の目的や興味を説明するときに使われます。

例文
“What you need to know about a new job orientation is to research the market.”
「新しい仕事の方向性を知るために市場を研究する」

「orientation」には「トレーニング」という意味も

また「orientation」には「トレーニング」という意味もあります。

新しい仕事を始めるときに受けるトレーニングのことを「orientation」と言います。

例文
“an orientation course”「トレーニングコース」
“an orientation to improve technical methods”「技術的な方法を改善するトレーニング」

まとめ

「オリエンテーション」は学校では教育指導という意味で使われたり、ビジネスでは会社説明から業務内容の説明までいろいろなシーンで使われます。どの意味にも共通していることは「方向づけ」という一つの指針を指し示すことです。そのように捉えれば、オリエンテーションの意味に迷うことは少なくなるでしょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。