「千変万化」の意味と例文!「変幻自在」との違いや類語も紹介

さまざまに変化することを表す「千変万化」という言葉があります。「変幻自在」とはどのような違いがあるのでしょうか?この記事では、「千変万化」の意味や使い方の例文を紹介します。あわせて類義語や対義語の四字熟語や英語も紹介しています。

「千変万化」とは?

「千変万化」の意味は”さまざまに変化すること”

四字熟語「千変万化」の意味は、“さまざまに変化すること・状況が変化し続けること”です。「千」「万」は”数の多いこと”を表し、「変」は”次々とかわってゆくこと”、「化」は”かわること”を表します。

また、「千変」「万化」のそれぞれの二字熟語として、どちらも”さまざまに変化すること”という同じ意味を持ちます。

実際に目の前にある情景などがめまぐるしく変化することを表現したり、移り変わる政治情勢などの状況を表現したりするのに用いられます。

「千変万化」の読み方は”せんぺんばんか”

「千変万化」の読み方は、“せんぺんばんか”と読みます。「せんへんばんか」ではありません。

「千変万化」の由来は中国の古典『列子』

「千変万化」の言葉の由来は、中国の道家思想を伝える古典『列子』に書かれた「周穆王」の逸話です。穆王(ぼくおう)と、千変万化の動きをする人形遣いとのやりとりが語られた逸話から、「千変万化」の故事成語となりました。

「千変万華」は当て字

「千変万華」と書く場合があるようですが、これは当て字です。本来の意味に華やかさを加えたいときなどに用いられています。

「千変万化」の使い方と例文とは?

「千変万化」の使い方と例文を紹介します。

ビジネスや世界情勢の変化も表す「千変万化」

「千変万化」は、身の回りの状況や、景色などが目まぐるしく変化する様子を表しますが、変化の激しいビジネスや世界情勢についても使うことができます。

「千変万化」のビジネス例文

次のようなビジネスの例文があります。

  • 投資家は、千変万化の世界情勢を押さえることが基本だ
  • インターネットビジネスは千変万化の歴史を経て発展した
  • 千変万化する世相を読んでマーケティング戦略を立案する
  • リーダーは千変万化する部下の心理を理解する必要がある

「千変万化」の一般的な例文

一般的には、次のようにさまざまに変化することを表します。

  • 千変万化する車窓からの景色を楽しむ
  • 社会人になってからは千変万化の毎日だ
  • 千変万化の輝きを放つイルミネーション

「千変万化」と「変幻自在」の違いとは?

「千変万化」の類語である「変幻自在」との違いを確認しておきましょう。

「変幻自在」の意味は”思いのままに変化する様子”

「変幻自在(へんげんじざい)」の意味は「思いのままに変化する様子」です。「変幻」は幻(まぼろし)のように現れたり消えたりすることで、「自在」は意のままになることという意味です。

「千変万化」は”さまざまに変化”、「変幻自在」は”思いのままに変化”

「千変万化」は、事柄や事象がさまざまに変化する様子を客観的に表現する言葉であるのに対し、「変幻自在」は事柄や事象がさまざまに操られる様子を表現する言葉です。

「変幻自在」は「自由自在」と同じ意味の表現です。「変幻自在にイルミネーションの色を操るアーティスト」などと用います。

「千変万化」の類語・類義語とは?

「変幻自在」の他にも「千変万化」の類語がありますので紹介します。

千変万化の類語①「千姿万態」

「千姿万態(せんしばんたい)」とは「さまざまな姿や形のこと」という意味です。「千変万化」とほぼ同じ意味ですが、さまざまな「状況」ではなく、「姿や形」を表すことが違いです。

「千」「万」の語と組み合わせて「さまざまな様子」を表す四字熟語は他にも、「 千態万状(せんたいばんじょう)」「 千態万様(せんたいばんよう)」があります。

千変万化の類語②「生生流転」

「生生流転(せいせいるてん・しょうじょうるてん)」とは、「全てのものは、次々に生まれては永遠に変化し続ける」という意味です。「生生」は次から次に生まれること、「流転」は変化し続けることという意味です。「生々流転」とも書きます。

変化し続けるということでは「千変万化」と同じ意味を持ちますが、生まれ死にながら変化し続けるという「永遠の時間」の概念が根底にあることが違いです。

千変万化の類語③「二転三転」

「二転三転(にてんさんてん)」とは、物事の内容や状態などが、めまぐるしく何度も変わることです。考え方や意見の方針が変わったり、一貫性がなかったりする状況を表します。

「国会での答弁が二転三転する」などと、特に意見の内容がころころと変わることについて用いられます。「千変万化」のような、情景が変化する意味合いはありません。

「千変万化」の対義語とは?

変化する意味の「千変万化」に対して、「変わらない」ことを意味する対義語を紹介します。

千変万化の対義語①「永久不変」

「永久不変(えいきゅうふへん)」とは、「どれだけ時間がたっても変わらない」という意味です。

千変万化の対義語②「千篇一律」

「千篇一律(せんぺんいちりつ)」とは、もともとは多くの詩がいずれも同じような調子で変化がないことを表す言葉でしたが、転じて「多くの物事がどれも同じ調子であること」の意味となりました。どれも変化がなく面白味がないという意味でネガティブな表現に使われる言葉です。

「千変万化」の英語表現とは?

「千変万化」は英語で”infinite variety”や”ever-changing”など

「千変万化」が表す「さまざまに変化すること」「状況が変化し続けること」という意味の英語表現を紹介します。

  • 「名詞」の英語表現
    ・innumerable changes
    ・infinite variety
  • 「形容詞」の英語表現
    ・ever-changing
    ・constantly changing
  • 例文
    ・「自然は千変万化する。」nature presents an infinite variety.
    ・「この世は千変万化である。」This world is ever-changing.

まとめ

「千変万化(せんぺんばんか)」とは、さまざまに状況が変化し続けることという意味です。「変幻自在」は思いのままに変化する様子という意味です。両者の違いは、変化する様子を客観的に表しているか、自在に変化を操る様子を表しているか、ということになります。

千変万化する状況に常にさらされるビジネスにおいては、状況を的確に表現する語彙として押さえておきたい言葉だといえます。