「考察」とは「よく考えること」という意味ですが、レポートやプレゼンで考察を書こうと思っても、なかなかうまく書けないことがあるかもしれません。
そこで今回は「考察」の意味や類語、英語表現に加えて、レポートでの考察の書き方やポイントを例文と併せて解説します。
「考察」の意味とは
「考察」の意味は「物事を明らかにするために調べて考えること」
「考察」とは「物事を明らかにするために調べて考えること」という意味です。
主にある事柄を客観的に考える場合に用いられる言葉で、データを分析して導き出される過程、またはその思考の結果を考察と言います。
類語は「考慮」と「勘案」、「見解」は主観的な意見も含む
- 「考慮」
「よく考えること」という意味で「考察」の類語です。「勘案」との違いはひとつの事柄を、または複数の事柄をよく考えることの意味で使われます。
- 「勘案」
「よく考えること」という意味です。必ず複数の事柄をよく考える場合に使われます。
- 「見解」
「ある物事に関する考え方や見方」のことです。「考察」との違いは「見解」は主観的な意見を含みます。
英語では「discussion」または「consideration」
英語で「考察」とは議論という意味の「discussion」、または「考え」や「熟考」と訳される「consideration」がいいでしょう。
「consideration」は「考察」とも訳される言葉で、自分の意見を踏まえた考えのことです。
また「discussion」はカタカナ語の「ディスカッション」としてなじみのある言葉ですが、「ディスカッション」は複数人で話し合うことという意味で使われています。しかし英語の「discussion」は一人で考えた場合にも使われるため、考察の英訳として「discussion」は使えます。
レポートやプレゼンでの「考察」の書き方とポイント
レポートやプレゼンでは考察を書くことがありますが、この場合、考察とはどのようなことが書かれるべきなのでしょうか。
そこで、考察の書き方とそのポイントを見ていきましょう。
考察の書き方のポイント
レポートやプレゼンの考察には、ある物事が至った結果を分析して、それをよく吟味したことにより導き出された意見を書きます。つまり、どうしてどのような結果になったのかを説明することになります。
この時の書き方のポイントは、論理的でかつ根拠に基づいて考えを導いていくことです。
実践編!考察の書き方4ステップ
- 結果を顧みて、一般的な認識を書く。
いきなり客観的でかつ論理的に考えろと言われても難しいかもしれません。そこで考察方法のひとつとして、一般的な認識を書くという方法があります。
結果に対する一般的な認識を提示することにより、その比較から考察しやすくなります。
- 目的と結果の比較
そのレポートやプレゼンをするにあたり、目的と結果を照らし合わせることで、目的に結びつく結果となった点、またはそれとは異なった点を書くことができます。
- 過去の同じ内容のレポートとの比較
また比較材料として、過去に同様のレポートがあればその結果と照らし合わせて比較することもできます。過去の結果を踏まえた考察ならば、時間軸でその結果を分析することもできて、新たな課題も見えてくるかもしれません。
- 結果に基づく新たな課題について書く
結果を分析したことから新しい課題や発見があれば、それを考察のひとつに加えることができます。
ただしこの時の書き方として気をつけなくてはならないことは、「次の試みでは○○のようにしたい」といった次のプランを表明しないことです。それでは考察の意図から外れてしまい、次のプランの決意表明となってしまうからです。
そのため新たな課題について書く場合には、「○○のようなことが考えらえる」といった一つの意見として記述するようにします。
例文のテンプレート
それでは考察の一例として、売上に関するレポートのための考察を紹介します。売り上げが目的にかなった結果を出した場合の一例です。
「考察」と「結果」「結論」の違い
「考察」は分析によって導き出される意見
考察とは、実験の結果を受けて、それを客観的に分析したことにより導き出された自分の意見を書く部分です。
つい「思うような結果が出なくて残念だった」などの感想を書きやすいのですが、そうした感想は書きません。
「結果」は事実の記録
一方、結果または結論は、実験によって出てきた事実の記録です。
もしも何か実験をした結果なのなら「データ結果」が、ビジネスである売り上げについてのレポートやプレゼンでの結果ならば、「売上結果のデータ」が主な内容になります。
「結論」は結果や考察の後に導き出される意見
「結論」とは結果や考察の後に導き出される最終的なまとめとなる項目で、結果や考察を受けた自分の意見や考えを述べる箇所です。
結論には主観的な考えを述べることもできるため、レポートやプレゼンの作成者次第で導き出される結論は変わってくることが考えられます。
まとめ
「考察」とは一言でいうと「よく考えること」という意味であるため、考察を述べたり書いたりする時は、感想にならないようにして、結果を客観的に分析して意見を導くように注意しましょう。
以上の結果を踏まえて考えられることは、売上は社員の自社製品への売り込みへの積極性や行動力が大きく売り上げに反映していることと同時に、担当社員がどの地域を担当したかによっても売り上げの結果が大きく左右されるということです。
このことから今後とも社員の仕事への取り組み方への関心を常に意識し、社員を人員配置についても慎重に議論すべきだと考えられます。