「融通のきかない様子」を意味する「野暮」という言葉。「野暮の正しい意味が分からない」や「野暮の言い換え方を知りたい」という方に向けて、「野暮」の正しい意味や使い方・類語を説明します。例文も紹介しているため、「野暮」について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
「野暮」の意味と語源とは?
「野暮」の意味は”融通の利かない様子”
「野暮」の意味は、“わからず屋で融通がきかない様子・言動や趣味が洗練されていない様子”です。読み方は「やぼ」で、周りの空気が読めていない状況や、垢ぬけていない様子を表す状況で使われます。
例えば、「AさんはBさんに好意を持っているのかな?」という質問は、「答えが分かりきっている」もしくは「聞かなくても良いこと」に当てはまり、「野暮なことを聞くもんじゃない」という返答が使えます。
「野暮」の語源は諸説ある
「野暮」とは元々、遊郭などの華やかな事情に疎いことを意味していました。現代では、「華やかな事情に疎い」が転じ、「洗練されていない」「垢ぬけていない」という意味でも使用さています。
「野暮」の語源は2つあり、1つ目が「田舎者」を意味する「野夫(やふ)」が転じたという説。2つ目が奈良時代に海外から伝わった「笙(しょう)」という楽器から派生したという説です。「笙」には音の出ない「也(や)」と「毛(もう)」という管があり、2つを合わせた「やもう」が「やも」「やぼ」へ転じたと言われています。
「野暮」の使い方と例文とは?
「つまらない用事」を意味する”野暮用”
「仕事上の用事」や「日常生活の用事」を意味するのが「野暮用」です。遊びや楽しい用事ではなく、わざわざ言う必要のない用事を表す場合に使われます。例えば、「野暮用を思い出したから、少し出かける」という使い方をします。
「野暮天」とは”とても野暮なこと”
「とても野暮なこと」を意味する「野暮天」という言葉。「天」は仏教用語からきており、程度の高さを表しています。例えば、「野暮天な君からすると、この街には驚くものがたくさんあるだろう」などの使い方をします。
「野暮」の類語とは?
「粋ではないこと」を意味する”無粋”
「粋ではない様子」を意味する「無粋」も「野暮」の類語です。「粋ではない」とは、「垢抜けしていない様子」や「人情の細かな動きが分からないこと」を意味しています。「野暮」は「周囲の空気が読めていない状況」で使用できるのに対し、「無粋」は「男女間の心情が理解できていない状況」で使用されます。
例えば、「彼はそのような無粋なことを言う人ではない」という例文。例文の場合、「彼はそのような余計な発言をする人ではない」という意味になります。
作法や趣味が身についていない「無骨」
「作法や趣味が身についていない」を意味する「無骨」も「野暮」の類語です。「礼儀がなっていない」や「素朴」な状況で使用できます。例えば、「出先で無骨な振る舞いをするのはやめなさい」という例文。
上記の文章は、「出先で無礼な振る舞いをするのはやめなさい」という意味になります。
「野暮」の反対語とは?
「気立てが良く色気がある」という意味の”粋”
「気立てが良く、色気があって垢ぬけている」という意味の「粋」は、「野暮」の反対語です。「人の心や物事の味わいを理解している」という意味でも使用されます。例えば、「先日は○○さんの粋な計らいにより、会場が大盛り上がりしました」という例文。
上記の文章は、「○○さんの気の利いた行動により、会場が大盛り上がりしました」という意味になります。
「洗練された様子」を意味する”垢ぬける”
「洗練された様子」を意味する「垢ぬける」も、「野暮」の対義語になります。姿や芸が洗練された状況や、素人感がなくなった状況で使用できます。例えば、「久しぶりに会った友人が、垢ぬけていて驚いた」という例文。
上記の例文だと「久しぶりに会った友人の姿が、洗練されており驚いた」という意味になります。
「野暮」の英語表現とは?
「野暮」は英語で”boorish”
「野暮」を英語で表したのが「boorish」です。「boorish」とは、「田舎者」や「がさつ」「野暮」の意味を持つ単語です。例えば、「boorish behavior」だと、「野暮な言動」となります。
また、「空気を読めない」という意味では「a wet blanket」が適切です。「しらけさせる」「水を差す」という意味があり、「She threw a wet blanket」で「彼女は野暮なことを言った」という意味になります。
まとめ
「野暮」とは「融通がきかない様子」や「垢ぬけていない様子」を意味する言葉で、周囲の空気が読めていない状況などで使われます。「つまらない様子」を意味する「野暮用」や「とても野暮なこと」を意味する「野暮天」などの使い方をします。類語には「粋ではない様子」の「無粋」や、「作法や趣味が身についていない様子」の「無骨」が当てはまるため、状況によって使い分けてください。