「近日中」とは何日まで?意味や類語と使う際の注意点を解説

ビジネス上の会話やメール、広告や案内等でよく「近日中」という言葉が使われます。普段あまり気に留めないものの、ふと「近日中っていつまでのことだろう」と気になることはありませんか?そこでここでは「近日中」の定義や使い方、「近日中」の類語についてご説明します。

「近日中」の意味とは?

意味は「数日の間、近いうち」

「近日中」とは、「数日の間」、「近いうち」といった意味があります。明確に期限が定められていない事柄に対応するまでの期間を表す際に用いられます。

「近日中」とは何日のこと?


相手から「近日中に対応します」と言われたとき、いったいいつまでに対応してくれるのだろうと気になることがありますよね。「近日中」とは何日のことを表すのでしょうか。

「どれくらい」「何日」という明確な定義はない

実は「近日中」には明確な定義はありません。2、3日の場合もあれば1週間~数週間、場合によっては数か月先のことを示していることもあります。飽くまでも「近日中」は使った本人の物差し次第、ということです。

相手や対象の物事によって異なる

「近日中」には明確な期間の定義はないものの、相手や対象の物事によって大まかな目安はあります。たとえばビジネス上のやり取りであれば2、3日中、友人同士のやり取りであれば1、2週間、商品の入荷なら数週間~1か月程度、映画の公開予告であれば3か月程度といったところです。ただしこれも飽くまで目安であることにご注意ください。

「近日中」は敬語表現?

上司や取引先などに対して使っても問題のない丁寧な言葉

「近日中」は上司や取引先などに対して使っても問題のない表現です。ただし、若干「そのうちやります」といった消極的なニュアンスを持つ言葉でもあります。そのため相手に誠意を見せたい場合や差し迫った状況の場合は「可及的速やかに」や「早急に」といった、「積極的に対応する」というニュアンスを持つ言葉に言い換えた方がいいでしょう。

「近日中」の類語とは?


「近日中」には様々な類語があります。どれも期限を曖昧に示す表現ではありますが、それぞれにニュアンスや目安となる期間が異なります。シチュエーションに応じて適切に使い分けるといいでしょう。

類語①「一両日中」

「一両日中」は「1日、2日のうち」という意味です。ただし今日を1日に含めるのか否かによって期間が変わってきます。今日を1日に含める場合は明日まで、含めない場合は明後日までという意味になります。最近では明日まで、という意味で使うのが一般的です。

類語②「可及的速やかに」

「可及的」とは「出来る限り」「なるべく」という意味で、「可及的速やかに」は「出来るだけ早く」という意味になります。「近日中」と比べると、急いで対応しようという意思がみられる言葉です。

類語③「早急に」

「早急」には「非常に急ぐ」という意味があります。「可及的速やかに」よりもより優先度を上げて対応することを表します。

類語④「近々」

「近々」は「近い将来」を指す表現です。「近々」が表す期間は「近日中」とほぼ同じものの、「近日中」に比べると砕けた印象があるため、ビジネス上のやり取りでは「近日中」を使うのが適しているでしょう。

「近日中」はビジネスで使える?


「近日中」は非常によく使われている表現ですが、ビジネス上で使う場合には注意が必要です。

曖昧な表現はトラブルになることも

「近日中」とは対応期間を曖昧にする表現です。ビジネス上のやり取りで曖昧な表現を使うことは、大きなトラブルにつながりかねません。例えばあなたが「商品は近日中に発送します」と言ったとき、自分自身は1、2週間のつもりで言った「近日中」も、相手は2、3日と捉えている可能性があります。あなたが予定通りに商品を発送したとしても、相手はなかなか商品が届かないことにやきもきしているかもしれません。

ビジネス上のやり取りでは、相手から何かを依頼された場合には「1週間以内に対応します」といったように、できる限り対応期限を明確にするようにしましょう。どうしても対応にかかる期間が読めない場合は、一旦は 「近日中」としつつも適宜状況を報告するようにすれば相手を安心させることができます。

曖昧な表現は便利でもある

曖昧な表現はトラブルの種になる反面、便利な言葉でもあります。

例えば食事の誘いを受けたとき、あまり気乗りがしなくても断ってしまうと険悪になってしまうかもしれません。そんなとき「近日中にお返事します」とすればしばらくの間は次のお誘いが来るのを防ぐことができるでしょう。また新商品のリリースや映画の予告などは、商品の入荷スケジュールや制作状況次第で明確な日程を告知することは難しいものの、「近日中」とすることでそれまで顧客の興味を惹きつけておくことができます。

このように、相手からの依頼に対してその対応期限を「近日中」と伝えるのはトラブルの元ですが、新商品のリリースや映画の宣伝のように自分から能動的に行う事柄の対応期限を「近日中」とすることはビジネス上であっても問題はありません。また、あえて期限を曖昧にしたい場合に重宝する表現です。

まとめ

「近日中」には明確な定義はないため具体的な日程を提示することが難しい場合に便利な言葉です。ただし曖昧な表現故にお互いの認識に齟齬が発生し、思わぬトラブルにつながることもある危険な言葉でもあります。「近日中」は使い方や使う相手、使うシーンに注意しましょう。