「ありったけの悪口」を意味する「罵詈雑言」という言葉。なんとなくの意味は分かるが、正しい意味を理解していないという方も、多いのではないでしょうか?「正しい意味が知りたい」や「類語を知りたい」という方に向けて、「罵詈雑言」の意味や使い方、類語を紹介します。例文もあわせて紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
「罵詈雑言」の意味とは?
「罵詈雑言」の意味は”ありったけの悪口を並べて相手を罵ること”
「罵詈雑言」の意味は、“ありったけの悪口を並べて、相手を罵ること”です。他にも、「相手に浴びせた悪口そのもの」を意味しています。「罵詈」が”相手を口汚く罵ること”を意味しており、「雑言」が”悪口をいうこと”を意味しています。
「罵詈」と「雑言」の2つの単語が、それぞれ「悪口をいうこと」を意味していることから、単に相手を悪く言っているだけではなく、「ありったけの悪口」を並べている様子を表しているのです。
「罵詈雑言」の読み方は”ばりぞうごん”
「罵詈雑言」の読み方は、“ばりぞうごん”です。「言」という漢字は「ごん」の他に、「げん」という読み方があるため「ばりぞうげん」とも読まれます。「ばりぞうごん」も「ばりぞうげん」もどちらも正しい読み方ではありますが、記載されていない辞書もあることから、「ばりぞうごん」が一般的な読み方となっています。
読み方が間違っていると捉えられる場合もあるため、状況に応じて適した読み方をしましょう。
「罵詈雑言」の使い方と例文とは?
「悪口をかける」を意味する”罵詈雑言を浴びせる”
「相手にありったけの悪口をかける様子」を意味する、「罵詈雑言を浴びせる」という表現。「罵詈雑言」を使った言い回しとして、よく使われます。例えば、「感情に身を任せて罵詈雑言を浴びせるだけでは、なに1つ解決しないのだから冷静になるべきだ」という例文。
上記の例文は、「感情のままに悪口を放つだけでは解決しないため、冷静になるべき」という意味があります。
比喩表現を使った「罵詈雑言の嵐」
「罵詈雑言の嵐」という表現も、よく使われる言い回しの1つです。ありったけの悪口を言われている様子を、「嵐」に例えて表現しています。例えば、「SNSで過激な発言をしたAさんは、またたく間に罵詈雑言の嵐を浴びていた」という例文。
上記の例文は、「AさんはSNSで過激な発言をしたため、ありったけの悪口を浴びていた」という意味になります。
「場時雑言」は間違いのため注意!
「罵詈雑言」に似た四字熟語はいくつかありますが、「場時雑言(ばじぞうごん)」は間違いであるため注意しましょう。「場時雑言」は「罵詈雑言」と「馬耳東風(ばじとうふう)」が混ざってできた言葉で、実際には存在しない四字熟語です。
「罵詈雑言」が「ありったけの悪口」を意味するのに対し、「馬耳東風」は「人の意見や評価を気にかけず、聞き流すこと」を意味しており、異なる意味をもつ四字熟語です。混同しないように、注意しましょう。
「罵詈雑言」を使った例文
「罵詈雑言」を使った例文をご紹介しましょう。
- なにか理由があったとしても、相手に罵詈雑言を浴びせることは間違っている
- 不特定多数からの罵詈雑言により、気力が削がれてしまった
- 酔っているからといって、何をしてもいい訳がない。罵詈雑言を浴びせるなど、もってのほかだ
「罵詈雑言」の類語とは?
「悪口をいうこと」を意味する”悪口雑言”
「罵詈雑言」の類語には、「口汚く、思う存分に悪口をいうこと」また、「放った悪口そのもの」を意味する「悪口雑言」が当てはまります。読み方は「あっこうぞうごん」です。「悪口」を「わるぐち」と読むのは間違いであるため、とくに話し言葉として会話で使用する場合は、読み間違いに注意しましょう。
例えば、「思いがけない人物からの悪口雑言に、正直驚いた」という例文。上記の例文は、「予想外の人物から悪口を言われ、驚いた」という意味になります。
「怒り罵ること」を意味する”罵詈怒号”
「口汚く罵ること」を意味する「罵詈」に、「怒鳴る」を意味する「怒号」が加えられた、「罵詈怒号(ばりどごう)」という言葉。小説や歌の歌詞として使われている言葉ではあるものの、辞書には記載されていません。
意味としては類語に当てはまりますが、一般的でない言葉である可能性もあるため、使用する場合は状況を考えて使用しましょう。
「罵る」や「悪口」も類語に当てはまる
「罵る」や「悪口」も、「罵詈雑言」の類語に当てはまります。「罵詈雑言」よりも「罵る」や「悪口」の方が、軽い印象を与えるため、状況に応じて使用しましょう。また、場合によっては「罵詈雑言」よりも単に「罵る」や「悪口」といった方が、相手に伝わりやすいこともあります。
「罵詈雑言」の英語表現とは?
「罵詈雑言」は英語で”abuse”
「罵詈雑言」の英語表現には、「罵る」や「暴言を吐く」を意味する“abuse”が当てはまります。「激しい言葉」を意味する「strong language」も、「罵詈雑言」の英語表現であるため、シーンによって適した方を選びましょう。
まとめ
「ありったけの悪口」を意味する「罵詈雑言」という言葉。「罵詈雑言を浴びせる」や「罵詈雑言の嵐」などの使い方をします。類語には「口汚く、存分に悪口をいうこと」を意味する「悪口雑言」や「罵る」などが当てはまります。似た言葉に「場時雑言」がありますが、「罵詈雑言」と「馬耳東風」が混ざった言葉で、誤りであるため注意しましょう。