「バッファ」という言葉は、業務予定や在庫管理などでゆとりを持たせる時などに使ったりしますが、もともとはIT分野の専門用語として知られています。今回は「バッファ」を取り上げ、意味と使い方、類語などを中心にまとめています。よく使われる熟語表現とあわせて紹介しましょう。
「バッファ」とは?
「バッファ」の意味①”緩衝器”
「バッファ」の意味は、“緩衝器”です。もともと、「バッファ」は英語の「buffer」のことで、「緩衝(かんしょう)となるもの」や「緩和材(かんしょうざい)」、または、両方の間に入って動きや衝撃を緩やかにする「緩衝器」や「緩衝装置」を指す言葉です。
「バッファ」の意味②”一時的なメモリー領域”
「バッファ」の2つ目の意味は、コンピューター内に“一時的にデータを貯め、蓄えるメモリーのこと”です。演算処理がデータ入力の速さに追いつかない時などに使われる一時的なメモリーや領域を指しています。「バッファ」はIT業界でも頻繁に見聞きする言葉です。
「バッファ」の意味③”時間的なゆとりや余力”
「バッファ」の3つ目の意味は、“ゆとり”や“余力”です。ビジネスシーンや一般的な職場で使われます。
業務や仕事に対し余裕を持って進めたい時や、他のタスクをこなす余力があるか問う時などに、「時間的」なタイムラインや「能力的」なキャパシティーに対し「ゆとりや余力がある」というニュアンスで用いる言葉となります。
バッファーとは「バッファ」のこと
「バッファ」は職種や職場環境によって「バッファー」と伸ばして言うこともあります。基本的には「バッファ」と同じ意味で使われますが、おおむね、バッファのは本来の意味である「緩衝器」や「緩和物」、またITの「バッファーメモリー」のことを指す時に適用されるようです。職場で使われる「余裕」「余力」「予備」などは、「バッファ」と呼ばれることがほとんどかもしれません。
「バッファ」のビジネスでの使い方と例文とは?
それでは職場やビジネスシーンで使われる「バッファ」について、使い方の注意点と例文を挙げてみましょう。
「バッファを持たせる」「バッファを設ける」という表現が多い
ビジネスシーンでは「ゆとりや余力がある」という意味で使われることがほとんどですが、最も多く使われる熟語表現は「バッファを持たせる」や「バッファを設ける」です。
「バッファを持たせる」は言葉通り「時間的に、能力的にゆとりを持ってすすめる」という意味で、在庫管理や業務の進捗状況、イベントのプランニングなどの計画事をはじめ、ものの数や人数に対し「余分に」という意味でも使われます。
また、職場での消耗品(コピー用紙や文房具品)や電球やトナーなどの交換品のストック(予備在庫)を「バッファ」と呼ぶこともあります。
「バッファ」は「サポート役」の意味で使われる
人に対して「バッファ」を使う時は、役割的な部分で「サポート役」や「相手を支える人物」、「バックアップ」などの意味で使われます。「今回は私がバッファとしてグループを支えます」という文章では、「今回は私がサポート役に徹しグループを支えます」という意味です。
「バッファ」を使ったビジネス例文
「バッファ」を使ったビジネス例文をいくつかご紹介しましょう。
- 新人には口を酸っぱくして時間に「バッファ」を持たせるように言ってある。
- 急な予定変更となりますが、日程や予算に「バッファ」を設けてありますか?
- 「バッファ」を取っているにせよ、予備在庫の管理は怠たらないようにしよう。
- イベントでは接客を受け持つ「バッファ」として参加してもらえないだろうか?
- 念の為「バッファ」を持たせて、多めに資料を用意しておくべきだ。
「バッファ」の類語とは?
「バッファ」の類語について解説します。
「バッファ」の類語は”余裕”や”一次記憶装置”など
一般的に「バッファ」の類語にあたるのは「余裕」や「予備」、またコンピューターでは「一次記憶装置」などがあります。「バッファ」が持つ「ゆとり」や「余力」の意味を拡げて考えれば「余剰」や「余地」なども類語として適切でしょう。
「クッション」「調停役」も類語として言い換えられる
「バッファ」には「緩衝するもの」という意味がありますが、文脈や状況によっては衝突や摩擦を防ぐ「クッション」や人々の間に立って場を取り持つ「調停役」などの言葉も言い換えとして使えることがあります。
まとめ
「バッファ」とは英語の「buffer」のことで、もともとは緩衝器や緩衝材を指し、コンピューター用語では「一時的にデータを保存する領域」、またビジネスでは「ゆとりや余力を持つ」という意味があります。
また「バッファ」は仕事の役割分担として「サポート役」というようなニュアンスでも使われますので、併せて覚えておきましょう。職場で上司に「バッファとして頼りにしているよ」と言われたら、「ただ単なる予備である」という意味ではなく、「サポート役として期待しているよ」ということです。ぜひ、しっかりと任務を果たすようにしましょう。