「そのうち」の意味は?使い方の例文を紹介!敬語表現と類語も

「そのうち」は、ビジネスと日常生活のどちらでも使う機会の多い言葉です。仕事を頼まれた時に「そのうちやっておきます」と返事をしていないでしょうか?今回は「そのうち」の意味について解説し、ビジネスにおける使い方の注意点と例文を紹介します。また敬語表現と類語に加え、英語と中国語・韓国語表現もお伝えします。

「そのうち」とは?

「そのうち」の意味①”少し先”

「そのうち」の意味は、“少し先”です。いつであるかはっきりとは決まっていない「それほど遠くではない近い将来」をさしています。

「そのうち」の意味②”その中で”

「そのうち」は、異なる意味合いで使われる場合もあるため注意が必要です。”そのうちの一つ”や”そのうちの一人”などは、「少し先」ではなく「その中で」という意味で使われています。

漢字では「その内」と書く

「そのうち」という言葉は、ひらがなだけでなく漢字で書く場合もあります。「その内」や「其の内」「其内」「其中」と書かれる場合もあります。

「そのうち」の使い方と例文とは?

「そのうち」を回答に使うのは避ける

ビジネスにおいて「そのうち」を使う場合は、注意が必要です。仕事を依頼された場合や質問された際に、「そのうちやります」「そのうち回答します」と答えるのは避けましょう。

「そのうち」とは「少し先」を意味していますが、具体的に「いつ」であるかを明確に定義していない言葉です。どの程度「少し先」であるかの認識は人によって異なるため、相手は具体的な時期を把握することができません。お互いの認識違いが原因で、後からトラブルにつながる可能性もあります。また、状況によっては、「はぐらかされている」「後回しにされている」と言ったネガティブな印象を相手が受ける可能性もあります。

今忙しくすぐに取りかかれない場合にも、「そのうち」を使うのは避けるようにしてください。「今の作業が終わり次第着手します」など、自分の状況を伝えた上で先になることを伝えるのがおすすめです。

また、回答や判断の期限をその場で判断できない場合もあることでしょう。その場合は、その場において相手に期限を尋ね「そのうち」を使った回答をすることは避けてください。

「そのうち」を使った例文

「そのうち」を使った例文をご紹介しましょう。

  • そのうち我が社でも副業が解禁されるらしいから、今の内にネットの記事や講演会で自分に向いた副業を調べておきたい。
  • 彼はまだ若いが、人当たりも良く誰も文句のつけようがないぐらい優秀だから、そのうち管理職に抜擢されるだろう。
  • 自分の意見を通すことばかりでなく、相手の意見を聞くことや受け入れることが大切だ。そのうち誰も君の意見を聞かなくなってしまうよ。

「そのうちに」を使った例文

「そのうちに」を使った例文をご紹介しましょう。

  • こんないい加減なやり方を続けていたら、そのうちに取り返しのつかないことが起こるだろう。
  • 今回のプロジェクトが成功したのも、メンバー全員が頑張ってくれたおかげだ。そのうちに慰労を兼ねた親睦の飲み会を行うつもりだ。
  • 時代の変化は信じられないぐらい早い。そのうちに車の自動運転も当たり前になれば、教習所に行く必要もなくなるかもしれないね。

「そのうち」の敬語表現とは?

「そのうち」の敬語表現は”近日中”

ビジネスシーンにおいて敬語で表現する場合は、「近日中(きんじつちゅう)」を使うのが適しています。例えば、「近日中に取り掛かります」「近日中にお伺いします」など使います。

しかし、「近日中」も「そのうち」同様に時期を具体的に指定していない言葉です。そのため会話の内容次第で、曖昧な印象を相手に与えてしまう場合があります。できるかぎり近いうちにと言う意思だけでも相手に見せたい場合には、「可及的速やかに」(かきゅうてきすみやかに)の言葉を使うのがおすすめです。

「そのうち」の類語・言い換え表現とは?

「そのうち」の類語は数多くあります。「そのうち」の類語・言い換え表現について紹介します。

「近々」は”そのうち”と同じ意味の言い換え表現

「近々」(ちかぢか・きんきん)は、「近々お伺いします」など使われる言葉です。「そのうち」や「近日中」と同じ「近いうち」「少し先」を意味する、言い換え表現となります。

「いずれ」も”そのうち”と同じ意味

「いずれお伺いします」など使う「いずれ」も、「そのうち」と同じ意味を持ちます。それほど遠くはない「近い将来」を指す言葉です。

「おっつけ」の意味は”近い先”

「おっつけ」(追っつけ)という言葉も、「そのうち」と同じ「近い先」の意味を持っています。「その問題は追っつけ解決するだろう」などと使われる言葉です。

「まもなく」とは”短い時間のうちに”の意味

「まもなく」は、「短い時間のうちに」や「もうすぐ」を意味しています。どれほど「短い」かは、具体的には定義されていません。しかし「まもなく講演が始まります」など場内アナウンスで使われることも多いことから、すぐ先を指す場合に使われるのに適した言葉と考えられます。

「いつか」の意味は”いつになるかはわからない先”

「いつか」は、「いつになるかはわからない先」を指す言葉です。「そのうち」は具体的な定義はないもの「近い先」を示す言葉であるのに対して、「いずれ」は近いとも遠いともわからない「先」である場合を指しています。

「そのうち」の英語と中文・韓国語での表現とは?

「そのうち」の英語は”soon”

「そのうち」を英語に訳すと“soon”となります。しかし、「soon」は”そのうち”と同じ「少し先・近いうちに」から、「今すぐ」まで広い意味合いを持っています。文章の流れによって、どの意味合いを指しているのかを認識することが必要です。

「before long」は”遠くないうちに”を意味する

「そのうち」の英語表現においては、“before long”も使うことができます。直訳では「遠くないうち」となりますが、「まもなく」「近いうちに」と同じ意味を表しています。

中文では「近日内」「不久以后」を使う

「そのうち」の中国語訳には、“近日内”“不久以后”があります。「近日内」「不久以后」のいずれも、「まもなく」や「近いうちに」の意味を持っています。

韓国語では「조만간에

「そのうち」を韓国語で表現する場合は、”조만간(チョマンガン)”を使うことができます。「조만간」は「まもなく」「もうすぐ」などの意味を持つ言葉です。

まとめ

「そのうち」とは、それほど遠くない「少し先」を指す言葉で、具体的な「いつ」を示さない曖昧な表現です。そのため、ビジネスにおけるやり取りにおいては、回答に「そのうち」を使うことは避けてください。相手が期日を正確に把握できないだけでなく、「曖昧にしている」「はぐらかしている」というネガティブな印象をも与えかねないため、注意して使うようにしましょう。