「不測の事態」意味と使い方は?不測の事態への備え方も解説

社会人になると様々な場面で不測の事態が生じることがありますが、万が一自分が直面したときにはパニックにならず敏速な行動ができるでしょうか?

ここではビジネスシーンで遭遇し得る「不測の事態」について、言葉の意味と使い方、類語や英語表現を紹介しています。「不測の事態」の状況と対処方法も解説しますので、どうぞ参考にしてみて下さい。

「不測の事態」の正しい意味は?

はじめに「不測の事態」という言葉の意味の使い方についてみてみましょう。

主な意味は「予想外のできごと」

「不測の事態」の意味とは、「予想もしなかった驚くようなことが突然起こる」です。「予期すらしていなかったことが身に降りかかること」を指しているため、心が動揺し落ち着かない状態を表しているのでしょう。

「悪い結果をもたらすこと」という意味もある

「不測の事態」には、「想定外の事件が起き、事態が悪影響につながること」という意味もあります。「不測の事態に陥る」という表現は失敗への後悔を感じたときに放たれる言葉でもあります。

悪い結果や影響をもたらすものごとや状況が「不測の事態」であり「あの時、ちゃんとしておけば」と自責の念にかられた時には「すでに遅し」という状態なのです。

「不測の事態」の使い方と例文

それでは「不測の事態」の使い方と例文をみてみましょう。

「不測の事態が起こる」は、予想外のことが突如起きたときに使う

予期しなかったことが突如として起こることです。「不測の事態」で最も多く使われる言葉の例といえます。

職場なら火事や人身事故などを含め、状況的にも「非常事態」「緊急事態」であることが多いです。

「不測の事態に陥る」は、予想外の状況から抜け出せないさま

予想外の状況へと様変わりし、事態が一転して抜け出せないさまを意味しています。「陥る」は「よくない状態に落ちること」を表しています。

「不測の事態に生じる」は、不測の事態に発展してしまった様子

不測の事態が生まれる、つまり不測の事態が何らかの原因で浮き彫りになり表立った様子を指しています。ある原因により予想外にも不測の事態に発展してしまったことを意味しています。

「不測の事態」を使った例文

  • 取引先が明日にも倒産するような不測の事態も起こりかねない
  • いつ何時不測の事態が生じるかわらない
  • 昔の彼女のバッタリ会い不測の事態に動揺している
  • 大型台風の影響による不測の事態に対処する準備をしておこう
  • 顧客情報が盗まれるという不測の事態にそなえてリスクマネジメントの強化を行う

「不測の事態」の類語


「不測の事態」にあたる類義語は、2つの意味「予期せぬできごとが起こること」「悪い結果をもたらすこと」でそれぞれ異なる言葉が当てはまります。ひとつずつご紹介していきましょう。

予期せぬできごとの類語は「未曽有の出来事」「晴天の霹靂」

「予期せぬできごとが起こる」という意義での類語には、前例のないできごとを指す「未曽有の出来事」「晴天の霹靂(へきれき)」のほか、「棚からぼたもち」「思わぬできごと」「予想だにしないできごと」などがあります。

悪い結果をもたらすことの類語は「由々しい事件」「死活問題」

「悪い結果をもたらすこと」の意義で見る類語は「由々しい事件」「死活問題」「不都合な事態」「余程のこと」などがあります。言葉を言い換えるときは気をつけるようにして下さい。

「不測の事態」の英語表現と英文例

国際企業や取引先での「不測の事態」が起こることも考えられますが、英語環境の職場では日本企業以上にスピードと行動力が必要です。

一言「contingency」で表現する

職場で「不測の事態」を表す英語はいくつかありますが、一言で危機感を示したい場合は「contingency(コンティンジェンシー)」が適切でしょう。contingencyを使えば不測の事態を伝えるとともに、即時に対応が必要である状況を示すこともできます。

その他の表現では「unexpected situation」「unforeseen circumstances」や外来語の「accident」を使ってもよいでしょう。状況の強弱によって使い分けをしてみて下さい。

「不測の事態」を使った英文例

  • Our company are aiming to upgrade our contingency plan.
    わが社は不測の事態に備えてさらなる対応策を検討している
  • The contract we have made has been cancelled due to unexpected circumstances.
    今回の契約は不測の事態によりキャンセルになった

ビジネスで「不測の事態」に備えるための対策とは?

それでは不測の事態が生じる前に、準備としてできることはあるのでしょうか?ビジネスシーンを背景に、どのような対策があるか考えてみましょう。

不測の事態が生じることを予測する

ビジネスシーンでは予測していなかったことや、思わぬアクシデントは時として起きるものです。これは自分のせいでも誰のせいでもなく、突然身に降りかかってきます。

不測の事態に備えてできることは会社や事業所、もしくは部署単位である程度のトラブルシューティングをしておくことです。不測の事態を想定し、状況別にどのようにして事態を収束させていくのかを練習しておくのです。

たとえば嵐の影響で船便の到着が一週間遅れるとします。その際のトラブルシューティングなら「船会社との状況確認」「顧客への状況報告」「流通経路の確認」「別便の手配」などが挙げられます。

リスクマネジメントを共有する

「不測」という言葉からイメージできるように人は想像もしていなかったに遭遇するとパニックに陥ることが多くあります。しかしタイムリミットやルールで縛られたビジネスシーンでは「不測の事態」を上手に乗り越えて行かなければなりません。

ところが「不測の事態」に的確に対処していくことは容易なことではなく、さらに多くの場合時間と心労を犠牲にして終わることが多いため、効率的な解決に向けてリスクマネジメントを実行していく必要があります。

リスクマネジメントはある一定の部署でのみ機能すると誤解されがちですが、企業一丸となって危機を乗り越えるという気概が必要です。リスクマネジメントの詳細を社員全員で共有し、理解を深めていくべきでしょう。

コンティンジェンシープランを作る

「不測の事態」に備えて事態を視覚化し、状況に合わせた行動手順を示したバックアップのことをコンティンジェンシープランといいます。つまり「プランA、プランB、プランC」のことです。

コンティンジェンシープランは交通渋滞でVIPの到着が遅れるというレベルから、手探りで生み出した商品がヒットせず大赤字が出ることを予想するレベルまでさまざまです。加えて現代ではサイバーテロや情報リークなどの問題にも、コンティンジェンシープランを使用しています。

緊急事態はいつ何時にやってくるかわかりません。だからこそ危機を克服するための理想的なプロセスを、いくつか確立しておくことが大切なのです。

まとめ


「不測の事態」は誰もが予想していなかったことが、突然起こるさまを指しています。不測の事態に対応できるよう備えることは、社会生活でも日常生活においても大切なことです。

万が一、職場で不測の事態が起こったら上司に敬語で丁寧に状況を伝え、まず何をすべきか指示を仰ぎましょう。状況はさまざまですが、事態に沿った対処の仕方があるはずです。一人で抱え込まず声を出して解決へと導いていきましょう。