「眼福」(がんぷく)の意味と使い方!類語や例文も解説

「眼福」といってもあまり聞きなれない言葉だ、という人が多いのではないでしょうか。「福」という言葉がついているため、なんとなくめでたい言葉というイメージは湧きますが、その正確な意味や正しい使い方は?と聞かれると……。

そこでここでは、「眼福」という言葉の意味や正しい使い方についてご紹介いたします。

「眼福」の意味・読み方・由来

意味は「美しいものや綺麗なものを見ることの幸せ」

「眼福」は「眼の福」という字の通り、「美しいものや綺麗なもの、貴重なものなどを見ることの幸せ」を意味する言葉です。絵画を鑑賞したりや憧れの人物や光景などを目の前にした際の幸せな気持ちを「眼福」という言葉で表現することもできます。

読み方は「がんぷく」

「眼福」の読み方は「×がんふく」ではなく「○がんぷく」と読むのが正しいです。

「眼福」の由来は中国語

「眼福」という言葉の由来は中国語からきていると言われています。もともと、私たちの使用している漢字は、その昔中国から伝わったものが起源だとされています。

そんな中国では、眼福以外にも、おいしいものをいただいた際に使う「口福」という言葉や、美しい音楽や楽しい音楽を楽しむことができた際に使う「耳福」などの言葉も存在しています。

「眼福」の使い方

「眼福」は文面や文章などで使用する

「眼福」という言葉を使った例文には以下のようなものがあります。

  • 目の前にはこのうえなく眼福な光景が広がっている。
  • 綺麗な女性を見るのはまさに眼福だと言える。
  • この美術館の作品には眼福を味あわせていただいた。
  • この作品は、まさに眼福というべき仕上がりだろう。
  • 眼福の返礼として、観衆は大きな拍手や喝采をおくった。

このように、「眼福」という言葉は、どちらかというと普段の会話ではあまり使用しない言葉です。「眼福」は、普段の会話のなかというよりも、文面や文章などで使用するのに適した言葉だと言ってもよいのかもしれません。

ビジネスシーンではあまり使わない

なぜ「眼福」という言葉が日常会話のなかで使われることが少ないかと考えると、単純に「眼福」という言葉を知っている人や、その意味を理解している人がすくないということが挙げられます。会話のなかで、その知っている人の少ない言葉を使っても、意味が通じませんので使用する必要性が少ないと言えるのではないでしょうか。

とくにビジネスシーンのなかでは、口頭で相手になにかを伝えるということはとても重要なことです。そのため、その意味を知らない人の多い「眼福」という言葉を使うことは、あまりおすすめできません。ビジネスシーンのなかでは、その状況にあった丁寧な言葉を使うことは大事なことではありますが、相手に伝わるかどうかはさらに大事なことです。

「眼福」の類語や言い換え

類語①「目の保養」の意味と使い方

「眼福」という言葉を日常生活のうえでよく使うという人は少ないかと思いますが、「目の保養」という言葉を使う機会は多いのではないでしょうか。

「目の保養」という言葉には、「美しいものや綺麗なものを見て楽しむこと」や「美しい風景や美しい人物を見て楽しむこと」などの意味があります。「眼福」とは非常に近い似た意味の言葉になっていますが、「目の保養」という言葉は、基本的には「美しいもの」を見たときによく使われる言葉になっています。

類語②「目の正月」の意味と使い方

まさに「めでたい」という印象を感じる「目の正月」という言葉。「目の正月」という言葉には、「美しいものやめずらしいものを見て楽しむこと」という意味があります。

「正月」という言葉からも、縁起の良いイメージを与えることができますので、「眼福」よりも堅苦しくなく、明るく縁起の良い印象を与えることができる言葉だと言えるでしょう。

類語③「目の薬」の意味と使い方

「目の薬」とは呼んで字のごとく「見て慰めになるもの」や「見て楽しませてくれるもの」などの意味を持っています。例えば、普段仕事で疲れている状態で、たまの休みにドライブに出かけて綺麗な景色を見たり、公園で我が子が元気に遊ぶ姿などを見ると癒された気持ちになるでしょう。

そういった「見ることで癒されるもの」を「目の薬」と表現することが多くなっています。そのため、「眼福」とは少々使われ方が違う言葉になっていると言えます。

類語④「目もあや」の意味と使い方

「眼福」と同じように「目もあや」という言葉も、なかなか日常生活のうえでは耳にしない、めずらしい言葉かと思います。「目もあや」という言葉には、「まばゆいほどの美しさ」という意味があり、「目もあやな姿にほれぼれします」などの使い方をする言葉になっています。

まとめ

このように、「眼福」という言葉は日常生活でもビジネスシーンでも使用することの少ない言葉です。しかし、「使用する」ということは少なくても「知っている」ということは大事なことです。

自分自身で使用することがなくても、いつこのような言葉が使われるのかはわかりません。そのため、自分が使う機会が少ないとしても、「眼福」の意味や使い方を知っておくことは大事なことだと言えるでしょう。