自己紹介や挨拶などで「〇〇をはじめとする」という言葉をよく使いますが、この言葉を取り入れるか取り入れないかによって、内容対する印象が変わってきます。
ここでは「はじめとする」の漢字と意味、使い方と類語を英語表現と併せて紹介しています。ぜひ参考にしてみて下さい。
「はじめとする」の漢字と意味は?
まずはじめに「はじめとする」の漢字と意味を紹介します。
「はじめとする」の意味は「〇〇に代表されるように」
「はじめとする」は、「○○をはじめとする」と用い、「○○に代表されるように」という意味を持つ言葉です。後に続く話の一例を示すために「はじめ」を使います。
また「はじめとする」を使った文章とそうでない文章では、相手が受ける印象が異なる場合があります。
・「取引先をはじめとする関係各社に連絡をする」
・「取引先と関係各社に連絡をする」
この二つの文章では、前者が「取引先」に対し価値を示し特別な意識を寄せていると感じられるのに対し、後者は「同等」の扱いで純粋に羅列しただけという印象を受けます。
このように「多くの中から特定の何かを際立たせたい」場合に、「はじめとする」という言葉を用いることもあります。
「はじめとする」の漢字は「始めとする」
はじめとするの漢字は「始めとする」がふさわしいと考えられています。似た漢字に「初め」があり「始め」と混同してしまうこともあるでしょう。
「始め」は「ものごとに着手する」そして「初め」は「最初」という異なる意味があり、「はじめとする」の「はじめ」は「最初」という意味ではなく、「ものごとに着手する」の方になります。
ただし、「始め」と「初め」のどちらの漢字が正しいと明確にされていないため、ビジネスシーンでは「はじめとする」は平仮名で書くほうが無難でしょう。
「はじめとする」の使い方と例文
つぎに「はじめとする」の使い方と例文を紹介します。
「はじめとする」の公用文での使い方
国や公共団体が法令や文書を作成するときに用いる文章を「公用文」と呼びますが、文章に登場するある人物や内容を強調し、きれいに整えるために「はじめとする」を活用した文を使うことがあります。
公用文を作成する時は読み手に誤解がないように一句一句、気を使いながらまとめていかなければなりませんが、書き方の基準はビジネスメールやビジネス文書で応用することができるため、良き手本としてその書き方を学ぶ人も多くいます。
いくつもある中で協調や敬意を示したい部分がある時は「はじめとする」を使って文章にリズムを加え読みやすくしてみましょう。
「はじめとする」を使った例文
- 〇〇をはじめとする
「社長をはじめとするスタッフ一同が心よりご来店をお待ちしております」
- 〇〇をはじめとした
「介護支援をはじめとしたボランティアサービスを多く提供しています」
- 〇〇をはじめとして
「コットン素材のシャツをはじめとしてバラエティ豊かなファッションアイテムを取り揃えています」
- 誰誰をはじめとする
「教師をはじめとする職員全員が運動会に参加する予定です」
- 〇〇さんはじめ皆様
「田中さんはじめ皆様、この度は祝賀会を開いていただきありがとうございます」
どれも正しい「はじめとする」の活用形です。上手に使い分けをしましょう。
「はじめとする」の類語は?
それでは「はじめとする」の類語をみてみましょう。
「はじめとする」の類語は「皮切りに」など
「同じもの、同じグループ、同種類のものごとの代表として例示する」という意味での類語には「皮切りに」「筆頭に」「先頭に」「以下諸々」があります。
「以下諸々」の場合はすでに「諸々」が「多くのもの」「いろいろなもの」を示しているため文章のまとめ方と言葉が放つニュアンスが少し異なります。
- 社長を皮切りに社員全員が一丸となって取り組む
- 社長を筆頭に社員全員が一丸となって取り組む
- 社長を先頭に社員全員が一丸となって取り組む
- 社長以下諸々、一丸となって取り組む
「はじめとする」の英語表現
英語で「はじめとする」を表現するときはどうすればよいのでしょうか?
英語は文法(grammar)
「はじめとする」は状況や対象となるものごとによって単語が異なるため、英語に訳すのが難しい表現の一つです。文章を構成する時は日本語と逆になるためgrammar(文法)にも気を付ける必要があります。おもに「including」「such as」などを使いますが、わかりやすく英文で紹介しましょう。
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まとめ
「はじめとする」の正しい漢字は「始めとする」です。朝会での挨拶や祝辞などを述べる時に「社長をはじめとする社員一同」というように「代表するものを自然に際立たせることができる」言葉であるため状況に合わせて取り入れていきましょう。
公用文での使い方を参考にするとビジネスでも応用できるためおすすめです。職場でスピーチしたり取引先にスタッフを紹介するときなど臨機応変に使っていきましょう。