街中で「ワンマン」というカタカナ文字を見かけことはありませんか?何気なく目にする文字ですが、本来の意味や生まれた背景を理解している人は少ないでしょう。
ここではカタカナ語「ワンマン」の意味や類語を中心に「ワンマン電車」「ワンマン運転」などの「ワンマン〇〇」について触れながら説明していきたいと思います。
ワンマンの意味と類語は?
はじめに「ワンマン」の意味と類語についてみてみましょう。
ワンマンの意味は「一人で行うこと」
ワンマンの意味は「通常は複数で行うことを一人だけで行うこと」です。英語の「one-man」から生まれた言葉です。
また、別の意味では「一人でものごとを自分勝手に行う人」「他人の意見を聞かず自分の思った通りに振るまう人」があります。この場合、わがままで聞く耳を持たないというニュアンスが強いため、一般的には良い意味で使われることは少ないでしょう。
ワンマンの類語は「横柄」「高飛車」
ワンマンは異なる二つの意味がありますが、ワンマンが修飾する言葉が「人」の場合は、「自分勝手にものごとを進める人」「人の話を聞かない人」というようにネガティブな表現になることが多いです。
この意味での類義語は「横柄」「高飛車」「権威的」「高姿勢」「独裁的」「傲慢」「腰高」などが挙げられます。
ワンマン経営とは?
「ワンマン」がつく代表的な言葉に「ワンマン経営」があります。まずは「ワンマン経営」について紹介しましょう。
ワンマン経営は「独裁的な経営」
ワンマン経営とは社員がいながらも意見を聞かず、自分の思想や考えだけにとらわれて経営を行う経営スタイルを指しています。
ワンマン経営のメリット
「ワンマン経営」では、社長の意見が通りやすいため、社長さえ許可すれば意思決定が迅速に行えるというメリットがあります。多数決ではなかなか難しいリスクの高い案件なども、ワンマン経営では意思決定ができることなども特徴です。
ワンマン経営のデメリット
逆に、ワンマン経営ではせっかくのビジネスチャンスもワンマン社長の頑固な考えにより逃してしまうこともあるかもしれません。
ワンマン経営が続く企業ではワンマン社長の態度や行動が事業にそのまま影響することが多く、さらには社長自身が周りの見えない「裸の王様」のような状態ににもなりねません。「社長に嫌われたら会社にいずらくなる」「どのような状況でもNOが言えない」といった社員の悩みでてくる場合もあります。
ワンマン社長の特徴は?
ワンマン社長はリーダーシップが優れており、迅速な意思決定を得意とする特徴があります。一方、社員に任せることが苦手で自分で何でも片づけてしまう傾向もあります。例えば、優秀な社員が達成した成果でも「ほめない」「感謝しない」などの特徴があると、離職率も高くなってしまうかもしれません。
乗り物にまつわる「ワンマン」
ワンマン運転
ワンマン運転は本来乗車すべき車掌が乗務しない状態で運転士(運転手)一人だけで電車やバスを運行することです。発車時刻の確認、到着と発車時の安全確認、運賃の受け取りなど業務を一人で兼務します。加えて、別の言葉では「ワンマン運行」「ワンマン運航」とも呼ばれています。
ワンマンカー
ワンマンカーとはワンマン運転で運行される路面電車やバスのことを総称した言葉です。ワンマンカーはタクシー、チャーターバス、マイクロバスなどの小型車にも適用されます。
ワンマン電車
ワンマン電車は車掌を乗せず運転士(運転手)一人だけで運行する電車のことです。ちなみに電車と列車の呼び方の違いの一つに「ダイヤの構成の仕方」があり、電車には主要駅以外は発着時刻が決められておらず、列車の場合は各停車駅ごとに全ての発着時刻が決められています。同じ路線を走っていても「電車」と「列車」の呼称が異なるのはそのためです。
ワンマン列車
ワンマン列車はワンマン電車と同じように一人で運行される列車のことです。列車は線路を走る全ての車両を指していますが、電車は架線を通して電気で走っているものを指しています。そのため非電で走るSLを電車と呼ぶのは適切ではなく、列車と呼ぶのが正しいと言えるでしょう。
「ワンマン」を用いたその他の用語
その他、日常生活で見かける「ワンマン〇〇」について、どのようなものがあるかを見ながら解説していきましょう。
「ワンマンライブ」
ワンマンライブは1つのグループ、または1人のアーティストのみでライブを行うスタイルを指します。似た言葉に「ソロライブ」がありますが、ソロライブは通常グループやユニット単位で活動しているアーティストが、籍を置くグループから離れて単独でライブを行うことを指すため意味が異なります。
「ワンマンアーミー」
ワンマンアーミーは一人で銃火器を上手に使い、一つの軍として通用するほどの活躍ぶりを披露する単独兵士のことです。他の部隊に属せず一人だけで勇敢に戦いに挑むのが特徴と言えるでしょう。
「ワンマンブリーダー」
ワンマンブリーダーは車のオイル交換で使うポンプ型のアイテムです。ワンマンブリーダーというネーミングから一人で作業できることは可能ですが、2人で作業をしたほうがスムーズな場合もあります。専門的なプロセスがいくつかありますので、適切な手順を踏んで作業を行うようにしましょう。
まとめ
今回はカタカナ語の一つ「ワンマン」を紹介しました。ワンマンには「ワンマンカー」「ワンマン運転」など「複数で行うものごとを単独ですること」という意味の他に「ワンマン経営」「ワンマン社長」のように「独裁的である」「人の言うことを聞かない人」という意味があります。
「あの人はワンマンである」は「あの人はワガママである」「他人の意見を聞かない」という意味です。使い方には十分気を付けるようにしましょう。