「ウインナー」と「ソーセージ」の違いをご存知でしょうか。今回は、同じだと思っている方も少なくない「ウインナー」と「ソーセージ」の意味と違いのほかに、語源やソーセージの種類、JASによるソーセージの分類に加えて、ウインナーのカロリーと英語表現も解説します。
「ウインナー」と「ソーセージ」の違いとは?
「ウインナー」と「ソーセージ」の違いは”略語かどうか”
「ウインナー」と「ソーセージ」の違いは”略語かどうか”です。「ソーセージ」は肉をケーシングに詰めた加工食品のことで、「ウインナー」は”ソーセージ”の一種で「ウインナーソーセージー」の略語のことです。
「ウインナー」とは”ソーセージの一種”
「ウインナー」とはソーセージの一種で、「ウインナーソーセージ」の略語です。塩漬けした豚肉と牛肉に香辛料を混ぜ合わせて、羊の暢のケーシングに詰めたものです。湯煮や燻製などをした加工食品です。
「ソーセージ」とは”肉をケーシングに詰めた加工食品”
豚肉や牛肉をミンチ状にして香辛料を混ぜ込み、羊、豚、牛の腸、またはプラスチックフィルムなどで造られた人造のケーシングに詰めた食品全般を指し、ウインナーもソーセージの一種になります。
原料や作り方は多数あり、乾燥、燻煙、湯煮をして保存するタイプや、ドイツには生肉を使った「メットヴルスト」と呼ばれる保存がきかないソーセージもあります。
「ハム」はもも肉の塊を塩漬けして燻製
ソーセージに似た食品で「ハム」もありますが、「ハム」は主に豚のもも肉の塊を塩漬けにして燻製にした肉製品です。ソーセージと違い、肉を細かく切ることははなく、またケーシングに詰めることもありません。
「ウインナー」と「ソーセージ」の語源とは?
「ウインナー」の語源はオーストリアの首都”ウィーン”
「ウインナー」はオーストリアの首都ウィーンで作られていたことから、「ウィーン風の」という意味で名付けられました。
ヨーロッパで「ウインナー」と「フランクフルト」はほぼ同じ
「ウインナー」はかつては「フランクフルター(Frankfurter)」と呼ばれていました。これはフランクフルトソーセージの語源になります。
18世紀にドイツ人ヨハン・ゲオルグ・ラーナー氏がオーストリアのウィーンで肉屋を開業し「フランクフルター」としてウインナーを販売したところ人気を博し、それがいつしか「ウィーン風ソーセージ」という意味の「ヴィエナ―ヴルッシェン」と呼ばれるようになりました。
そのためドイツやオーストリアで食べられるウインナーはメーカーによって多少の違いはありますが、フランクフルトとほぼ同じソーセージです。
「ソーセージ」の語源はラテン語”salsus”
ソーセージとは英語でソーセージを意味する「sausage」のカタカナ語ですが、その語源にはいろいろな説がある中で有力とされるのがラテン語の「salsus」です。
「salsus」は「塩で味をつける」という意味で、この語の中の「塩」を意味する「sal」と、「こま切れ肉」を意味する「sicium」が合成して「salsicium」となり、フランス語で「saussiche」となった後に、英語で「sausage」になったと言われています。
「ソーセージ」の3つの種類とは?
「ソーセージ」は主に「ドライソーセージ」「ドメスティックソーセージ」「クックドソーセージ」の3種類に分けられます。このうち、ウインナーは2つめの「ドメスティックソーセージ」に該当します。
「ドライソーセージ」は乾燥させたソーセージ
「ドライソーセージ」は20日~90日間乾燥させたソーセージで、水分量は35%以下で長期保存ができます。ドライソーセージよりも水分量が多く55%以下のソーセージはセミドライソーセージと呼ばれます。
「セミドライソーセージ」はサラミ系とセルベラート系に分かれます。サラミ系は肉は粗く刻まれ香辛料を強くきかせた製品が多く、スペイン産の「チョリソー」はセミドライソーセージの一つです。セルベラ―ト系は肉を細かく刻み香辛料は少なく、冷燻したのちに乾燥させます。冷燻とはベーコンの製造に用いられる製造法で、20度以下の低温で燻煙する方法です。
「ドメスティックソーセージ」は水分多めのやわらかめ
「ドメスティックソーセージ」はやわらかいのですが水分が多いため長期保存はできません。例として、ウインナーソーセージ、フランクフルトソーセージなどが挙げられます。
「クックドソーセージ」はボイルされたソーセージ
「クックドソーセージ」は肝臓や血液など汚染しやすい食材を使っているため、殺菌するために燻製ではなく必ず水煮されて作られるソーセージのことです。レバーソーセージやブラッドソーセージ、タンソーセージ、ヘッドチーズなどが挙げられます。
JASが決めた「ソーセージ」の3分類とは?
JASによるソーセージの3分類
「JAS(ジャス)」とは農林物質の規格化や品質表示に関する法律のことで、食品に一定の基準を課しています。この法律では、ソーセージを次の3つに分類しています。
- 「ウインナーソーセージ」
ケーシングは羊の腸。または太さが20mm未満。 - 「フランクフルトソーセージ」
ケーシングは豚の腸。または太さが20mm以上36mm未満。 - 「ボロニアソーセージ」
ケーシングは牛の腸。または太さが36㎜以上。
また、それぞれのソーセージの品質は肉質や香味、色などから上級と標準に分けられます。
「魚肉ソーセージ」は「魚肉練り製品」
「魚肉ソーセージ」は日本独特の食材で、マグロやすけとうだらなどの魚肉を香辛料と混ぜて人造ケーシングに詰めて湯煮したものです。ソーセージとネーミングされていますが、JASの定義では魚肉ソーセージは魚肉練り製品のひとつで、肉を原材料にしているソーセージとは区別されます。
魚肉練り製品は他に、かまぼこやちくわ、はんぺんなどが挙げられます。
「ウインナー」のカロリーとは?
ウインナーは「高カロリー低糖質」
市販されているウインナーの100g当たりのカロリーは約300kcal、糖質量は約3gです。脂身抜きの豚肉は100g当たり、カロリーは約260kcalで糖質は約19gですから、ウインナーは高カロリーで低糖質の食品だと言えます。
低糖質の食品だとしてもケチャップやマスタードを付けると糖質量が上がりますので、糖質の取りすぎが気になる方はケチャップやマスタードの付けすぎには注意しましょう。
「ウインナー」の英語表現とは?
「ウインナー」は英語で”vienna sausage”
「ウインナー」は英語で”vienna sausage”と表現します。「vienna」はオーストリアの首都ウィーンの英語名で、「sausage」は「ソーセージ」です。英語では「ウインナー」を「ウィーン風のソーセージ」として二語で表現します。
まとめ
「ソーセージ」は羊や豚、牛の腸や人造でできたケーシングに肉を詰めた加工食品のことで、「ウインナー」は水分が多くやわらかいドメスティックソーセージの一種で、オーストリアの首都ウィーンが語源です。
「ヨーロッパではウインナーはしばしば温められて食べられている」