「アウトライン」とは、ビジネスの場面においては、「あらすじ」や「概要」の意味で使う言葉です。また、デザインの分野においては、文字や画像の「輪郭」の意味として使います。今回は「アウトライン」と言う言葉の意味を詳しく解説。「アウトライン化」「アウトラインプロセッサ」などの用語についてもご紹介します。
「アウトライン」の意味とは?
「アウトライン」の意味は”あらまし・あらすじ”
「アウトライン」の意味は、“輪郭・あらまし・あらすじ・概要”です。「事件のアウトライン」と言う表現は、「事件の概要」を意味しています。
ビジネスの場では、「あらすじ」や「概要」「要約」「目次」などの意味として使います。「仕事のアウトライン」や、「企画のアウトライン」「会議のアウトライン」などとよく言います。
デザイン分野での意味は「文字やイラストの輪郭」
デザイン分野における「アウトライン」は、知っておくべき用語のひとつ。「アウトライン」は、“文字やイラストの輪郭”を指す言葉となります。「アウトライン化する」「アウトラインフォントで提出する」などと使いますが、後ほど詳しく紹介します。
ワード(Word)の「アウトライン」は構成を作成する機能
文書作成ソフト「ワード」においては、アウトライン機能を使うことで、レベルに応じた見出しの作成や編集、階層に応じた文書の表示などを行うことができます。ワードは、通常は「印刷レイアウト」の表示となっているため、アウトライン機能を使う場合は「アウトライン表示」に切り替えを行います。
「アウトライン」を使った例文
「アウトライン」を使った例文をご紹介しましょう。
- 今回のコンペにおいては、事前にアウトラインと大まかなスケジュール・概算の3つを提出ください。当日は、質疑応答に当てたいと考えています。
- 今回時間があまりないので、アウトラインのみまず提出してチェックいただき、並行して詳細を詰めることにします。
- 先日の納品物は、フォントがアウトライン化されていませんでした。アウトライン化したものを再提出してください。
「アウトライン」を使った用語とは?
「アウトライン化」とは文字やイラストの”図形化”
「アウトライン化」とは、グラフィックデザインソフト「イラストレーター」において、文字やイラストの「輪郭」を「図形化」することを意味する言葉。通常、文字を含むデザインを保存したときには、ファイルの中には文字のフォント種別を示す情報が含まれています。しかし、「アウトラン化」を行った場合に含まれているのは、フォント情報ではなく文字を図形として描画する情報です。
なお、「アウトライン化する」ことを「アウトラインをとる」と言う場合もあります。
「アウトラインプロセッサ」は文章構成を作成するソフト
「アウトラインプロセッサ」とは、文章の構成を作成するソフトのこと。構成の作成機能を持った文書編集ソフトもありますが、「アウトラインプロセッサ」は章や節など文章の構造をつくることに機能の重点をおいたソフトです。「アウトラインプロセッサ」は「アイデアプロセッサ」と呼ばれる場合もあります。
「アウトラインフォント」はフォント形式のひとつ
「アウトラインフォント」とは、フォント形式のひとつです。文字の輪郭を、点と点の間をつなぐ曲線で表した情報で持つことにより、拡大や縮小を行った場合にも形が崩れず、美しいまま表示や印刷ができると言う特徴を持っています。
「アウトラインステッチ」は刺繍のステッチ技法
「アウトラインステッチ」とは、刺繍のステッチの技法を意味する言葉です。ビジネスやデザインにおける用語ではありません。
デザイン分野における「アウトライン化」とは?
「アウトライン化」はデザインの再現に必要
「アウトライン化」とは、デザインを正しく再現できるようにするため必要な作業です。印刷会社などに、デザインデータを納品する場合は、「アウトライン化」を行うことが一般的です。
「アウトライン化」を行わないままデータを納品すると、納品先のPCで正しくデザインを再現できないことがあります。デザインを作成したPCと同じフォントファイルがインストールされていない場合には、指定したフォントが使用できず別のフォントに置き換わってしまうためです。
「アウトライン化」は「イラストレーター」の覚えるべき機能
「イラストレーター」を使用してデザインを行う場合には、「アウトライン化」は覚えるべき機能のひとつです。デザインデータの入稿データの仕様には、サイズや解像度などと合わせて「アウトライン化を行うこと」が指定されていることも多くあります。
PDF入稿時も「アウトライン化」が必要な場合がある
PDFを入稿する場合にも「アウトライン化」が必要な場合があります。本来、PDFファイルには、変換時に使用しているフォント情報が自動的に埋め込みされます。しかし、PDFへ埋め込みできないフォントを使っている場合は、「アウトライン化」が必要となります。
「アウトライン化」の解除は不可能
イラストレーターで、文字の「アウトライン化」を行うと、後から文字の修正や編集を行うことはできません。また、一旦「アウトライン化」を行ってデータを保存してしまうと、文字のアウトライン化を解除することもできません。「アウトライン化」を行う前の状態のファイルも、別に保存しておくのがよいでしょう。
「アウトライン」の英語表現とは?
「あらすじ」の英語は”summary”や”outline”を使う
「あらすじ」や「概要」の意味における英語での表現には、“summary”や“outline”を使うことができます。「summary」「outline」のいずれも「あらすじ」「概要」を意味する言葉です。なお、カタカナ語の「サマリー」もビジネスにおいては、見聞きすることの多い言葉です。
デザイン分野における「アウトライン」の英語表現には、「outline」を使います。「outline」は、名詞としては「輪郭」を、動詞としては「アウトライン化する」の意味としてそれぞれ使うことができます。
まとめ
「アウトライン」とは、ビジネスにおいては「あらすじ」「目次」「概要」などの意味として使う言葉です。デザインの分野においては、文字やイラストの「輪郭」の意味を持ちます。
「アウトラインプロセッサ」は「目次」など文書構造の作成に機能の重点を置いたソフトですが、ワードなどの文書ソフトにおいても「アウトライン」機能を持っている場合があります。また、「アウトライン化」とはデザインデータを入稿する際に行うべき、文字を図形化する作業です。